プロローグ
ヒーローに憧れていた。
現実に、ヒーローがいる事も解っていた。どんなに残虐でも、残忍でも、違う視点から見たらヒーローになり得るのだ。
俺は、そんなヒーローになりたいわけじゃない。皆を強敵から守るヒーローになりたい。それは、小さい頃からの夢だ。テレビの中で縦横無尽に敵を薙ぎ倒してて行く様は、俺に衝撃を与えた。
どんな強敵にも怯まず、諦めず、仲間を命懸けで守る姿を、瞳を輝かせていた。小さい体で、よく真似をしていた。変身のポーズをとったり、続きもしない筋トレもどきをしたりと。
ヒーローモノは、ハッピーエンドが基本だ。敵の卑劣な罠を潜り抜け、どんな攻撃にも耐え、必ずハッピーを掴む。
そして、戦いを終えたら仲間がヒーローに賞賛やお疲れ様のような声を掛けてくれる。
街の人々だって、ヒーローが来ると安心する。敵の戦闘員を正義の鉄槌で倒す。
一緒に闘ってくるれる仲間もいる。
しかし、現実ってのは意外と厳しい。
ヒーローは居ても、それは、ある分野専用の特別なヒーローだ。俺とは直接の関係ない、だから、居ないに等しい。
もちろん、俺の友達を脅かす敵は現れた事が無い。もちろん、俺自身を脅かす敵なんてものは皆無だ。
いつになっても、ヒーローベルトや変身グッズなどは手元にやって来ない。
そんなこんなで、ヒーローにはなれないと思った。自分は選ばれなかったんだ。自分は不適切なのだ。と、諦めて居た。
そこに、新たなヒーローが俺に教えてくれた。敵というのは、異形の存在では無くても、すぐそこに居た事に。
街の規律を乱す者達。
つまり、不良共だ。不良共と言っても全員が悪いわけではなく、極一部の連中が、罪の無い一般人に矛を向けている。そいつ等を見つけたは、殴った。手持ちの金属バットで。
暴行を行っていた奴を殴る。
女子に手を挙げていた奴を殴る。
カツアゲ犯を殴る。
それらを撮影してた奴を殴る。
必要以上に凄む連中を殴る。
コンビニ前でたむろってた奴らを殴る。
人の不幸を笑っている奴らを殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
助けたのに感謝しない奴らを殴る。
肩が当たった奴を殴る。
気に入らない奴を殴る。
女子の癖に俺の言う事を聞かない奴を殴る。
女子に限らず、男子も殴る。
止めに入る先生も殴る。
偉そうな大人達も殴る。
親も殴る。
兄弟も殴る。
自分を、笑った奴共を殴る。
そうだ、殴らせろ。地球に要らないゴミは排除した方が良い。殴って殺せ。忙殺だ。鈍器で、この金属バットで殴り殺すんだ。見逃してやるな奴らは地球を汚染するしか出来ない。殺せ。そう、殺してしまえ。情けは必要ない。奴らは俺と違う人種だからだ。人間じゃないんだよ。人間の皮を被って居るだけだ。何だ、その顔はよぉ。泣いたって無駄だぜ。ダレカガ助けにクルわけ無いだろ。なぁ悪党。教えてくれ。正義にやられて。
今、どんな気分だぁ。