step8取らぬたぬきの皮算用
今回から図書館の主、春風花の章になります。
彼女は放置ゲーが好きです(何もしなくても貯まるなんて素晴らしい)ので、さっさと状況を整えて放置するつもりです。
図書館の主の妖精、春風花です。
建てたはいいものの誰も来ない。何でだろう?
いや、今目の前のドアが開いた。初めてのお客様だ。面倒でもしっかりもてなそう。
「グギャギャギャ!」
醜い人型の何かが入って来た。どうしよう、私罠とかまだ仕掛けて無いから倒せない。とりあえずステータス画面で何か役立つものを探す。
あ、newと付いている掲示板が出来てる。軽く参加して皆の情報交換する。敵が居るが飛んでいるので手が出せないみたいだ。早速掲示板にあったステータス画面の文字全ての隠しウインドウを開いてみる。
妖精 (下級の妖精は火の妖精、中級は炎の妖精など属性があるが、妖精はその上位種で、全ての妖精を扱える…進化先無し)
レベル1あと10Exp
スキル妖精図書館、飛行、妖精魔法、翻訳
称号、《妖精女王》《図書館の主》《読書家》《経営者》《怠け者》
HP70 MP1兆 DEX99 DP0
飛行レベル10MAX自由に飛べるようになる
妖精魔法レベル10MAX妖精にかんぺきに魔法を使わせる事が出来る
妖精女王、《フェアリークイーン》妖精を統べる女王の証、妖精に力を与え、統べる妖精を自由に操る
図書館の主、図書館の主の証、図書館に居る時ステータスアップ、図書館内の好きな所に行ける
読書家、本をよく読み本が好きな人、本を手に入れやすくなる、本を読むスピードが早くなる
経営者、経営する者、経営が少し上手くいきやすくなる
怠け者、怠け者の証、行動しないと経験値が多く貰え、思考力が上がる、代わりに体力が落ちる
とりあえず妖精魔法を使ってみる。奴らを(ヘルプによるとゴブリンらしい)風の妖精に(魔法を使うと見えた)倒すよう頼む。頷く妖精は手を伸ばして、風を鎌のようにして打ち出す。
ゴブリンはバラバラ死体になって死んだ。こいつは酷い。少し可哀想な事をしたと罪悪感が私を苛む。しかし、生きるためには仕方が無い、せめて私の糧になって貰おう、それが私の役割だ。
死体などはDPに変換する、50P増えた。ゴブリンだからかあまり増えない。
はぁ、人が来ないかなと思っているとドアがまた開く、仲間でもいたのかな?そして入って来たのは可愛い少年とカッコイイ少女だった。両方とも赤い髪で顔が中性的だが雰囲気が違うからさっきみたいな表現になった。
そして2人ともボロボロだ。とりあえず2人の頭の上から話しかける。翻訳のレベル1と2で話す、聞くは出来るのだ。
「大丈夫でしょうか?」
私が上から話しかける。すると女の子の方が怒鳴った。
「誰!姿を見せなさい!」
「お姉ちゃん知らない人に怒鳴ったら駄目だよ!」
「もしかしたら敵かもしれないでしょ!」
「えっと、上を見てください 」
2人と目が合う。と
「妖精がなんでこんな所にいるのよ!しかも見える程強いなんて!逃げるわよ!」
「無理だよお姉ちゃん!怪我が深くて僕達2人とももう歩けないよ!」
「あの、怪我をしてるならポーションいかがですか?」
さっき話してる間に交換したポーション15Pを2つ渡す。体力回復に使えるのだ。
「ありがとうございます!ゴブリンに囲まれて怪我しちゃって」
「ちょっと!知らないやつから貰ったものなんて危ないに決まってるじゃない!使っちゃだめよ!!」
「それなら僕達をほっとけばいつか死ぬし、大丈夫かなんて聞かないよ」
「初めてのお客様に危害は加えません、図書館に誰も来なくなるじゃないですか」
「「図書館?」」
2人はポーションを飲みながら私の話を聞く。図書館を建てたこと、皆に来てもらってお金を稼ぎたい事、誰も来てない事等話す。
「誰も知らないから人が来ないのはフツーだと思うよ」
「街の人はフツー住む所から動かないからね、僕達みたいな冒険者や商人ぐらいしか出ないからね」
わ、私の図書館計画が、脆くも崩れて行く!
「私の寝るだけの夢の生活が~」
「あんたおもしろい妖精ね、フツーそのへんの魔力とりこんで生きるんじゃないの?」
「本が欲しいんじゃない?」
「お腹空くし本も欲しいしDPが欲しいの!」
私生まれて1日なのにそんなこと知ってる訳ない、まあいいか面倒だ。
「まあ商人とか変わり者が読みに来るかもしれないわよ、私も少し気になるし」
「冒険者には情報を持つものが命を持てるって言葉があるんだ、情報は命なんだよ、魔物の本とかあれば見てみたいな」
少しは来るならまだ良いか、それなら、
「じゃあ入館料銀貨1枚ね」
「高っ!色々教えたんだから少し考えなさいよ!」
「一人暮らしの人が一ヶ月過ごせる額だよそれ」
お金について教えて貰ったが、どうもそれぞれの硬貨に大がついたものがあるみたい。
銅貨1枚100円
大銅貨1枚1000円
銀貨1枚10,000円
大銀貨1枚100,000円
金貨1枚1,000,000円
大金貨1枚10,000,000円
およそ使うのはこの位らしい、というのは更に下や上の硬貨もあるが、使うのは奴隷や商人、王族位らしい。
「冗談、今日は泊めてあげる、1日しっかり休んで」
「あんた話分かるわね!」「恩にきるよ」
「宣伝のお手伝いしてくれたら入館料無料にする、今日泊めるから宣伝して」
「私の妖精への感動を返しなさい!」
私は楽したいから他の人を動かすしかないじゃない、ギブアンドテイクが私の信条なの。
「まあまあお姉ちゃん本なんて買えないし、それがダダなら僕達にはかなり良い話だよ」
安いのでも銀貨8枚らしい。内容は絵本だ。
「とりあえずご飯にしよう」
「ここ図書館なのにいいの?」
「安心して男の娘、この本汚れない、だから大丈夫」
「なんか君に男の子と呼ばれると悪寒が走るんですが、そう言えば名前なんて言うんですか?」
そうだ、名前なんてなかった、どうしよう。
「・・・名前ない、図書館の主が名無しかっこ悪い、どうしよう」
「じゃあ妖精だからヨーs「ヨーセなんていいませんよね?」・・・駄目なの?」
「フェアリーだからふぇり「却下」」
流石に舟にはなりたくない。
「じゃあ何にすれば良いのよ!」
「短くわかり易いの、長いと面倒くさい」
「じゃあネイムでどう?知識を求めるって意味があるんだ、どう?」
「なるほど、私にぴったりですね、私の名前はネイムで決定ですね」
その言葉と同時にステータスの種族の隣に名前ネイムとなっていた。そして、何故か称号の読書家と怠け者に+と出てきた。効果がかなり上がった。
読書家+、本をよく読み本が好きな人、希少な本を手に入れやすくなる、本を読むスピードがとてつもなく速くなる
怠け者+、怠け者の証、行動しないと経験値が凄く多く貰える、思考力がかなり上がる、体力がかなり下がる
まあいいや、めんどいからスルーで、それよりご飯だ、私の三代欲求は睡眠、読書、食欲の順で優先度が高いからね。よい眠りにする為にご飯食べて気持ちよく眠りたい。早速DPでサンドイッチを買う。
「こんなに白いパン初めてみたよ・・・」
「白いパンは大銅貨7枚だっけ?それでもここまで白くないわよ・・・」
そんな事を聞き流しながらまだ読んでない本を読みつつサンドイッチを食べる、勿論手に持てるわけもなく、齧り付くことになってる。・・・片手に本を片手にサンドイッチをと思っていたので失敗だった。
そして今日は図書館の真ん中に食べる間に草の妖精に用意させた草を敷き詰めた寝床?に案内する。
私?私は勿論自分の部屋で寝る。快眠は一番の贅沢なのだから邪魔はさせない。
「壁があると落ち着いて眠れていいね」
「だからテント買おうって言ったのに」
「全財産と同じ金額を渡せる訳ないでしょ!お姉ちゃんはもっと考えなよ!」
「あんた魔法どれにするか考えすぎてゴブリンにやられたんでしょーが!」
二人の声が五月蝿いので、風の精霊に頼んで消音して貰った。これでぐっすりねむれ・・・zzz
高性能テントデラックス版大銀貨1枚
魔物避け弱付き、暖房付き
のためにゴブリン30匹連続討伐をしていた2人は逃げたゴブリンを追ってきたら囲まれただけでかなり強いです。