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第三十五話 新学期☆突入

四月の暖かい風が穂澄の髪を撫でる。

視角に入ってくるのはその四月の暖かな日差し。日差しは穂澄の目に入り丁度いい目覚ましになってくれている。

ジジッ

穂澄の近くで何か音がする。

暖かい―――温かい―――暑い―――熱い?


「あっつ!?」


穂澄は額に高温を感じベッドから飛び起きる。


「ああ、起きた?」


目の前に居たのは悪戯な笑みを浮べる水穂が居た。

しかし服はメイド服ではなく櫻坂学院の制服。そう、良く思えば今日から学院が再び始まる。

新学期となり穂澄は三年へ、栞と尊は二年、そして水穂は新入生として一年になる。

だから目の前にいる水穂の制服姿は新鮮で穂澄は少し頬を赤らめながらドキッと―――


「―――するわけねぇだろ。」


「何か言った?」


ポツリと呟く穂澄。それに反応して聞いてくる水穂、ちなみに片手には先ほどの太陽光を集めて攻撃したと思われる虫眼鏡。

穂澄は溜息を付きながら掛け布団をどかし上半身だけ体を起こす。


「・・・・・・乱暴な起こし方ですね、瑞穂。」


寝坊介ねぼすけには制裁を!穂澄には鞭打ちを!ってね♪」


虫眼鏡を片手にハイテンションな水穂。多分今日から栞たちと同じ学院に通うことが嬉しいのであろう。

鼻歌を歌いながらその場でクルクル回ったりしている。


「寝坊介ってまだ七時半じゃないです・・・・・・かぁ!?」


穂澄はチラッと見た時計を持って大声を上げる。

ちなみに穂澄たちが起きなければいけない時間は六時。栞たちを起こさなければ、いけない時間は七時。

一時間半の寝坊、はっきり言うとかなりヤバイ。具体的に言うとこのまま一階に行ったらもの凄い笑顔の灯真が鞭を持って待ち構えて居そう・・・・・・


「おやすみなさい。」


「寝るなっ!灯真さんは『昨日疲れただろうから起きるのは大変だろう。』って怒ってないから。」


「・・・・・・本当ですか?」


「泣くなっ!見てるこっちが悲しくなるでしょ!?」


穂澄は掛け布団を被り顔だけ出して半べそをかきながら水穂の顔をまるで迷子の子犬のような目で見ている。

そのせいで水穂は顔を赤らめながら穂澄から距離を取ってしまう。


「ほらッ!早く出ないと私が鞭持って来るわよ!」


「わ、わかりました。」


穂澄はゆっくりと布団の中から出てきて水穂の制服を掴む、灯真がそんなに怖いのかもはやいつもの穂澄の様子はそこにはなく幼少の頃に退化している気もする。

水穂はそのまま穂澄を引っ張って一階に下りて言った・・・・・・






「良かったですね、穂澄さん。」


「・・・・・・つまんない。」


学院への通学路、四人は普段どおりにその道を歩いていた。

あの後キッチンに居た灯真はもの凄い笑顔で迎えてくれた。当然穂澄は震えながら水穂の後ろに隠れていたがキッチンでそんなに素早く動蹴るわけもなく捕まり耳元で灯真は囁く。

『次、頑張って下さいね。』

普通の言葉であったが灯真が言うと重みを感じてしまう。

とり合えず穂澄はそのあと急いで制服を着て、栞たちと合流し、今に至るというわけだ。


「すみませんでした。多分水穂が新しく入ったから緊張が途切れていたんだと思います。」


「・・・・・・本当に悪いと思ってる?」


ふいに栞が聞いてくる。


「はい!本当にすみませんでした!」


穂澄が頭を下げる瞬間―――栞の悪戯な笑みを一瞬目の端に捉える。

口の端をつり上げその顔はいつも穂澄をいじめる時の目。


「・・・・・・じゃあ、脱―――」


「―――脱ぎませんよ?」


「・・・・・・チッ」


どうやら図星だったらしい。

栞は舌打ちをしながら穂澄の顔を睨む。

と、その時栞の目が水穂と合う。


「「・・・・・・」」


2人の間で一瞬の沈黙。そしてその後の栞の悪戯な笑み。これは例えると悪魔が獲物を変更し、今から捕食しようと企むような感じの顔。


「・・・・・・じゃあ、代わりに水穂が脱げ。」


「なっ!?何で私が脱ぐんですか!」


「・・・・・・今なら私が直々に脱がしてあげるよ?」


栞は水穂の豊満な胸に抱きつきながら上目使いでそう言う。


―――いやいや、流石に公衆の面前でそんな事は・・・


「えっ!?栞お嬢様が直々―――」


水穂は頬を赤くし、満更でも無さそうな顔をする。


―――それで良いのか?水穂よ。


確かに栞の上目遣いは破壊的に悩殺ショットだ。それを抱き付かれた上体で出されたらまさに最強コンボといっても過言ではない。

しかし穂澄もドキッとはするが講習の面前で脱げと言う命令は流石に聞くことはないであろう。

そして穂澄の目の前に居る水穂は腰をモジモジさせながらめっちゃ悩んでいる。

栞も栞でそんな水穂の反応を見て楽しんでいるのか満面の笑みを浮かべている。


「お嬢様がしてくれるなら―――」


「―――まっ!待ってください!ダメです。女の子同士なんてっ!はうぅ〜!!」


水穂はついに鞄を穂澄に投げ渡し制服のリボンに手をかけると、水穂以上に顔を赤くした尊が2人の間に割ってはいる。


「・・・・・・なんで邪魔するの?」


「だっ!だって!女の子同士だなんて、イブとイブだなんて!!!」


顔を赤くして何やら叫んでいる尊。しかしそれを朝の通学路で話す話題ではない事は確かだ。

先ほどから同じ学院生や近所の住民さんから目が痛いです。


「・・・・・・だけどアダムとアダムよりはマシ。」


「確かにイブとイブだったら後ろに花とかありそうですけど、アダムとアダムだったら何か汗臭そうなイメージが・・・・・・」


「穂澄さんもそこで納得しないでください〜!」


尊の声が通学路に響いて行った・・・・・・




ちなみにその後、学院に揃って遅刻した事。

それとその日、穂澄たちが学院にいる間、櫻坂の家に騒音のクレームが来ていた事は言うまでもない・・・・・・







あーした〜はさーくしゃの誕生日ー♪みーんなーで集まって、一緒におめでとー・・・

と言う訳で10月17日は私!作者の誕生日です。

何故、この事を後書きに書くと言いますと、それは単純明快っ!

特に祝ってくれる彼女的な人がいないからです(泣)

まあ、別に彼女的な人物が欲しいって訳ではないのでとり合えず今は受験とこの作品の完結を目標に頑張って生きたいと思います。

感想&評価待ってます。

それでは頑張ります。。。

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