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徒然枕物語 壱  作者: 緋和皐月
2/15

好きな人

初めて書いた恋愛系。




「ねぇ、恋バナしない?」

「ぇ……恋バナ?嫌だよ、恥ずかしいもん……」

「そんなこと言わないでさ〜」



 ……嫌だよ。



「あたしはね、───が好きなんだ」

「ぁ……そう、なんだ」



 ……やめよう、その話。


 そんな言葉すら、言えない。

 喉に何かが詰まったかのように、その言葉を口にすることが出来ない。



「ね、リィちゃんは?好きな奴いる?」

「……ぇ?」

「お、その顔は居るでしょ?え〜、誰、誰?」



 ……ほんとに、やめようよ、こんな話は。



「…………ぅ」

「勿体つけないでさ〜教えてよぅ〜!」






 ……本当にやめ、








「…………───、くん……かな」





 ……あぁ。言っちゃった。





 ……だから、聞きたくなかったのに。








「───が好きなの?」

「……ぅん」

「かっこいいもんね!」






 ……そっか。





 ……そっか。






 ……あの子が好きなのは、









 ……やっぱ、彼奴なんだ。











 …………俺じゃなくて。




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