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お漏らしの魔力に取り憑かれて  作者: 渡辺栞里
第1章
12/14

第12話

受験から10日間が経ち、合格発表の日がやってきた。発表時間は午前10時である。1時間目の授業が終わってすぐ職員室に向かう。心臓のバクバクが次第に強くなる。不安と焦りが収まらないほど緊張していた。そして、運命の午前10時がやってきた。中学校のホームページに行き、合否確認サイトに飛ぶ。受験票と生年月日を入力する画面になったので、数字1つずつが間違っていないか、確認しながら入力する。間違いが無い事を確認し、「確認する」ボタンを押した。


合格


パソコンの画面に現れたのは、この2文字だった。

「きゃー、やったー!」


これを見た瞬間、私はそう叫んだ。同様の反応をする担任の先生とハグをする。ここまで喜んだのはいつぶりだろうか。嬉しかった。1つの夢がようやく叶った。今までの努力は間違ってはいなかった。この合格という2文字は、そんな事の象徴のような気がしてならなかった。


3日後、合格証と諸々の書類が届いた。この時に知ったのだが、奨学金Sでの合格だったらしい。奨学金Sというのは、この学校の奨学金の中でも最上級に位置しており、生徒会費と後援会費、そして制服やジャージなどの代金以外(入学金や学費など)が全額無償となる制度である。さらに、入学後も一定の成績に達していればこの奨学金が卒業まで続く。この奨学金Sの対象者となるには合格者全体の上位10%に入らなければいけない。つまり、私はその10%の中に入っている事を意味していた。それを知った事はもっと嬉しかった。諸々の書類が自宅に届いてすぐに、手続きを行った。1週間後の休日、制服やジャージなどを買いに行った。私はこの制服を着る事が許された人間なんだと、ちょっとした優越感に浸っていた。

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