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第一話 借金取りに迫られて

一月一日、元旦。


一年の始まりであり、その始まりを祝う日でもある。

しかし当然のようにその『一年の始まりを祝えない者』もいる。


この話はその中の一人の話・・・・・・





12月31日。二人の青年が歩いていた。


「だりぃよぅー亮平。俺を担いで家まで送り届けてくれ。」


茶髪の髪を揺らしながら、青年は言葉通りダルそうに歩いている。


「それは良いけど、俺は穂澄より身長低いから多分足がつくと思うけど」


亮平と呼ばれている茶髪の青年は正論を言って青年をあしらう。



ダルそうに歩いていた青年は桂穂澄かつらほずみ。櫻坂学院に通う高校二年生。

隣の亮平と呼ばれた青年は、杉崎亮平すぎさきりょうへい。同じ高校に通う二年。

小学生の頃から仲がよく、良く言えば親友。悪く言えば腐れ縁と言う奴だ。


「穂澄は明日はどうするつもり?」


二週間ほど前から冬休みに入り、冬の定番クリスマスは終わり、今はもう大晦日の真っ最中である。


「特に用事はないからアルバイトでも探してると思う。」


「元旦にアルバイト募集している所なんてあるのかなぁ・・・・・・」


穂澄の家は父親しかいない。母親は三年ぐらい前に事故で死んだ。それが原因で穂澄は今バイトを探している。

詳しく話すと穂澄の実家は団子屋の老舗『陸奥庵むつあん

人気がありちょくちょくあって雑誌にも取り上げられていたこともあった。しかし今は潰れてしまっている。

原因は父親にあった。

母親に溺愛していたからなのか母親が死んでから毎日のように居間で酒を飲んでパチンコ行って、寝ている。

ろくに働きもしない父親のせいで穂澄の家は大変な状態なのだ。


「あいつも自分の酒代ぐらいはあるみたいだから放っておいても良いんだけどな。」


「親父さんの団子。美味しいって評判だったのになぁ。」


亮平が残念そうに言う。


こうして亮平と出会えたのも始めは親父の団子のおかげだったのだから。感謝していない事は無かった。

だからこうして親父のところに残っているのだと思う。


「じゃあ俺はこっちだから。ああ、それと何か困った時は言ってくれよ。これでも結構付き合い長いんだから。」


「ああ、また今度な。」


そう行って穂澄は亮平と別れた・・・






「ただいま。」


家には明かりがついていた。


明かりがついている事は正直驚いた。


電気が止められているとかそう言うのではなく。


親父が家にいてもいなくても明かりはいつも点いていなかったからだ

昼間から飲んで酔い潰れて点けていないか。

パチンコなどで家にいないか。


どちらにしろ家の明かりをいちいち点け無い人だったから。


「何かあったのか・・・?」


呟いて居間の障子を開けると。


「「よう、お帰り。」」


「・・・・・・・・・」


黒いスーツに顔に傷跡。

恐持ての顔に最後は片手に借用書。


「・・・・・・すみません。家を間違えました。」


なるべく静かに障子を閉め―――


「ちょっと待った。あんた桂穂澄だな。」


―――れなかった。


借金取りだ。


「なんですか・・・?」


とり合えず冷静を装い返事をするが手はすでに汗ばんでいた。


「まあとり合えず。これを読め。」


手渡されたのは便箋と借用書。

この際借用書は後回しにしてまずは便箋の中身を確認した。

中には一通の手紙。

差出人は親父だった。


『穂澄へ、博打と酒で借金が出来た。返しとけ。父より。』


「・・・・・・はっ?」


「読んだか?」


「・・・・・・はぁ」


気の抜けた返事をしてしまった。


まあそれは言いとして、後ろの借用書を見てみると。


3000万円。


何かリアルすぎて怖い。

って言うか親父ってこんなワイルドだったっけ?借金できたから返しとけ。ふざけんな。


「じゃあ行こか。」


男二人に足と手を持たれる。


そして家の影に置いてあった車に乗せられる。


「離せ!俺を何処に連れて行く。」


「大豪邸。」


ウソだー!


このまま密航便で離島の南国パラダイスか?


「離せ。いやだ。南国パラダイスはいやだー。」


「うるさい!」


「ブッ!?」


隣で俺を抑えていた男に顔面を殴られる。穂澄は意識が朦朧とし、そして意識はそこで途絶えた。



タイトルはなんかゴロがいいのでつけました。

一応五十話まで続けようと思いますがあまり期待はしないでください。。。

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