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第三十七話 言いたい事(前編)

「それでは私は竣夜様の所へ行って参りますので穂澄さん。後の事はよろしくお願いします。」


とある休日。灯真は何故か竣夜に呼ばれ櫻坂の会社に行く事になった。

灯真はいつもの執事服ではなく、何故かノリの効いたスーツを着ていった。


「さて、それでは尊お嬢様。これからどうしましょうか?」


「えっと、そうですね。宿題は終わってますし、今日は四人でゆっくり過ごしましょうか?」


玄関まで灯真の見送りをしていた2人はそんな事を言いながら再びリビングに戻ると、そこには栞と水穂がいた。

2人は私服で栞は珍しく・・・・・・と言うか穂澄自体は制服以外見た事の無いスカートを履いてベレー帽をかぶっていた。

水穂は白と黒のチェックの服にジーパンと言う、まさに2人とも余所行きの格好をしていた。


「栞、何処か行くの?」


どうやら尊も聞かされていないらしく、不思議そうな顔をして栞達を見る。


「・・・・・・これから、水穂と服(下着)買ってくるの。」


「栞お嬢様。カッコはいりませんから、一応私も男ですからそういうことは言わなくて結構です。」


栞はニヤリと口の端を浮べながら笑う。


「えっ?それじゃあ私も―――」


「―――・・・・・・ダメ、尊は連れてかない。刺激が強すぎるから。」


「し、刺激ってどんな服を買うつもりなんですか?私はTシャツぐらいとしか聞かされていないんですが?」


『刺激』という言葉に明らかに動揺する水穂。しかし栞は別に動じるような事もなく、ベレー帽をかぶったまま笑っている。


「そ、そんな私だって少しぐらいなら―――」


「―――ガーターベルトとか黒とか赤とかのTバックとか、穂澄に見せること出来る?」


栞が口を挟むと先ほどまでムキになっていた尊は穂澄を一瞬チラリと見た瞬間、茹蛸の様に顔を赤くし俯いてしまう。


「栞お嬢様。あまり尊お嬢様をいじめないでください。それに何で私がそこで駆け引きに出てくるんですか?」


「・・・・・・何言ってるの?尊のMはマゾのMだから良いの。」


「えっ!?マジっすか!?ってことはもしかしたら栞のSはサディストのS何ですか?」


「・・・・・・ご想像にお任せします。それより早くしないと赤のTバックが売り切れちゃうからもう行くよ。」


栞は本気でそんなキワドイ下着を本当に買おうとしているらしく、ポケットの携帯を見て時刻を確認するとすぐに水穂の手を取ると小走りでリビングを出て行く。

水穂は何故か手を握られた事に顔を赤くしていたが、もしかしたら水穂ってレ―――


「そこっ!変な妄想しない。」


いや、何で声に出してないのに気付くの!?

そんな事を思いながらとり合えず穂澄も、2人を見送りに玄関まで小走りに走る。


「・・・・・・それじゃあ、尊。穂澄(野獣)とお留守番。頑張ってね。」


「いやいや、前も似たようなこと言われてましたけど、栞お嬢様の中で私はケダモノなんですか?」


「・・・・・・何を今更っ!この前、あんな事したくせにぃっ」


「いやいやいや、身に覚えの無い言いがかりはやめてください。ちょっとッ!水穂も変な顔で私を見ないでください。」


そんな事を言いながら、栞は水穂を連れて出て行った。

穂澄は穂澄で何故、休日にこんなに疲れなければいけないのかと自分を呪っていた・・・・・・







栞達が買物に行ってから数10分。特にする事もないのだが、尊はこれ以上なく緊張していた。

現在はリビングで穂澄とマッタリお茶を飲みながらテレビを見ているのだが、それは表面上のことであり、尊の心の中は大慌てであった。

それはなにより、穂澄と2人っきりと言う事もあるのだが、さっき栞が言っていた、過激な下着の事で栞が言った『穂澄に見せること出来る?』という言葉が頭から抜けず、しかもそんな事を言われたせいでその状況を想像・・・いや、妄想してしまった為に非常に穂澄と2人っきりになることに抵抗感を覚えている尊であった。


―――あわわっ。穂澄さんと休日の邸で2人っきりなんて、想像しただけで緊張するよぉ〜


尊はテレビを見て笑っているつもりだが、実際テレビの内容など一片たりともあたまに入ってはいない。それより、自分が考えれば考えるほどに自分の顔が赤くなるのを感じ恥ずかしくなって俯いてしまう。


「尊お嬢様。お茶のおかわりはどうですか?」


「ふぇっ!?いや、別にあんたの事なんか考えてないんだからっ」


「「・・・・・・・・・」」


2人の間のイタイ沈黙。

急に声を掛けられた為に何故か出てきたツンデレ。これがもし灯真だったら『わかっていますよ』と、にこやかに流してくれるだろうがそう言うネタに敏感とも言って良い、実際に今の穂澄は尊のカップを取ろうとした状態で止まっており、微かではあるが頬が引きつっている気もしなくはない。


―――ど、どどどどうしようぅぅっ。これってツンデレだよね!ツンデレだよぉ。つまりこれを訳すと『今、穂澄さんの事をめっちゃ考えてました。』的な感じだよぉ。


尊は今にでも溢れそうな涙を抑え、冷静を装う。


「ええっと、冗談ですよぉ。なんて言うか・・・・・・そう、今、流行はやりのツンデレをやってみたくなって、今が丁度そのタイミングなんだと思っただけですよぉっ!別に穂澄さんのことなんてこれっぽっちも考えてないですから!」


「・・・・・・えっと、そう・・・ですよね。まさか尊お嬢様がそこでツンデレをチョイスするとは思いませんでした。HAHAHAHAHA」


明らかな社交辞令のような笑い方に尊は本当に泣きたくなった。流石に穂澄も顔の歪みを隠せない。


―――や、やっぱり私は穂澄さんに嫌われて・・・・・・


尊は考えれば考えるほどネガティブになっていく、目が潤み始める。


「尊お嬢様!?」


「え?あれっ?」


穂澄は驚いて尊の名前を呼ぶ。

尊もそれに驚き穂澄が見ている場所を手で触れる。尊の頬には涙が流れていた。

穂澄はびっくりしたらしくカップを慌てておきソファーに座っていた尊の前に行き顔を覗き込む。


「どこか痛いんですか?それとも―――」


「―――だ、大丈夫です。そ、その覗かないでください。」


自分でも何故涙が出たのかは良くわからない。

だけど今の顔を穂澄に見て欲しくなかった。穂澄の心配そうな顔を見たくなかった。

尊はぼやけた目で穂澄を見ると穂澄はソファーの隣に座りやはり心配そうな顔で自分を見ていた。


その顔が自分の心を締め付けていた。

―――笑っていて欲しい―――笑顔を自分に向けていて欲しい―――心配そうな顔で自分を見ないで・・・


「穂澄さんっ!」


私は堪らず穂澄さんの胸に飛び込んでいた。穂澄は驚いていたが突き返されることも無かった。私としては力いっぱい抱きしめて欲しかったのだが今はこれだけでも良い、少しずつ、どうにかして行こうと自分で決めたから・・・


「お嬢様?」


「穂澄さん、私―――」


勇気を出して、譲ってばかりじゃダメ。手に入れたいなら自分で・・・・・・




「穂澄さんの事が好きです。」

遂に尊が告白しました。自分でも書いていると鳥肌が立ってしまいました。

まあ、文章的には駄作のような気もしているので最近この話を書き続けていいのかと自己嫌悪気味なのですが、とり合えず文章はともかくコレカラの展開を妄想・・・いえ、想像しながら頑張って生きたいと思います

それでは評価&感想待ってます。。。

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