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No.1

皆さんは訳のわからない経験をしたことがありますか?私は中学生の間に理不尽な経験をいっぱいさせられてきました。おかげでロッカー壊れた程度ではなんとも思わなくなりました。

さて、今回の主人公は訳のわからないことにいきなり放り込まれるようですね。さてさて、一体この人はどのような決断を下すのでしょう?

最初で慣れていないのもありますが、精一杯書いていきます。よろしくお願いします。

 朝起きる。ご飯食べる。学校行く。

 こんな当たり前な生活が、いつまでも続くと思っていた。

「..を.....」

  よく聞こえない。何も見えない。何もない。 自分のことも信じられない。



「ううっ..眠い。」

 別に昨日は夜更かしも何もしていないのに、不思議だ。体が言うことを聞かない。まるで睡眠時間をだれかにひったくられた気分だ。目のシャッターは閉じられかけているが、それを脳が力ずくでこじ開けている。体全体が文鎮のような、そんな感覚だ。

 体は動くなと脳に訴えかけている。

 頭だけはかろうじて正気を保っているため、体を最短距離で動かし、騒がしい目覚ましを止める。

 しかし、脳の正気は長くは続かないのが世の中の当たり前。ベッドと布団という誘惑が脳にとどめを刺す。あと5分だったらギリいける。布団ってやっぱり素晴らしい。そう思い、目のシャッターを稼働させようとした...。

「朱莉!いつまで寝てるの、早く起きなさい!」

 母の怒号が飛んでくる。すぐさまカーテンが開けられ、私の気分とは真反対の明るい日差しが飛んでくる。朝の母は私と同じく機嫌が悪いため、怒らせるとめんどい。目のシャッターは緊急運転で開けられ、体を起こすほかなかった。


 顔を洗って、ご飯食べて、歯磨きして。朝の時間は授業中よりも早く突き進んでいく。ゆっくり座ろうと思っても、もう7時10分だと時計が私を急かす。

 母から急いで弁当を受け取り、荷物を持ってバス停まで急ぐ。もう疲れた。今日のエピローグを流して家に帰って寝たい。


 秋の優しい風が体をなでて通り去っていく。長袖が恋しくなってくるこの頃、最寄り駅までのほんのり暖かいバスの車内が私を出迎える。

 ...ふう。

「あっれ~?朱莉じゃん!」

  私が感傷的な気分に浸った時間。3秒。

「おはよう、友香。」

「ねえ、今日なんか暗いじゃん。なんかあった?」

 朝型人間に腹が立ったのは今日だけじゃないだろう。

 キラキラのネイルと長すぎるほどのつけまつげ、金髪という、どこからどうみてもギャルなこの子とは小学校からの付き合いだ。毎日、しつこいほど自分に詰め寄っていく友香を、睡眠でさびた頭のギアを何とか働かせながら受け答えするのが日常だ。他愛もない会話…例えばニッコリ動画とか。


(小杉駅前に到着で~す。車内にお忘れ物、落とし物なさらないようご注意下さ~い。)

 運転士の低い声が車内に響く。

「じゃ~ね~。朱莉。」

「またね。友香。」

 やっと静かになる。友香の学校は私の学校と方向が違うためここでお別れだ。ここから学校の最寄り駅につくまで一人でいられる。頭の中で小さなガッツポーズをした。

 各駅停車に乗り込み、ドアに一番近い方の席に座り、カバンを膝の上に置き、ノイキャン付きのイヤホンを耳につけ、体の力を抜いてスマホの画面を眺める。

 こういう時間が好きだ。ちょっと落ち着けるいい感じの時間。スマホを触る、といってもSNSは通知がうるさいし、話の流れに乗ってけず置いてけぼりにされる。やるとしたらticktackか、掲示板の様子を探るくらいだろう。

  アプリを開き、ダークモードの中に個性が溢れすぎてる動画たちが画面いっぱいに映し出される。最近流行りのから人気急上昇のものまで、いろんな動画を見る。面白い動画を見つけることは、まさに「発掘」といえる。金を掘り当てた時の喜びは、何事にも代えがたい幸せである。


 掲示板の人たちの、朝をひたすらに罵倒しまくるスレに共感の笑みを浮かべてると、

(次は中目白です。日比野線はお乗り換えです...)

 着いた。各駅停車に乗っているはずなのに到着するのがやけに早い。やはりスマホを使っている時間は体内時計の進む時間が早くなる。もっと遅くしてと懇願しているはずなのに、私の体はいうことを聞いてくれない。反抗期だからなのだろうか?

 この時間は、向かい側の電車から大量の人が下りてくるため、身動きがとりづらい。あと、進むのも遅い。



 授業は適当にやり過ごした。1日のほとんどを授業に費やすのがこの国の義務なのだが、学校でやったことは一切覚えていない。脳のストレージをこんな余計なことに費やされたらたまったもんじゃない。

 今は3時15分。全然遊べる。

 学校から、暗い性格の女子が出すスピードじゃない速さで駅まで向かい、特急に乗って渋谷まで向かう。朝とは比べ物にならないほどの胸の高鳴りに、自分の単純さがうかがえる。ゲーセンに行き、音ゲーをし、ついでにマスターライブもやる。育成も進んでいて、そろそろPCの別シリーズもやってみようかなと思う。


 ゲーセンを出て、マスライの別シリーズがどんなものか気になるため家電量販店に向かう。ここから渋谷駅を挟んで反対側のところにあるため、地下を突っ切って進む。

 それのストーリのあらすじを見ながらちょっと暗めな地下道を歩く。推しが出てくると分かったため、なんとなく買う決断を下し、paymoneyの残高を見る。買えるギリギリのお金が入っていることを確認した。家に帰ったら4時間は確実に最初の育成に費やす。そう決心した。



「あっ...ちょっといいですか?」

  私に呼ばれていると気がついたとき、自分の体温が2度下がった気がした。コンビニでも店員と話すのが嫌だからセルフレジを使うほどの人見知りだというのに。どうすれば最低限の会話で済ませられるか思考を巡らせながら返事する。

「あっ......はい。」

 振り向いたとき、体温はまたも下がる。イベント時のお台場か幕張くらいにしかいなさそうなガチのコスプレイヤーが目の前に立っている。

  緑色の二つに結ばれた髪の毛。民族模様の書かれた服。しっかりしたズボンとブーツ。くっきりとした青い目に。加えて、剣と弓矢と盾を背中に背負っている。イケメンだけど設定ミスって見た目派手にしちゃった勇者みたいな感じだった。声はめっちゃイケボだった。

「...........」

 驚きで固まる私を後に、その人は話を続ける。

「もしかして..あなた...だね。」

「.....ふえっ!?」

  なんか、小説で見るよくある展開的な話が続くのかとおびえてたら、

  「ちょっとこっちに来てください。」

 腕を引っ張られてどこかに連れてかれる。止まろうとしたけど、

 脳をフル回転させてもついていける話じゃない。もうパンク済みなので考えることを放棄することにした。地下道を左、右、右、まっすぐ行ってそのあと左。向かっているのは電車の改札口だったようだ。山都線のホームの方向に引っ張られる。

  (あれ...Tappa、タッチしてなくない?)

 改札に入るためには切符を入れるか、Tappaをタッチする。常識だ。だけどコスプレイヤーはそんなことはお構いなしに自動改札機を通りすぎてった。だけど、ICカードをタッチしてくださいというエラーもなければ、駅員が来る様子もない。というか、私たちの今の状況はどう考えても異常なのに、周りの人は何も反応してない。

 まるで、私たちの存在がないみたいに。

 誰かもわからないコスプレイヤー。まだ混乱して熱暴走している自分。そして

 いきなり線路落とされる。もう訳わかんない。

  今はホームドアの工事中のため、ずっと空いているホームドアから突き落とされた。コスプレイヤーに。線路に体を打ち付けるかもしれないと身構えていた。

「......っ!」

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