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第十四話 会社に行って

次の日。平日であったが穂澄は灯真に言われた竣夜様に会う為に櫻坂エレクトロニックの前まで来ていた。

ちなみに特進クラスは欠席の評価が凄く厳しく今までちょくちょくと休んでいた穂澄にとっては落第の危機であったがこれも櫻坂の力なのか灯真が担任に言ってくれたおかげで今日の欠席はなしにしてくれているらしい。まあ、その点では結構安心ではあったが、今一番心配なのはその竣夜様がどんな人かが気になる。

穂澄的にはボディービルダー見たいな身体でモサモサの髭を生やしてる。感じの笑い方はHAHAHA見たいな人をどうしても想像してしまう。

だが、ここでいつまでも立っていては流石に不審者だ。現にさっきからガードマンの人がこちらを熱い眼で見ている。

意を決した穂澄は会社の中へ歩を進めた。


「あの、すみません。これを渡せば良いといわれたのですが・・・・・・」


ロビーの受付に灯真から受け取った紙を渡す。


「はい。お話は聞いております。こちらへどうぞ。」


受付のお姉さんは紙を穂澄に返すと案内をしてくれた。

会社の奥に進みエレベーターに乗る。


「32階が竣夜社長のお部屋なので着きましたら一番奥のお部屋に入ってもらえば直ぐです。」


そう言っている間にエレベーターが止まり扉が開く、


「それでは。」


受付のお姉さんは穂澄が出たのを確認すると下に下りていってしまった。

静かな廊下に1人佇む穂澄。周りは流石世界規模の会社と言うだけあってあたり一面塵一つ落ちてない。

穂澄はそろそろと周りを見渡しながら言われた通りに奥へと進む。その姿は思いっきり不審者だが、こんな所に一般人がいきなり放り込まれたらと考えると誰もが同じような行動を取るであろう。

暫く進むと目の前に他の扉よりふた周りほど大きな扉が現れた。

穂澄は恐る恐るその扉を開けると・・・・・・


「ハァイ♪ナイス トゥ ミートゥ ユー。」


真っ黒に日焼けした筋肉ムキムキのスーツ&サングラスの男が立っていた。


「うぉっ!?し、竣夜様ですか?わ、私は灯真さんに言われてきました桂穂澄と言います。以後お見知りおきをぉ!」


「おーい、違うぞぉ〜そいつは俺じゃない。」


頭をガバッと下げて挨拶している穂澄。その部屋の奥から気の抜けた声が聞こえる。

顔を上げるとそこにはデスクに肘をつき資料を読んでいるメガネの青年がいた。

短髪の黒髪の青年。歳は二十五ぐらいであろうか?顔はわりと整っており流石櫻坂の血が通っているだけの事はある。


「俺が櫻坂竣夜だ。そっちはボディガードのドナルドだ。」


「らんら○るー」


随分とノリの良いボディガードだがそれ以上は著作権とかいろいろなものに引っかかりそうだから止めて置こう。

竣夜に手招きされた穂澄はドナルドの横を通りデスクの前に立つ。


「ふ〜ん。君が桂穂澄ね。俺は櫻坂竣夜さくらざかしゅんや。尊と栞の兄貴だ。そしていまは櫻坂エレクトロニックの社長代行だ。」


「は、始めまして桂穂澄です。」


「それはさっき聞いた。良いから座って。」


竣夜が指をパチンッと鳴らすとドナルドが出てきてパイプ椅子を出してくれた。


―――無駄に万能だな・・・・・・


そんなことを思いながら穂澄は用意された椅子に座る。こうして立場が上の人と向き合うのは多分櫻坂の入試面接以来だと思う。


「さて、それじゃあいくつか質問するから。答えて。ああ、曖昧な答えしたら即クビだから気をつけて。」



サラッと重大発言をして来る竣夜。そんなことを言われた穂澄はもちろん緊張して顔を強張らせる。そんな穂澄を知ってか知らないか、竣夜は早速質問をする。



「最初はまず・・・尊と栞の執事をしていて何か違反するような事はなかったか?」



「・・・・・・違反ですか?」



違反と言ってもいろいろとあるから答えにくい。



「しっかり答えないとクビにするぞー。まあ、例えば寝起きで無防備な尊に野獣のごとく襲い掛かり服を引き裂き〇〇〇なことしたり□□□や△△△をしたり誰にも気が付かれない事を良い事に最後は▽▽▽▽まで!・・・・・・・・・とか。まあ、それぐらいのレベルじゃ無いのなら別に良いんだけどな」


注)内容が過激過ぎるため〇□△▽を代用しています。

気になる方は御自分で妄想・・・いえ、想像してみてください。


「な、ないです。」


―――って言うかそんなことしてたら今俺はここにはいません。


そんなことを思いながら穂澄は驚いて止まりそうになった心臓をなだめる。


「次は、借金を返し終わったらその後どうするつもりだ?」


この答えは先程にくらべると楽なのですぐに答えは出た。


「そのまま櫻坂にで執事をしていくつもりですが・・・・・・」


そう答えると竣夜は走らせいたペンを止めチラリと穂澄の顔を見る。


「・・・・・・じゃあ最後に一つ。尊と栞。後お前を入れて三人で遊ぶ時間はどれくらいだ?」


「まあ、曜日にもよりますが大体3〜5時間ぐらいでしかね。」


と今度は走らせいたペンをデスクに置く竣夜。


「3〜5時間だと?」


穂澄が頷くと竣夜は更に難し顔をしてペンを指でグルグル回し始める。

30秒ほど回し続けた竣夜は手を止め資料にまた書き込んでいく。


「・・・・・・成る程な。よし、帰っていいぞ。」


「えっ?」


悩んでいたわりにはあっさりとした答えが出た事に声を上げてしまう。

とここで栞の約束事を思い出す。


「竣夜様。そう言えば栞お嬢様が今度開かれる創立記念祭にメイド喫茶をしたいのでメイド服を着る許可が欲しいと言っておりました。」


「あつっ!?」


穂澄の事を終え一息入れようとしていた竣夜は驚きのあまり持っていたコーヒーカップを落とし足に盛大にぶちまける。


「あいつらがメイド服なんか着たら学院の男子が狂喜乱舞するぞ」


「私もそう思います。」


コーヒーをふきおわった竣は暫く何かを考え込んでいたがふと顔を上げる。


「じゃあ栞には穂澄をつけるなら良いと言っておいてくれ。」


「えっ?何で私が?」


「・・・・・・お前もしかして気がついてないのか?」


竣夜は驚いた様子で穂澄を見る。

穂澄は気がついていないのかと言われても心当たりがないのだからはいと答えるしかない。竣夜は穂澄の答えを聞くとわざとらしく大きな溜息をつく。


「あのなぁ。今までも執事は雇った事はあるんだよ。だけどそいつらに今みたいな質問してもお前以外は全員、一日1時間も喋ってないんだ。」


確かに一番最初の仕事の時栞にからかわれた後。尊に栞は良く執事さんをからかうんですよ、的なことを言われた事があった。そこから考えると穂澄の前にも何人か執事は雇っていた事が解る。


「つまり、だな。お前は多分今までの執事の中で一番信頼されてるんだ。尊と栞に信頼されるぐらいなら大丈夫だろうと思って俺は今お前に栞に付き添うようにって言ったんだ。解ったらさっさと行け!ドナルド、送ってけ。」


鈍感すぎる穂澄に苛立ったのか椅子から立ち上がり穂澄の手を掴むとドナルドにつかませそして、その豪華な部屋から追い出した。








「ドナルドさんは竣夜様にどれぐらい雇われているのですか?」


部屋を追い出された穂澄は帰りのエレベーターでドナルドに話しかけた。ドナルドは部屋を出てからずっと腕を後ろに組んで穂澄の横を歩いていて一言も会話を交える事が無かった。流石に黒人となると穂澄的には免疫力がなくとてもこの限られた空間は息苦しい。


「HAHAHA,私ハ五年前グライ前ニコチラニ出稼ギニ来タ時ニボディガードヲ探シテタ。竣夜様ト出会イ。ソノママ雇ワレタノデス。」


気さくに話すドナルド。これで白塗りの真っ赤な唇をしていたらまさにらんら○るーなのになと少し思う穂澄。


「桂穂澄サン。私はドナルド・スプーランド。コレカラモヨロシク。」


「N○Kのお絵かき歌に出てきそうな名前ですね。」


ツッコミどころ満載なこの人。これからもっとギリギリなネタが飛び出てきそうで少し恐ろしい。例えば母親のあだ名がミッ○ーとか。私の友達、中国で青いタヌキの着グルミ着て働いてま〜す。とか。


そんな話をしているとエレベーターが止まり扉が開く。


ドナルドに押し出された穂澄はそのまま会社を出た。


「ソレデハ、マタ次ニ来ル時マデオ互イ頑張リマショウ!」



二人はそう約束して会社の前で別れた・・・・・・

明日からまた学校です。宿題とかしてないけど、何とかなるかな?

・・・・・・投稿頑張ります。。。

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