オオカミさんの心配事
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
梅雨の中でごく稀に訪れる晴天。気温も上昇し、久方振りの夏日となった。昨日は偏頭痛を訴えていた女も、今は健やかな顔をして、ソファに体育座りしている。
「今日、どっか行くか?」
「行く」
女は少しだけ目を輝かせて、とたとたとその場を後にした。
数分後、女は出掛け用の服に着替えて顔を出してきた。上半身は布を幾重にも重ねたフリル? 下は随分と短いパンツ姿だった。色合いは落ち着いているが、少々露出が多い気がする。
神妙な顔に気が付いた女は、きょとんとした顔で小首を傾げた。
「いや、何でもない」
出来ればもう少し露出を抑えて欲しい。家で着る分には構わないが、それで出歩くとなると……。だが俺からそんな事を言われる筋合いは無いだろう。不興を買うのは御免だ。
改めて、真っ直ぐ目を見詰めると、僅かに顎を引いた。それからくるりと一回りして、僅かに口角を上げた。合格の、様だった。
「最近はずっとずぅっと雨だったから、お出掛け嬉しい」
「そうか」
空いた手に自らの指を絡ませて、ぎゅっと握りこんでくる。朝方逃げていった同一人物とは到底思えない。でも、今こうして甘えて来るという事は、精神が安定しているという事。それは何よりも……喜ばしい事。最近は雨天続きで、ぼんやりしている事が多かったし。
そんな事を考えながら玄関まで導いた。重たい扉を開けた時、隙間風が吹き荒れる。髪をぐしゃぐしゃに、服をはためかせる程の一瞬の暴風。相手の様子が気になって後ろを振り返ると、あられもない光景が広がっていた。
悪戯な風がフリルの着いた服の下に潜り込み、思い切り捲り上げる。ひらりと翻された服の下から覗くのは女の平たい腹だった。昨夜見た時と変わらない、ほっそりとした柔肌。くの字の括れを描き、境界線の霞むライン。それを顕にした後、またそっと腹を隠した。
「……っ」
「? 風、凄かったね。日傘、捲れちゃうかなぁ。……壊れちゃうかなぁ……」
顔を赤くして、口元に手を当てた反応に疑問符を浮かべながら、また小首を傾げた。
……全く、此奴は!! 自分の事に鈍感と言うか、蠱惑的な言動に無頓着と言うか、それ室内ならばまだしも!!
「服……捲れそうになったら押さえろよ……頼むから。それが嫌なら部屋着にしてくれ……。本当、頼むから」
「君の前でしか、こんな事しないよ」
存外、掌の上で転がされているのかも知れない。
オマケ
男の人らしいところが好き。意外と本能に忠実。……でも、だからこそ、外に行く時はくっ付いてたい。
作者は彼氏さんをオオカミさんに例えてます。
動物にしたらオオカミさんだって、あれは!!
白雪姫だけど、目付き悪いし。
髪は黒く、肌は白く、唇は血のように赤い。
あと、闘志燃やしている時も赤い。故に白雪姫。
書いてないだけで、結構生々しい男の人。
なろう様で書いたら一発アウトなだけです。
付き合う前とかは、色々考えてたと思いますよ。
その片鱗を見せてくれた話。
彼氏さんに限らず、彼女ちゃんも本能に忠実です。
故に誘ってる言葉分かってます。あざてぇ!!
でもだからこそ、不安だと思います。
メンヘラ少し入ってるんで、何時か捨てられるかもとか思ってそうですし。その為の逃げですし。