step13え、これで終わり?
ドドドドドドドド!!
五月蝿いなぁ!?
私の安眠を邪魔するとは誰だ!
「妖精さん!外に魔物が!」
遠くから土煙を上げてなんか来てるな。
何で真っ直ぐこっちに来るんだろう。
「ん?あれ私が置いていった魔物だ。まだ追っかけて来てたのか」
「なら出ていって。魔物五月蝿いから」
「ちょ!?倒す!倒しますから追い出さないで!」
手を前に出したエルフは、
「世界を駆け巡る風よ、永き時間の中で、刹那、私に力添えを頼む也、妖精の一族エルフが目の前の敵を消すことを望む也!」
風の妖精がなんか嬉しそうに言う事聞いてる。でもてんでバラバラで、刃も弱っちい。
それでも半分位は倒せたかな?
「く、まさかこんなに多いなんて」
バタン。と、倒れた。倒しきれて無いじゃない。
「面倒い、倒して」
妖精に頼むと、さっきとは打って変わって、一斉に風の刃を飛ばして終わった。
「光の、エルフのやつ回復させて」
ようやく意識を取り戻すエルフ。
「いったい何が、妖精があんなに素直に?」
「アレ全部持ってきて。DPにするから」
「全部!?100体はいるのに!」
「貴女が連れてきたもの。それに、図書館に必要」
「今すぐ持ってきます!!」
便利だ。こき使える。
「妖精さん、お腹空いた」
「今日はシチュー」
「私の分は?」
「全部持ってきてから」
「酷い!?」
こんな感じでのんびりと図書館を大きくしよう。面倒いダンジョン設計なんていらないよね。
あれから1週間、特に誰もこない。
エルフがグダグダ本読んで、ロリっ子が勉強して、特に変わり生え無い日々だった。
「失礼、妖精の女王様はいらっしゃいますか?」
ヒゲのお爺さんが来た。もうちょい若ければ良かったのに。
「私だけど、入館料を払って下さい」
「おや、これは失礼」
金貨1枚を渡してきた。
「多いですよ」
「入館料と面会費用じゃ、遠慮なく取っておくれ」
「面倒い要求するなら受け取らない」
「なるほど、じゃあ銀貨にしようかの」
お爺さんはキョロキョロと本棚を見てる。
「妖精の女王様、何故図書館を建てたので?」
「チラシにも書いたけど、本読んでグダグダしたいから、お金稼ぎに。あと、身の安全の為に」
「なるほど、お名前を伺っても?」
「こう言うのは自分から名乗るもの」
「これは失敬、私この国の国王、ホンガス・キデスです。今日は図書館に商談に来たのです」
!?
流石に国王本人が到来するのは驚く。
「何で?」
「我が国の中に怪しいダンジョンが出来ると、占い師が言ったのだが、図書館なら国営にしてしまえばいいかなと」
「なるほど、私は儲かる、貴方はタダで図書館が出来ると」
「付け加えるなら、妖精の女王様なんて恐ろしい者が暴れるのを恐れる者がいるので」
「いいよ、人間襲うなんて面倒いし。本が買えるなら飲むよ、要求。相手が襲って来なければ」
これで、手を出す奴はぐんと減るだろう。相手が何してもこっちも得するから乗っとく。
「では、資金提供は金貨500枚でよろしいですね?」
「本は高い、800枚は欲しい」
「お客が少ないのにこんなに本があるなら、ルートも特別なのでしょう。むしろ多いと思いますよ?」
「ちっ。面倒い。それで」
「では、宜しく御願い致します」
無駄に低姿勢な、狸じじいだった。まあ、面倒いのは終わり。他の人に世界を回すダンジョンは任せよ。
短いですが、妖精の図書館編はここで終わりです。次は世界で恐れられるドラゴンの話です。
「ふふふ、我の暗黒渾沌影炎で焼き払ってくれるわ、ユフ者め、zzz」