表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖地の防人  作者: オガ
2/7

呼び出し

「あっ、そうだ! 坊、大将が探してた。

ファケマルが急に思い出したように言った。

「父さんが? 何の用?」

まぁ、だいたい想像はつくけど…。

「さぁ? 行けばわかるんじゃね?」

「おい、ファケマル…」

アデマールが呆れたように額に手を当て、ため息をついた。

「ギー様が聞きたいのはそういうことじゃない。それと、何度も言ってるだろ、ギー様は上役だ。

だからから『坊』呼びはやめろ」

 ファケマルはとても面倒くさそうだ、元から丁寧な物言いなんて気にした事無かったのだろう。

「わーったよ。じゃあ、えっと…ギー様、たぶん、いつもの国境の小競り合いっすよ。」

「いつも通りでいいって…」

俺が苦笑すると、隣のアデマールが呆れと諦めが入り混じった顔でこっちを見ていた。

 

それにしても最近、国境の小競り合いがまた増えてきたな…。

この聖地、二十年くらい前に俺たちの国が異教徒から奪った土地だ。向こうにとっても大事な場所らしくて、いつも取り戻そうとウズウズしてるらしい。

 

「じゃ、行くか…。早く父さんのとこ行こう」

そう思った瞬間、聞き慣れた声が響いた。

「ギー! ここらへんにいるのバレてるよ! さっさと出てきな!」

姉さん!? なんでここがバレたんだ!? 誰か密告したのか? …いや、…そんなこと考えてる場合じゃねえ!

とにかく逃げなきゃ。

 

 …って、待てよ…よく考えりゃ目の前に使える部下が二人いるじゃん。

 

 「なぁ、二人ともさ…ちょっと姉貴と訓練してくんね? そろそろ出陣らしいし、肩慣らしにちょうどいいだろ?」

「は? なんでお嬢とやらなきゃなんねんだ? 他の奴でいいだろ!」

ファケマルが不満そうに顔をしかめる。そりゃ、クレイの相手なんて誰もやりたくねえよな。

だが、アデマールはニヤリと笑った。

「ファケマル、お前のその鈍さが時々羨ましいよ。」

「あ? 何だよそれ?」

「ギー様は我々に囮になれと言ってるんだ。」

いっいや、確かにその通りなんだけどさ…。

「お、囮だなんて! 人聞きが悪いよ、俺はただ…」

「いや、ギー様を責めてるわけじゃない。むしろ合理的だ。ギー様は早く御館様のとこに行きたい。俺たちは出陣前に体を慣らす必要がある。Win-Winだろ? な、だからファケマル、ここは君に任せた!」 

「は!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ