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第七話 見破られて

次の日の学校。結局栞にはあの後部屋には呼ばれず、安心したのやら、悲しいのやら、まあとにかく昨日の夜は食事の後、特にしてもらう事もないと、灯真に言われ、真琴に相談しようとしたが庭の手入れに集中していてとても話しかけられる様子ではなかったので辞めた。

結局自分の部屋で時間を過ごしていたらそのまま寝てしまって気がついたら朝と言う状態だったのだ。


そして今に至る。

今と言うのは二人のお嬢様に挟まれながら登校と、執事になってから一番大変な仕事をしている途中であった。

一日しか経っていないのだが穂澄の事は学院中に知れ渡り、今や男子の中では穂澄は憎むべき相手となっている。と言う訳で2人のお嬢様の間に挟まっている穂澄は今三十人ほどの殺気を感じ取りとても居心地が悪そうであった。


「ほっすみぃ〜」


後ろから声が聞き覚えがある声がする。

だけどこのパターン前にも無かったっけ?ああ、あれかなデジャヴってやつかな?


穂澄はデジャヴを感じながらも慣れた手つきでその声の主の頭を鷲掴みにする。


「いでででででっ!?あれっ?前にもこんな事無かったっけ!?」


蛍も気付いていたのか、掴まれている頭をブンブン振り回して穂澄の手を振り解く。


「あっ!遠藤さんおはようございます。」


「・・・・・・ほたるくんおはよう」


2人も蛍の事に気がついたのか挨拶をする。


「おっ。今日も可愛いね。尊ちゃん。栞ちゃん。ああ、後俺は『ほたる』じゃなくて『けい』だから間違えないでね。」


ちなみに蛍の名前を間違えたのが男子であった場合&気に入らない男子であった場合と言う悪条件が揃うと次にその男子を見たときは血まみれで倒れているだろうな。

蛍は女に名前を間違えられてもあまり怒らないが、男子の場合は違う。相手をボコボコにしてしまう。

穂澄の前ではヘナヘナしているが切れると教師でも止められない。その度に何度穂澄が止めた事か・・・・・・


「ダメですか?」


「・・・・・・ほたるの方が可愛い。」


2人にそう言われた蛍は穂澄の方へ向いて。


「穂澄。俺のあだ名今日から『ほたる』なったから。ヨロシク!!」


―――それでいいのか蛍。そして今までほたると言って散って行った男子達よかわいそうに・・・・・・




その時予鈴が鳴る。また蛍のせいで遅刻ギリギリだ。


「二人とも行きますよ。じゃあ蛍。またあとでな。」


そのまま二人の手を取り教室へ走っていった。







場所は穂澄の教室。何でも担任に来客らしく、一時限目は自習になったらしい。

穂澄は2人を一年の階まで送っていったので今日も遅刻であったが何とか命拾いをした。

と思いきや。


「おい、桂。遅刻だ。おまえは家のことがあるとしてもあと三つでダブるぞ。」


居ないはずの教卓には教師が1人。学年担任の三村だ。性別は女、性格は男と言う教師だ。


ちなみに穂澄は特進クラスに入っている。櫻坂学院の評判と勉強の平均を保つ為のクラスと言っても過言ではない。

このクラスの特徴と言えば他のクラスは三十人程度なのだが、この特進クラスはその半分の十五人と言う事。

あと珍しいと言えば女子は色恋沙汰に興味あるが、男子達は特に興味がないと言う事だ。

しかも悲劇と言うのかこのクラスの男子達の共通点は『女子に興味を持たないイケメンたちということだ。』はたから見れば凄い贅沢なのだろうが興味もない事を強制しても意味が無い。何とも奇妙なクラスである。


穂澄は教師に謝りながら席に着く。


「穂澄・・・・・・また櫻坂姉妹?」


後ろの少年が聞いてくる。

穂澄と同じく口まである長ったるい髪の毛を無道さに下ろしており、目は少し垂れ目。本を読みながら喋っている。

彼の名前は社愁寺やしろしゅうじ。名前の通り神社の関係者だ。と言うより二年ほど前に親が事故死してしまい残った神社を経営している少年。つまり事実上の神主と言うわけだ。穂澄と亮平、蛍と昔からの知り合いで幼なじみと言う奴だ。その愁寺は今一つ下の妹との二人暮しで学校に居る時の愁寺はいつも本を読んでいる。

理由は不明。しかしそんな事は一週間もすると気にならなくなってしまうのが現実だ。


そして穂澄にとってこのクラスの利点は櫻坂のことで誰も穂澄に敵対しないと言う事だ。

もし普通クラスに居たら授業中にもかかわらず殺気を向けてくるであろう。



「ああ、遅刻ギリギリだったからな。送ってきた。」


「そう。」


自分から聞いておいて興味なさげに返事をする愁寺。まあこう言う性格なので気にはしていないが。


「何で櫻坂姉妹と一緒に登校してるの?」


本から目を離さずに再度質問してくる。

無愛想だがこれでも結構なついてくれているらしい。


「まあ、いろいろあって今は2人のボディーガードみたいな事をやってるんだ。」


流石に泊り込みで執事をやっているなんてことを言ったら大問題だ。とり合えずそこは隠しておいた方がいい。


「へぇ。じゃあ今何処に住んでるの?」


愁寺の目が本から離れ、穂澄の目をじっと見つめる。

その瞬間穂澄の心臓が跳ね上がる。


「えっ?ふ、普通に家に住んでるけど?」


思いっきり声が裏返ってしまった。やはり嘘などはつけない性格なのか冷や汗を垂らして表情も最初より硬くなっている。


「嘘。家無くなってた。亮平も心配してたぞ。今何処に住んでる?」


どうやら元旦の後に陸奥庵に2人でよったらしい。

ちなみに亮平は特進クラスということでは一緒だが科が違うので学校ではほとんど会わないのだ。


家に行ったのなら隠し通せない、そう思ったのか穂澄は元旦から今日までの経緯を全て白状した。


「・・・・・・おもしろそうだな。」


全然面白くない。ただでさえ屋敷で神経を使うのに学校にまで神経を使ったらその内廃人になってしまう。




「今日は奉里まつりが居ないから神社の仕事手伝って欲しかったんだけど無理か?」


奉里と言うのは愁寺の妹で一つ下の学年にいる。


「わからないけど一応後で聞いて見るよ。」


そう言うと愁寺が任せたと良い目を本に戻した。

とその時


「悪かったな。もう時間が無いが授業を始めるぞ。」


教師が入ってきて三村と変わる。そして授業が始まった・・・・・・





何か疲れた。後半年後には受験だよぉ。いやだよ。

だけど投稿頑張ります。。。

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