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モンスターズジェネレート8

 会議の後、関係各所への説明とお願いに出発することとした。

 事は現在進行形で進んでいる以上、行動は早いに越したことは無い。

 エイダムにはアルチナが、シヴァには雪子が、ジパングとケンシロウにはフランがそれぞれ対応してくれる。

 俺は各国の首脳に会う事にした。


 軽く食事を摂った後、シャヴィと出かけようとしたのだが。


 「主様、今回はワシとカスミも同行するぞ。」

 「それは良いけど、シャヴィに負担が」

 「というわけで、だ。わらわも同行する。」

 「ピラトゥスさん?」

 「姉さま?」

 「シャヴィとわらわ二人ならシャヴィの負担も軽くなるし、みんな載せて飛べるぞ。」

 「いや、そうだけど……わかった、お願いできるかな?」

 「そうこなくてはな。ではタカヒロはわらわの背に乗るがよい。」

 「むー……」

 「ねー、シャヴィのお姉さんて、まさか……」

 「うむ、シャヴィ、まぁ、その、同情するぞ。」


 てことで、ひとまずモンテニアルへと飛んだ。

 ラークとブナガ王は既にそちらで待っているとの事だ。

 ピラトゥスさんは割と速度を出しているんだが……


 「タカヒロ、もっと抱き着いていないと吹き飛ぶぞ?」

 「は、はい……」

 「君を乗せて飛ぶのは気分が良いな。シャヴィが羨ましいぞ。」

 「タカ、あんまり姉さまに引っ付くなよ?」

 「んなこと言われても、うわ!」


 ピラトゥスさん、アクロ飛行は止めましょうよ。

 バレルロールすると俺が落ちます。


 こうして割と早くモンテニアルに到着した。

 城へ行くと、驚いたことに世界各国の首脳が勢揃いしていた。


 「……なんで?」

 「うむ、ブナガ王の先見の明、と行った所かの。」

 「実を言うとな、ワシの調査団とエイダム殿の調査団が、共通の不可解な事象を見つけたのでな、4日前に召集をかけたのだよ。」

 「不可解な事象、ですか?」

 「うむ、それを今から話そうではないか。まずは会議室に集まろうぞ。」


 会議室には層々たるメンバーが集合した。

 ネリス公国首相、アリシア国王、ロマリア連邦大統領、ラファール、いや、姫神子様、そしてなんと、マリューさんだ。

 

 「デミアン領とジパングは、すでにタカヒロ殿から話が行っているのであろうからな、これで全員じゃ。」

 「こうしてみると、そうそうたるメンツですな。」

 「では、始めようか。」


 ブナガ王が話したのは、昨夜俺がゲイリーさんから聞いた報告そのものだった。

 エスト王国の北側と、デミアン領東側でも、同じような事があったらしい。 


 「タカヒロ殿への報告が遅れたのは申し訳ないが、消えたモンスターの探索に注力していてな。」

 「我が連邦でも同じ事があったので、ゲイリー卿へ伝達がてら、私もここへ来たんですよ。」

 「という事は、あちこちで集団出現、その後消失、という動きが?」

 「左様だな。で、タカヒロ殿の話も同じかの?」

 「そう、ですね。この件から取るべき行動が見えた、という所です。」

 「取るべき行動?」

 「はい。そのために各国へお伺いしてお願いして回ろうかと考えていた所です。」

 「どういう事でしょうか?」

 「はい、それを今から説明します。」


 俺は今朝の会議で決めた話を全員に開示した。

 難色を示すだろうと思っていたが、皆は概ね賛成してくれた。

 が。


 「しかしのぅ、またタカヒロ殿にばかり負担を掛けてしまうのは、ワシとしてはあまり賛同できない事ではあるのだが、な。」

 「いえ、シムネ王、これは私に課せられた役目、と思っています。形は違えど、この星に生きる皆の安全を守ることにも繋がりますので。」

 「ふむぅ、やはりそなたは間違いなく勇者であるの。ネモフィラとの逢引は」

 「ブナガ様、その話はその、また後で、でお願いします。」

 「そ、そうであるか。そうだな。」

 「であれば、じゃ。」

 「マリューさん?」

 「恐らくは同時多発的に事が起こる事もあるじゃろう。故にわらわの側近をイワセ温泉郷に常駐させよう。」

 「それは助かりますが、よろしいのですか?」

 「なに、既にピラトゥスは常駐しているようなものじゃからな。わらわの側近は戦力としてもピラトゥスに引けを取らぬしな。」

 「それらに係わる費用等は、ここに集まった各国で賄うとしよう。さすれば、タカヒロ殿、いや、イワセ温泉郷の負担も軽くなるであろう。」

 「そ、そこまでしてもらうのはちょっと……」

 「何を言うか、あの時に受け取らなかった報酬や謝礼、ここで返させてもらうぞ?」

 「あー、わかりましたアリシア王。ありがたく受け取っておきます。」

 「タカ様、姫神子としては手伝えることが少ないのが心苦しいですが、できる事があれば何でも言って下さいね。」

 「ラファ、いえ、姫神子様、ありがとうございます。」

 「もう、タカ様、こういう場ではラファールでいいですよ。」

 「あはは、わかったよ、ラファール。」

 「ウフフ」


 こうして、図らずも一気に体制が整う事になった。

 あとは行動あるのみ、だな。


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