チアーズプログラム 読者参加型にしませんか?
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ。
創作活動支援のための収益還元サービス「なろうチアーズプログラム」が発表されましたので、久しぶりにエッセイを書いてみました。
現在公開されている情報だけで考えると、想定されるハードルの高さはかなりのものになりそうですが、物価高に悩まされる昨今、少しでも稼げるチャンスがあるのは個人的には大歓迎です。
もちろんちょっと考えただけで懸念される問題はいくつもあります。
深刻なものだと、PVが圧倒的に稼げる異世界恋愛ジャンルへの更なる投稿集中、大量のAI生成作品による新着欄の荒廃とかですかね。
ですが、構造的に長編連載が有利になることで、ようやく長編作者が報われる可能性が出てきたこと、稼げるようになることで、人気、実力を持った作者が増える、もしくは戻ってくるのはプラスだと思います。
人気作品が増えれば人も集まりますし、読者も集まる。コンテンツにとって一番大事なのは、人がいることなんです。良くも悪くもかつての活気と熱狂こそが今の小説家になろうに必要なことだと思うので。
公平で平等、清廉潔白なサイトであれという理想はわかりますが、サイトそのものが立ち行かなければどうしようもない。「水清ければ魚棲まず」っていいますでしょ? 作者だって聖人君子、悟りを開いた仙人みたいな人ばかりじゃないんですからね。むしろ世俗にまみれた人間こそ小説書きだって思いますし。
とは言え、私の正直な感想は……あと二、三年早ければ、です。追い込まれてから広告収入という生命線を一部とはいえ手放してしまうのはある種の賭けのようなもの。逆に言えば、そこまで追いつめられているんだなあと。
ですが、遅きに失したとは思うけれど、やらないよりは全然良いと思います。このまま何もしなければ先細りする未来しか見えませんし。運営さまもあくまで第一歩って書いてますから、これから色々やってくれるんだと期待しています。
チアーズプログラムに関しては、詳細はわかりませんが、他サイトのシステムをよく研究しているなあと感じます。単なるPVではなく、チアスコアなるものがありますので、算出にあたって不正・AI対策を含めて調整してくれるものと思います。
とりあえず問題点は走りながらあぶり出し、改善すれば良いことですし、エッセイのネタにもなるので、とりあえずやってみれば良いんじゃないかな。
私から提案したいのは、読者参加型チアーズプログラムですね。
小説家になろうの最大の強みは、膨大な読者数。
これを推し活に活かさない手はないと思うのです。アカウントを取得した読者にもリワードを獲得できるようにして、作者を応援できるようにする。そうすれば、読む楽しみも増えますし、応援している実感も得られるようになる。読者同士が語り合える場所とかもあったら楽しいかも。
作者側にとっても、たとえそれが一円相当のリワードであったとしても、めちゃめちゃ嬉しいですよね? おそらくこれから始まるチアーズプログラムでは、一部の人気作者しか稼げない。本当に支えるべきは、不人気ジャンルと揶揄されようとも、コツコツと作品を投稿している多くの作者だと思うのです。
まあ……小説家になろうを異世界恋愛専門投稿サイトにするつもりなら話は別ですけれども、流行の移り変わりが激しい、何が売れるかわからないエンタメ業界で、先鋭化はリスクが高いと思います。
読者もリワードを獲得できるようにすれば――――
作者と読者の関係がより深まり、単に読むだけでなく、真の意味で「応援し、育てる」ことに繋がるはず。作者にとっても創作を続ける原動力となり、心の支えとなると思うのです。
私は、小説家になろうのランキングシステムはわかりやすくて強みだと思っています。
ですが、ランキング以外にも評価軸はあっても良いと思いますし、あるべきだと思います。すでに評価、ブクマ、PV、感想、レビュー、リアクションがありますけれど、読者リワードが新たな評価軸となり、新しい文化や可能性を生み出してくれるのではないかと思っています。
最後にひとつだけ。
私はいつまでも小説家になろうに存続してもらいたいと思っています。生き甲斐を与えてくれた場所ですし、かけがえのない創作仲間が居る場所だから。もちろん、他の小説投稿サイトも応援しています。
感覚的にですが、今が小説投稿サイトにおける分水嶺だと思っています。もう少し踏み込んだ言い方をするなら、生き残りをかけた最後のチャンス、残された時間はそう多くない。
小説投稿という素晴らしい文化がこれからも残り続けるように、文句や不満はあるかもしれませんが、それでも読んだり、書いたり、評価したり、交流したり、それぞれが出来ることをしながら、楽しみながら支えていけたら良いと思うのです。