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第三十九話 屋上での小さな戦い

まず、謝っておきます。すみませんorz

無計画で始めたこの執事になる50の方法。

高校受験なんて軽く考えていた自分は投稿を途切れさせないようにする事はできず、応援の感想と、手痛い感想を無視しながら、投稿を遅らせた事を謝っておきます。。。

とり合えず、高校にも何とか入学し、授業も自分で組んで(単位制なので)少し時間に余裕が出来ましたので、また投稿を続けさせていただきたいと思います。

待っていた人も待っていなかった人もどうか気長にお付き合いください。。。


あ、あと、少し文章の書き方を変えたので、何かわかった人は感想&アドバイスをくれるとありがたいです。。。

 正午、櫻坂学院にて・・・

 尊の告白から数日が経ち、3人はいつもの日課通り屋上で昼食をとっていた。

 穂澄は水穂の助言の後はしっかりと尊にあやまり、今は返事を出す事はできないと言って、それで一先ず終わったはずであった。だが、その話が終わったとは言え三人の間の空気まで変わるとは限らないのである。


「「「・・・・・・・・・」」」


 三人の間では沈黙が続き、昼食を黙々と食べている。

 しかし、穂澄を挟み尊と栞の間では静かに火花が散っている様に(穂澄は)見えた。

 実際、この数日。2人が一緒にいる時間は目に見えて減っており、会話も少ない。そしてそれに比例して穂澄は2人に個別に呼ばれる為、此処最近穂澄は忙しい毎日を送っていた。


「・・・・・・あの、お2人共。喧嘩でもしましたか?」


 穂澄は空気に耐えられず2人に聞く。


「「何で?」」


 2人は声をそろえて言う。二人とも笑ってはいるが、重い空気は変わらない。


「・・・い、いや。別に・・・・・・ただ、この頃お2人が過ごしている時間が明らかに減っている気がして」


「・・・・・・私は尊と一緒に居たいけど尊がこの頃第二次思春期に入ってるんだよ。穂澄も暫く距離を置いたら?」


「・・・何言ってるの?栞。あなたが女の子の日が来ないって真っ青になってるから私が気を聞かしているんだよ。彼氏でも出来たの?」


「・・・・・・」


 明らかに棘のある2人の言葉。原因が自分にあるとわかっていたとしてもこれは流石に止める事は無理であろう。

 もしこの状態に奉里などがやってきたら目を丸くして驚くであろう。

 しかもこんな時に限って水穂はクラスの用事とか言って昼食は別なのである。多分、ここに水穂がいてくれれば話題を変えるぐらいの事はしてくれたのだろう。

 まあ、穂澄が話題を変えればいいとも思うが、そんな事をすれば事態がますます悪化する事は流石に穂澄でもわかる。


―――愁寺か奉里を連れて来れば良かった。


 実際、連れて来ようか迷っていたのだが尊に返事をする前であったので出来るだけその事を知っている人物は少なくしたかったのが現状だ。

 穂澄は2人に気付かれないように、尚且つ深く溜息を付いた。


「穂澄さんは私と栞のどっちが好きなんですかっ!」


「ブッ!?」


 静かなる戦いを続けていた尊と栞。

 流石に話の真ん中に居る自分が割り込んだりしたら話がもっとややこしくなるであろうと2人を見守りつつ放っておいたのだが、我慢負けした尊がいきなり穂澄にとんでもない質問をぶつけてくる。

 そんな事を予想していない俺は飲みかけていたお茶を吹いて、盛大にむせび返してしまう。


「・・・・・・穂澄? わかってるよね」


「もちろん穂澄さん・・・・・・わかってますよね?」


 しかし、当然の如く2人は咽た俺に心配をする様子などない。それより今は俺の答えの方が最優先なのであろう。

 当然いつもならはぐらかすのが正解であろう。だが、2人の視線と尊の事件(?)の事もあり流石にそれはこちらとしてもそれは気が引ける。


「わ、私はぁ〜―――」


 何とか逃げ道を探そうとするのだが、こんな時に都合よく携帯が鳴ったり、屋上に第三者が現れるなどと言う都合のいい事はそうそうおきるわけも無く、俺は言葉を濁す事しか出来ない。

 本音を言えば俺は2人とも好きだ。だけど、それは恋愛感情ではなく、凛や真希菜たちと離れて暮らしていた時、笑顔を向けてくれた2人は自分にとって家族のようなもので、とてもじゃないけどどちらかを決めるなんて事は俺には選ぶ事が出来なかった。


「―――ど、どちらも好き(家族として)・・・・・・ではダメでしょうか?」


「・・・・・・す、好き?」


「私も、栞も?」


「・・・・・・は、はい」


 再度聞きなおされると流石に恥ずかしい物がある。

 それにもしこの答えに納得がいかず喧嘩がヒートアップすることになれば2人はもっとなかが悪くなってしまう事を考えると、2人の反応を見るまで、俺は生きた心地がしなかった。


「・・・・・・す、好き(異性として)か・・・・・・」


「私も、栞も・・・・・・(ハーレム的な意味で)・・・・・・」


「・・・・・・?」


 俺は微かに気付いた。

 2人の頬が何やら赤くなってきていることを・・・・・・


―――あれ? 勘違い・・・・・・してないよ・・・な?


 しかし、時、既に遅しとはまさにこの事であろう、2人は明らかに言葉の意味を勘違いして、ニヤニヤと緩みきった顔で笑っている。

 多分、俺が緊張して顔を赤くしていた事も手伝って見事に勘違いした2人は、お互い目を合わせて笑っている。


「・・・・・・仲直り」


「うんっ!」


 2人は何故か力強く手と手をがっしりと握り合い、まさに男の友情と言うべきか? 熱く、そして俺には聞こえない声でなにやらこそこそと笑いながら話していた。


―――結果オーライ? でいいの・・・かな?




 俺は笑顔で話している2人の横で、これからの不安と2人が仲直りをした安心感を持ちながら、どこまでも青い空を眺めていた・・・・・・・・・・・・


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