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step10 気が変わったんだよね

私は今、周辺の確認をしている。

湖はなかなか綺麗で飲み水にできそうだ。タンクがあったはずだから、亜空間で風呂場や水道とつないでおこう。


すると、風の妖精が面白いものが見れると私を呼びに来た。周りの確認がまだなのに。まったくもう。


すると、風の妖精は風で感知した情報を私に直接流し込んできた。

しまった!この手を使えば図書館から出ずに周りの確認が出来たのに!働いちゃったよ!!


はぁ、と大きなため息をついて、私は風の妖精に引っ張られるままについて行った。


「た、だすげてぐれ!」


血がダラダラと流しながらオッサンが這い寄ってくる。いや、私血が好きとかじゃないから。

風の妖精に文句を言うと、その先の女の子に狼がじゃれてるのが面白いとの事。

それって面白いのか?妖精の考えているのは分からないなと妖精の女王の私でも思う。


「助けて欲しい?人1人助けてもいい気分だけど」

女の子が知り合いなのか、知るために聞いてみる。


「俺よりむずめを、娘を助けてぐれ!俺の命でもなんでもやる!だがら・・・」


「分かった、オッサン、貴方を助けてあげる」


オッサンは凄い絶望した顔になった。なぜだ?

助けてあげるんだから喜んて欲しい。


「俺より娘を助けてぐれ・・「気が変わったんだよね」そんな・・・」

変わったものはしょうがない。


「やっぱり今日は2人とも助ける気分になった」

「えっ!」


早速オッサンに光の妖精に治療をたのむ。

「これは凄い・・・」

「早く案内して」「あ、ああそうだな」


風の妖精に聞けば分かるけどオッサンが見た方が安心できるからね。


「助けてお父さん!こわいよ!」


木の枝に服が引っかかって助かるなんて本当にあるんだなーと現実逃避してしまった。

崖の中頃に生えた木の枝に女の子が引っかかっている。

狼が跳んで落とそうとしてるのを女の子が避けている。凄いな!全然触れさせてない。余裕にみえる。


「早く娘を!」「分かってる」


風の妖精がいつものようにウインドカッターを撃つ、がいつものようにバラバラにならず、傷ついた狼に私たちが狙われた。


あれれ?おっかしーぞー?


「ウインドカッターが効かないなんて」

「ウインドウルフには風の耐性があるから風魔法はあまり効きませんよ!」


ガッデム!こうなったら、


「オッサン、火持ってない?」

「タバコ用のマッチがありますけど!?」

「今すぐつけて」


ウインドウルフが迫ってくる!オッサンはやく!

火がついた瞬間、現れた火の妖精に頼む。

「焼き払え!」


目の前の空間が火に包まれた。狼は一瞬で黒焦げになった。うわ、ヨウセイツヨイ。


「キャアア!」


あ、ヤバ、今ので木の枝が燃え尽きてっ!?

あれ、オッサンが駆け出している!?オッサンがキャッチなんてしたら2人とも大怪我になるじゃないの!


「そんなの嫌、マッドプール」


2人の着地点の地面を柔らかくして、水分を多めに含ませた。要するに泥の水溜りだ。


バシャ!ボシャ!


「た、助かった?」

「「・・・・・」」


2人とも怪我は無いが、泥だらけなのでジトっとした目でこちらを見ている。


「ほ、ほら、無傷で助けた私を褒めても良いんだよ?」

「「・・・・・・・・」」

「えっと・・・お風呂入る?」

「「お願いします」」


うぅ、そんなに怒らなくてもいいじゃないか。2人とも結果的に無傷だし、助ける義理なんて無かったのに。ついでに奥にあったオッサンの馬車を土の妖精に図書館までの坂を作らせて運んでおいた。


「じゃあ、ついて来て。家に案内するから」

「お父さん、妖精さんの家に行けるの!?」

「ああ、そうみたいだな、物語のような家だったらいいな!」


なんかハードル上げられた気がする。私の家は大きなただの図書館デスヨー。ダンジョンだけど。


「ここが私の家、宿泊料初日無料」

「おお!大きい建物ですね!ここが入口ですか!」

入り口?ドアの事かな?


とりあえず中に入ってもらう。2人は本の量に圧倒されたようだ。


「凄い量だ!一体いくらかかったんだ!?」

「金貨9枚、銀貨99枚、銅貨99枚」

実は奥の方はまだ埋まってなくて、本棚10棚分しかないけど。10棚って多いのか。

内訳は銀貨896枚で112冊、銀貨103枚と大銅貨9枚で1039冊、銅貨9枚で1冊だ。合計1152冊だ。

レシートらしき物まで付いてくるとは思わなかった。管理するのは面倒くさいから壁に貼っとく。


「ところで、妖精の里にはいつ行くの?」


幼女が興味深々といった感じで聞いてくるが、私はそんなん知らん。質問に質問で返そう。


「妖精の里って何?」

「「ええっ!?知らないの!?」」

「だって生まれて4日しか経ってないもん」


オトトとアーネの2人を見送ったのは昨日だ。まだ1歳もなってないのに知らない事の方が多いに決まってる。


やはり、こんな時は本だ。検索で、妖精の里を選択する。検索結果1冊。銅貨9枚の絵本だ。

タイトルは[妖精の里の伝説]、そのまんまだ。話が数話載っている。軽く50ページの絵本だ。

パラパラと速読する。読書家の称号の本を読むスピード大幅アップは凄い便利だ。1分も掛からなかった。

本によると、妖精の里は全ての妖精の帰る家であり、そこは虹があふれ、財宝があふれ、花が咲き乱れ、まるで天国のような場所らしい。何それ見たい。

特に財宝。


「私の家はこれ、今からお風呂創るから待ってて」

「いまからですか!今日は泥だらけでねるのか…」


ガッカリしてるみたいだけど、私は人間用のトイレとお風呂を合わせて150Pで創った。

これでDPは1850Pになった。アーネとオトトは2000Pもあったらしい。何それこわい。


「出来たよ」

「こ、これはお風呂なんですか?」


あーシャワーにユニットバスなんてこの世界には無いか。


「これはユニットバスですか?前に見たものより凄そうですね」

「知っているのか!オッサン」

「勇者召喚の国、プレンテには、歴代の勇者の残した建物やアイテム、風習や技術が数多くあり、大陸一発展してる国です、そこにありました」


マジか。いつか行こうかな?いや、ダルイからパスの方向で。


とりあえずお風呂に入ってもらうと、ようやく一息ついたようだ。私はオッサンに1人で小部屋に来るように言った。


「さて、何の用かな?」

「とぼけないで、貴方ならもう分かってるはず」

「ふふふふ、あははははははっ!」


オッサンは笑う。私の言いたい事は分かってるみたいだ。


「君は本当に妖精かい?妖精は魔法が凄くても頭が回らないっていわれてるのになあ?」

「私は妖精の女王、それは変わらない。早速話し合いを始めよう」

「ああ、お手柔らかに頼むよ」


私達は微笑を浮かべ、互いに喰らう気を余すことなく出していく。この話し合いはどうやら長くなりそうだ。


夜がふけていくなか、私達の戦いが始まる。

春が気付いた事とは一体!?

豹変した商人の正体は!?

そして幼女は仲間になるのか!?

まて、次回!

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