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第3話 小さな不動産屋さんでの初仕事

自転車のモデルの年数表示が今年になっていたのを修正しました。

自転車のモデルの発表と発売時期の説明も追加しました。


 沖縄へ着いて次の日、月曜日の朝。


 薫子は目を覚まし、小雪と軽い朝食を摂っていた。


 「小雪、今日はどうする?

  消えないでいるならリード付けなきゃ駄目かもだけど」


 コンビニの生クリームとイチゴの入ったサンドイッチを人の姿で無心に頬張っている小雪。


 「んむんむ…これ美味しいね」


 食べるのに夢中で、薫子の話を聞いていないようだ。


 生クリームをあちこち付けている小雪の口元を、薫子はティッシュペーパーで拭いてあげる。


 「だからね、リード付けるかどうかってことなんだけど」


 「んー…だっこがいいな」


 斜め上の返答をする小雪に、半ば呆れながらもその可愛さに見とれている薫子。


 「はいはい、首輪はしててね」


 「は~い」


 一通り食べ終わった小雪、すぐに狐の姿に戻って薫子に首輪を付けてもらっている。


 ピンポーン…


 壁にあるインターホンのスイッチをオンにすると、画面に紫子の顔が映る。


 「薫子、おはよう、用意できてる?」


 「出来てるよ、今開けるね、お姉ちゃん」


 開錠のボタンを押すと、インターホンの画面が消える。


 ピン…ポーン…


 「はいはい」


 たたたた…


 がちゃっ


 「おはよ、お姉ちゃん」


 「あら、そんな恰好しなくてもいいのに」


 玄関を上がってくる紫子は、昨日とほぼ変わらないラフな格好。


 そして薫子は、前の会社で着ていたスカートのビジネススーツであった。


 「お姉ちゃん、そんな恰好でいいの…?」


 「そうよ、スーツなんて汗かいちゃうわ。

  着替えなさいよ、楽な恰好でいいから」


 とてとてとて…とんっ


 紫子の腕に飛び込み、抱いてもらう小雪。


 「おはよう、小雪ちゃん」


 「おはよー、紫子お姉ちゃん」


 紫子はベッドに座って、膝に小雪を抱き、持ってきたブラシをかけている。


 小雪は真っ白な長い毛をしていて、狐には見えない。


 だから犬の真似をしていても違和感がなかったりする。


 薫子はデニムのロングスカートにタンクトップとゆったりしたTシャツを合わせて着る。


 長い髪をポニーテールにして、いつもの丸メガネ。


 「はい、準備できたよ」


 「下に車用意したから、まずは市役所で転入手続きしてしまいましょうね」


 「小雪、そろそろお姉ちゃんの腕から下りなさいよ」


 「えー」


 「いいのよ、薫子」


 全く、我儘な子である。


 戸締りを終え、エレベーターで1階へ。


 紫子の車で那覇市役所へ。


 安里三差路を右折すると国際通りに入る。


 片側1車線の道路が県庁のある久茂地交差点まで約1.6km続いている。


 モノレールの牧志駅を過ぎると、急に賑やかになっていく。


 通りの左右には、土産物、特産品など、ここだけで沖縄旅行の買い物が終わってしまうような位に密集している。


 まだ朝なのでそれ程の込み合いはないが、混んでいる時は抜けるのに1時間以上かかることもある。


 観光客には一番人気の買い物スポットで、もう少し経つと、三線を奏でる音色も聞こえてくるので、歩いているだけでも楽しめる場所である。


 久茂地交差点を直進して、交番のある一つ目の信号を左折する。


 すぐに右側に、那覇市役所が見えてくる。


 「薫子、ちょっと買い物してくるから、終わったら電話してね」


 「わかったわ、小雪はどうする?」


 「このまま車に乗ってるー、暑いから出るの嫌」


 「まったく、我がままなんだから…」


 薫子は市役所で転出の手続きを終え、スマートフォンを出し、紫子へ電話をする。


 RURU─ガチャ


 「お姉ちゃん、終わったよ」


 「今向かってるから、交番の前まで出ててくれる?」


 「はーい」


 ピッ


 駐車場出口を左折して、元来た道を戻る。


 交番の前に出ると、紫子が車のハザードを出して待っていた。


 薫子は車に乗り込むと、小雪を膝の上に乗せる。


 「シートベルトおっけ」


 「じゃ、お店いきましょうか」


 真っ直ぐ進み、途中でUターンして、国際通りを北上していく。


 牧志駅を過ぎたところで、脇道にある駐車場へ車を止める。


 そこから歩くこと1分程度で、小さな店が前の不動産屋が見えてくる。


 思ったよりも部屋から近く、歩いても10分程度の距離だった。


 名前を「ふぉっくすほーむ」と書いてある看板には、狐のデフォルメされた可愛らしいキャラクターも書いてあった。


 おそらく、小雪がモチーフになっているのだろう。


 「可愛い看板ね、お姉ちゃん」


 「でしょう、私が決めたの。

  慶介さんが継いだときに、イメージチェンジしたのよ」


 「(これ、わたし?)」


 「そうよ、小雪ちゃんがモデルなの」


 「(可愛い!)」


 チリンチリン…


 「お、お帰り、紫子。

  おはよう、薫子、小雪ちゃん」


 「おはようございます、慶介兄さん」


 「(おはよー)」


 「薫子の机はこっちね」


 その机には、これまた赤くて可愛いノートパソコンが置いてある。


 「お姉ちゃん、これ使っていいの?」


 「いいのよ、薫子用に買ったものだからね」


 「ありがとう、お姉ちゃん。

  慶介さん、あたし、何から始めればいいんですか?」


 慶介と紫子は、目を見合わせて、くすりと笑う。


 「紫子、予定通りでいいんだよね?」


 「はい、慶介さん」


 「薫子ちゃん。

  まずは沖縄を知らないと、お客さんの要望も解らないし、案内もできないんだ。

  だから、今週土曜まで沖縄をあちこち見て回って欲しいんだよ」


 薫子は驚いた。


 「えっ…それが仕事なんですか?」


 「そうだね、地図を見ても多分わからないだろう?

  今はナビがあるから迷うようなことはないと思うけど、お客さんに説明も出来ないと困るんだ。

  紫子と相談して、そうしてもらおうってね」


 「そうよ、何もわからないまま仕事なんて出来ないわ。

  まずは沖縄の気候、地理、どこに何があるかを凡そでいいから覚えて欲しいの。

  沖縄って観光地のイメージがあるけど、それは一部でね、殆どは人が住む街なのよ。

  私たちは仕事があるから、案内してあげられないのよ。

  だから、慣れてもらうのも含めて、行ってもらおうかってね、楽しそうな仕事でしょ?」


 「うん、楽しそう。

  頑張って、沖縄を勉強してくるね」


 慶介が薫子に車のキーを渡そうとする。


 「あ、薫子ちゃんは、ロードバイクあるから大丈夫だっけ?」


 「はい、本島の外周が400kmくらいだって見たことあるので、余裕です」


 「じゃ、いってらっしゃい、何かあったら連絡するのよ」


 「はい、まずは南から行ってみる」


 「気温が高くて、日差しも強いから、水分の補給を欠かさないこと。

  薫子ちゃん、気を付けてね」


 「はい、行ってます。

  小雪も行くでしょ?」


 「(うん、行く、置いてっちゃやだよ)」


 「はいはい」


 「日焼け止め忘れちゃだめよ」


 「はーい」 


 チリンチリン…


 薫子は部屋へ戻ると、宅急便のドライバーから荷物の届く連絡が入る。


 荷物を受け取ったら、荷解きはそこそこにして、着替えを始める。


 膝より少し上までのエメラルドグリーンのレーサーパンツとサイクルジャージ(ツールドフランスに出てくるユニフォームみたいなもの)ビアンキのロードバイクに合わせた色である。


 腕と足には紫外線対策用のアームガードとレッグカバー。


 ちなみに、レーサーパンツは下に、下着を付けることはない、なぜなら、汗で濡れてしまう為、通気性が悪くなるからである。


 顔の部分にはSPF値の高い日焼け止めを忘れない。


 着替えや必要なものをバッグに詰めて、シートポスト(サドルの下のパイプ)に取り付けるタイプのリアキャリアにネットで固定する。


 スマートフォンを防水ケースに入れ、ハンドル近くのホルダーにセットする。


 冷蔵庫からミネラルウォーターを出し、スポーツドリンクの顆粒をボトルに入れ、ミネラルウォーターを満たし混ぜてから蓋を閉め、ボトルケージへ挿す。


 ヘルメットを被り、顎紐を絞め、シューズを履く。


 小雪用のバッグを背負い、小雪を肩へ乗せる。


 アイウェア(サングラスより少し大きめの自転車用のもの)をかけて、準備完了。


 「じゃ、いきましょうかね」


 「おっけー」


 戸締りをして、エレベーターに乗る。


 玄関を出て、ロードに乗ると、右足のビンディングをペダルに固定(スキー板と靴の原理と同じです)する。


 カチン


 「(いけー薫子!)」


 「(はいよ)」


 カチン


 薫子の愛車をここで紹介しておこう。


 ビアンキ製ダーマビアンカの201X年モデル。


 自転車の新型はモデル年の1年前夏前あたりに出るのが普通である。


 なのでこれは去年薫子が内定をもらった秋ごろに買ったばかりのものであった。


 女性用に設計されたロードバイクで、チェレステ(Celeste)と呼ばれる独特の青緑色(エメラルドグリーン)


 イタリアが1861年に統一され、初のイタリア王妃になったマルゲリータ・マリーア・テレーザ・ジョヴァンナ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァという女性がいた。


 そのマルゲリータ王妃のリクエストで、彼女の瞳の色と同じ色にペイントされた歴史上初の女性用自転車をビアンキが献上したとの説のある、ビアンキといえばチェレステカラーと言われる程の色。


 薫子はこの色に惚れ込んで、いつか買おうと憧れていたのである。


 18万円弱したが、就職祝いに貯金をはたいて、自分へのプレゼントとして新調したものであった。


 その後に、あのクビになる事件があるとは思いもしなかった薫子だったが…


 薫子の駆るビアンキは一路南部方面へ。


 まずは58号線を南下していく。


 まだ平地なので、サイクルコンピューターが差す時速は約30km。


 車には抜かれるが、決して遅くはない。


 日差しは強いが、紫外線対策をしているせいで、それほど辛くはない。


 ヘルメットのベンチレーション効果もあって、髪の毛等は快適そのもの。


 珍しいものを見るように、抜いていく車もちらほら。


 右肩に犬を乗せているように見えるからだろうか。


 路肩の白線の内側が荒れていない(砂などがない)ときは白線の内側を。


 そうでないときは、白線の少し右側を走って行く。


 沖縄には自転車専用レーンは殆どと言っていいほど、存在しない。


 暑さのせいかもしれないし、車社会で自転車に乗る人が少ないのか。


 それでもトライアスロン等はとても盛んで、自転車ユーザーは少なくはない。


 もっとも、トライアスロンは離島で行われることが多いのだが。


 暫く走ると、モノレールを(くぐ)る。


 ここを右に行けば空港への道。


 そのまま曲がらずに真っ直ぐ進んでいく。


 路の右側に、陸上自衛隊の駐屯地が見えてくる。


 暑い日差しの中、自主練なのか、走っている人もいた。


 薫子は心の中で【お疲れさまです】と、なんとなく言ってしまう。


 走りながら、沖縄の暑さを実感する。


 常時汗が出ていくので、水分補給は欠かせないことに気付いた。


 カチン、カチン


 ビンディングを外し、路肩へ止まり、ビアンキを歩道へ乗せる。


 ボトルケージへ手を伸ばし、ボトルに口を付け、水分の補給をする。


 「(小雪も飲む?)」


 「(うん、ちょうだい。

  あと、頭が暑いからなんとかしてー)」


 小雪は薫子が持っているボトルの吸い口に吸い付き、喉を鳴らす。


 小雪が飲み終わると、薫子は荷物からバンダナを出し、小雪の頭にほっかむりの要領で被せてあげる。


 「(これで、凌げると思うけど、辛くなったら言ってね)」


 「(うん、ありがと、薫子)」


 そして、再スタートを切る。


 順調に進んでいく薫子。


 左に豊見城警察署を見ながら進むと、オレンジ色の屋根の大きな建物、メイクマンと書かれたホームセンターが見えてくる。


 気が付くと58号線から、331号線へと道が替わっていた。


 その先の名嘉地(なかぢ)交差点を2段階右折して、一路豊見城市街を走る。


 暫く走ると、右側に豊見城市役所を見ながら通り過ぎる。


 赤いAが3つのマーク建物、サンエー糸満ロードショッピングセンターが右手に見えてくる。


 見た感じ、沖縄によくあるデパートのようなものみたいだ。


 豊見城市を出て、糸満市に入ったようだ。


 更に進んでいくと、道が片側1車線になっていく。


 バイパスと呼ばれる区間を抜けたようだ。


 潮の香が一層強くなってくる。


 「(いい香りだよね、この潮の香りって)」


 「(海って初めてかもー)」


 「(この先の潮崎ってところに公園があるから、そこで一休みしましょ)」


 「(うん)」


 ラウンドアバウト方式の糸満ロータリーに入る。


 薫子は初めて見る、タイプの道だった。


 「(これ、珍しいわね)」


 「(ホントだ、ぐるぐる回ってるよ)」


 道なりに膨らむように進んでいき、また真っ直ぐの道に戻る。


 信号2つ目に広い交差点にさしかかる、ここを右折すると左手に糸満市役所が見えてくる。


 海沿いを進むと、住宅地があり、南浜公園に着いた。


 公園内に入ると、海が180度全部に見える。


 東屋のような日差しを遮るベンチがあり、そこへ腰を下ろして一休み。


 「(すごいね、沖縄に着て初めて海見たね)」


 「(これは、大きいねー)」


 時間は11時くらいだろうか、強い日差しの中だが、風は少し強い。


 日陰に入ると、嘘のように涼しく感じる。


 「(これって、不思議よね。

   これだけ暑いのに、日陰だけ涼しいのよね)」


 「(うん、これはわかんないけど、涼しいねー)」


 薫子はタイヤの状態を確認する。


 今のところ状おかしいところはないようだ。


 ボトルのスポーツドリンクがそろそろ少なくなってきた。


 通り沿いにかねひで、というスーパーがあったのを思い出した彼女は、この後水などを買おうと思っている。


 地図で見るより、実際走ってみると、観光地というより人の住む街だということを実感する。


 この公園に来る前に見た新興住宅地があるあたり、そう思えてくるのだった。


 いつ地元へ戻るかわからない、沖縄県民になるという選択肢もある。


 知らない土地で知らないことがあるのは、少し怖くもあるから、ここはじっくり見ていこうと思った。


 スマートフォンで写真を撮ったり、芝生の上を小雪が走り回ったり。


 30分くらいいただろうか。


 「(小雪、そろそろ出ようか)」


 「(そうだね、今日はどこまで行くつもりなの?)」


 薫子はスマートフォンに出した地図を指で指しながら小雪に説明する。


 「(あのね、この下の部分をこう、行くと、下に小さな島があるでしょ?

  そこまで何時で行けるかもあるんだけど、一応ぐるっとここまで行こうと思ってるの)」


 指した先は、沖縄の南部をぐるっと回るような感じで与那原町と書いてある場所を示していた。


 「(ふ~ん、結構遠いね)」


 「(そうね、だから無理はしないつもりよ)」


 「(うん、じゃ行こうよ)」


 ビアンキに跨り、先へ進んでいく。


 途中、タウンプラザかねひで真栄里店で買い物をして、先へ進んでいく。


 「(あのさ、薫子)」


 「(なに?小雪)」


 「(…この先さ、かなりゾワゾワするんだよ。

  私ちょっと怖いというか、悲しい感じがするんだよね。

  だからなるべく止まらないで進んで欲しいんだけど…)」


 途中、【ひめゆりの塔まで~km】という看板が見えてくる。


 薫子は、なるほど、と思った。


 薫子も霊感がかなり強い方で、言われてみればそんな感じがする。


 小雪の方が敏感だったようで、薫子よりも早く気付いたみたいだった。


 薫子は幽霊の類は嫌いではない、それよりも悪意を持った人間の方が性質が悪いと思っていたりする。


 この世に未練を残し、現世に留まり続ける理由があるから、そこにいるのだと思っている。


 でも、小雪が不安がるので、よっぽどのことが無い限り、自分から近づこうとはしない。


 「(そうね、たぶん、ここで多くの人が亡くなったって聞いてるから。

  そのせいかもしれないわね)」


 「(うん、よくわからないけど、そんな感じがする…)」


 実は薫子はひめゆりの塔にある、資料館に行ってみたかったと思っていた。


 でも、小雪が辛いというのなら、それはいつかでいいかもしれない。


 速度を調整して、なるべく信号で停止しないように。


 ひめゆりの塔を通り過ぎていく。


 そのまま沖縄平和祈念公園までもうすぐ、という所辺りから、それほどきつくはないが、長い登り坂が待っていた。


 高低差で80m距離にして1.8km、約4.4%の勾配だが、この暑さでは結構厳しい。


 シッティング(サドルに座った状態)で進んでいく薫子だが、かなりきつい。


 心拍数も跳ね上がり、息も上がっていく。


 「こ、これは結構きついわ、消耗するわね…」


 薫子はヒルクライムはあまり好きではない。


 これが好きは人はある意味変態だと思っている。


 例えばTVで見た、安○大サーカスの団長のように。


 あんなに嬉しそうに坂を上る人はマゾじゃないかと思っている。


 「(がんばれー!薫子、がんばれー!)」


 「(はいよ、小雪!)」


 やっとのことで、登り切った。


 2kmないとはいえ、結構疲れた。


 あとは長い下り坂。


 放っておくと、惰性でも50km以上出てしまう。


 ブレーキを掛けつつ、危なくない速度で降りていく。


 もう、糸満市を抜け、南城市へ入っていた。


 下りきってちょっと行った辺りで、331号線から右へ入る。


 すると、奥武島(おうじま)へ向かう橋が見えてくる。


 奥武島への橋を渡り、道を走る。


 地続きとはいえ離島である奥武島、那覇市内と違って、何というか、時間が止まったような感覚を覚える街並み。


 ビアンキから降りて、ヘルメットを取りアイウェアを外して海を見る。


 コバルトブルーに輝く海、所々エメラルドグリーンになってるのも見える。


 「(すごく綺麗だね、小雪)」


 「(…きれい…)」


 小雪は感動しているようだった。


 薫子は海外旅行の経験がないので、この奥武島の海はとても綺麗だと思った。


 スマートフォンのカメラで写真を取り、適当に腰かけて、ぼーっと海を見ている。


 小雪も薫子の傍らで同じように海を見ていた。


 この景色を見られただけでも、沖縄に来てよかったと思う薫子だった。




読んでいただきまして、ありがとうございます。

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