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第一章 見えすぎるメガネ



「先生、くれぐれも見えすぎないメガネにしてください」

まだ何も検査して無いのにこんなお願いをしてくる方がいる。まあ、小売業のくせに、先生って呼んでもらえる職業は希少なので、まあ良しとしよう。綺麗な身なりの30代のお母さんが娘さんのメガネを作りに来たのだ、

「どうして、そう言われるんですですか?」

こんなケースは、お母さんの情報源を知るのが手っ取り早い。

「この前LHKの「助けてガッテン」で有名な目医者さんが言っていたものですから。」

あーーーーーやっぱりかあ。

心の声って聞こえないから良いけど、この手合いのお客様は、今週で四人目、放送後飛躍的に増えている。

もちろん、この処方のデータベースになっている人数なんて、当店の比じゃアない、眼科の先生がおっしゃる訳だから、カニデンスじゃア無くてエビデンス(失礼)は充分あるんだろうな、とも思う。でも考えて見よう。

以前、フィリピン出身のお客様が来店された時、「日本に来てから目が見えなくなってしまった、どうしよう、困った。」と来店された事がある。さて質問です。彼の視力はいくつだったでしょう?答えはCMの後で、ってCMは入らないんだった。彼の視力は左右ともに1.5だった。元はいくつあったんだろう?2.0もしかしたら3.0だったのかもしれない。フィリピン出身のお客様の話をまとめよう。もし、見え過ぎが目に悪いのであれば、フィリピン人の視力の良い方々はみんな頭痛や肩凝りに襲われているはずである。でもむしろ見えていたものが見えない方が気持ち悪いのではなかろうか?少なくとも彼は不快に感じたようだ。

他にも、漁師さんにほんの微かに弱い度数のメガネを作ったところ、紅しょうがのように怒って来店されて「お前のところのメガネは見えなくて使い物にならん!」と怒鳴り込んでこられた事がある、昭和の漁師さんは「トリヤマ」つまり魚を食べに海鳥が集まっている所を海の何にも無い所や空を見て「点」のような海鳥を人より早く見つけてエンジン全開で誰よりも早く到着してこそ魚が取れて商売になる、そんな世界で生きていて、ちょっとでも視力が下がると死活問題になるらしい。


あーーどうしようかなーー。心の声が人に聞こえなくって良かった。


ひとまず、慌てない慌てない、小さすぎる眼鏡店「occhiali」オッキアーリ1985 は店主が今日も悩んでる





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