シュガーズの音盤パンフレット~第一章~
今までず~っと言うだけ言ってやってこなかった(というか誰からも求められなかった)作品中に出てくる音楽だとか漫画だとかの解説、つまりは本作の脚注を設けてみました。中入以上にオマケ品です。というかただでさえ自己満で書いている小説の中の完全な自己満要素です。もう何も隠さず開けっ広げに言いますが、僕が好きなものを書きたいというだけで設けました。
と言っても、流石に作品の中の全ての小ネタを解説するのは暇がかかるし、そもそもただでさえ滑ってそうなネタの解説って激寒なんじゃないのかと思ったため、今回は音楽、しかもアルバムに絞ります。作中で少しでも触れた楽曲はその収録アルバム引っ提げて気ままに語りたいと思います。
見方はこんな感じです。
「作中に出てきた楽曲」…『収録されているアルバム』アーティスト名
作者によるノリの寒い解説
各章ごとに設けます。また本文中は敬称略で尚且つ敬語でもありません。アルバムそのものが作中で登場している場合は楽曲の部分を割愛して載せます。一応下調べというかはしますが情報は間違っている可能性アリアリなのであくまで参考程度にしていただけたらと思います。サブスクで基本どんな曲も聞けるぜという方は是非この機会に一度ご清聴してみてください。
最後になりますが、この作品をわざわざブックマーク登録までしてくださっている聖人君主のような方や定期的に読んでくださっている方が「更新されたと思ったら何かブログみたいな内容だった」といった気落ちをしないためにも、本編更新とかぶせてじわじわと投稿していきます。
その①「慣れない場所で背伸びするコト」
1.「氷の世界」…『氷の世界』井上陽水
井上陽水の3枚目のアルバム。日本で初めてミリオンセラーを達成したすんごい傑作。表題曲以外にも忌野清志郎と共同制作した「帰れない二人」や代表作「心もよう」など名曲が多数収録されている。
2.「翼をください」…『竹田の子守歌』赤い鳥
日本のフォークバンド赤い鳥の4枚目のアルバム。合唱曲のイメージが強まっている「翼をください」だが元々は赤い鳥によるシングル「竹田の子守歌」のカップリング(B面)曲だった。同名のアルバムのラストをしんみりと飾っている。ちなみに表題曲は被差別部落問題の兼ね合いで放送禁止歌とされている。
3.「夢やぶれて」…『夢やぶれて』スーザン・ボイル
「ブリテンズ・ゴッド・タレント」で華々しくデビューしたスーザン・ボイルの初アルバム。番組で一発目に歌って審査員と視聴者の度肝を抜いた表題曲は2曲目に収録されている。ちなみに日本盤のボーナストラックとして「翼をください」のカバーが収録されている。ちなみに表題曲は「レ・ミゼラブル」の劇中歌であると同時に「鷹の爪団」の劇場版主題歌でもある。
4.「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」…『Once Upon A Time In YOKOHAMA』ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドのアルバム。解散後一か月だけ再結成した際に作られたもの。作中では節がないなどと書いたが、これで結構リズムがしっかりしている。
5.「いとしのエリー」…『10ナンバーズ・からっと』サザンオールスターズ
サザンオールスターズ2枚目のアルバム。詳しく調べたわけではないから間違いないとは言えないが、上記代表曲のタイトルはエリック・クラプトンのバンド、デレク・アンド・ドミノスのアルバム邦題『いとしのレイラ』から来ているだろう。アルバム名通り10曲収録されているが漏れなく全てが粒ぞろいの傑作アルバム。作者の個人的おすすめは「お願いDJ」と「ラチエン通りのシスター」。
6.「ミス・ブランニュー・デイ」…『人気者で行こう』サザンオールスターズ
シンセサイザーやエレキギターなどのテクノ的要素を存分に生かした7枚目のアルバム。超名曲「ミス・ブランニュー・デイ」のMVが「蛇に亀頭を食われ泣いている男の子の為に女の子がチューリップの花弁をぺ〇スに被せてあげる」というとんでもない内容であることはファンの間では有名。
その②「そんなこたぁねえだろうよく見りゃわかるコト」
1.『孤独の太陽』桑田佳祐
サザンの桑田佳祐ソロ2枚目のアルバムにして超大作。「月」「鏡」「飛べないモスキート」「太陽が消えた街」「JOURNEY」など挙げたらキリがない名曲玉手箱。長渕剛と一悶着起こってしまった「すべての歌に懺悔しな!!」もここに収録されている。ちなみに姫月のイメージソングだと作者が勝手にのたまった「エロスで殺して」もここに収録。
2.『家庭教師』岡村靖幸
岡村ちゃんの代表作にして滅茶苦茶高い評価を得ている伝説的アルバム。本作で勝手に「ロンシュー」と略した楽曲は「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう」という猛烈に長い正式名称を持っている。ちなみに作者が勝手に黒川のイメージソングにあてがった「どおなっちゃってんだよ」はこのアルバムの冒頭を飾っている。星畑のカラオケの十八番「カルアミルク」もここに収録。
3.『さんだる』たま
イカ天で茶の間に衝撃を与えたバンド、たまによるメジャー一発目のアルバム。「らんちう」「方向音痴」「学校にまにあわない」に代表曲「さよなら人類」まで、たまを象徴するような一枚。ちなみに黒川の動画越しの方の歌声は知久寿焼の声を500倍誇張したモノをイメージしている。
4.『A LONG VACATION』大瀧詠一
通称「ロンバケ」。これでもかというほどミュージシャンにカバーされている「君は天然色」が入った記念碑的名盤。ちなみに「これCDで買う奴初めて見た」とか言っているが、あくまで黒川個人の価値観である。媒体が何であれ音楽の良さは変らない。
5.『虫』THE STALIN
ハードコア・パンク界では知らぬものがいないと言われているバンド、THE STALINの3枚目のアルバム。
ボーカルの遠藤ミチロウがライブパフォーマンスでヤンチャし過ぎてしまうことが問題視されるなど、荒れているイメージが強いバンドだが、曲はかなり聞きやすい。ジャケットのイラストは丸尾末広が担当。凛が丸尾ファンなのもそこから。
6.「ブードゥー・チャイルド」…『エレクトリック・レディランド』ジミ・ヘンドリックス
ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス名義で発表。ジミヘン存命中のラストアルバム。上遠野浩平が書いたジョジョのノベライズ『恥知らずのパープルヘイズ』に出てくるスタンド名の元ネタは基本このアルバムの中にある。言うまでもないかもだが、パープルヘイズもジミヘンの楽曲である。
7.『人間椅子』人間椅子
日本における数少ないプログレッシブメタルバンド、人間椅子のインディーズCD。たまやブランキージェットシティと同じイカ天出身のバンドだが、現在もバンドが存命なのはここくらい。津軽節×メタル×近代文学の世界観は独特すぎて聞くものを震え上がらせる。凛が言うほど高価じゃないのでぜひ買ってみて欲しい。というか人間椅子のCDは基本高い。
8.「クレイジードクター」…『撃剣霊化』ラウドネス
日本におけるヘヴィメタルの第一人者、ラウドネスの4枚目のアルバム。高崎晁の高速ギターソロが滅茶苦茶印象的な「クレイジードクター」が堂々と一曲目を飾っている。海外でも抜群の人気を誇っているキャリア40年越えの超ベテランバンドである。
9.「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」…『ステレオ太陽族』サザンオールスターズ
サザン4枚目のアルバム。シングル曲である上記の楽曲の他、「栞のテーマ」、「My Foreplay Music」などの名曲が多数収録されている。当時、桑田佳祐が音楽を担当した映画「モーニング・ムーンは粗雑に」が公開されており、アルバム内には劇中歌もチラホラ。
その③「お金なんかはちょっとでいいコト」
1.『HAPPY』サザンオールスターズ
サザンオールスターズのベストアルバム。細かいことだが凛はこのアルバムで「いとしのエリー」を聞いていた。凛が10万円を忍ばせていたケースには本来特典品である特性はっぴが入っている。
2.「大迷惑」…『服部』ユニコーン
奥田民生のバンドユニコーンの3枚目のアルバム。オーケストラのど真ん中で姿勢正しく歌う奥田民生のMVはあまりにも有名。アルバムジャケットの老人が服部さんではないこともまあまあ有名。
その④「男たちの心奪うたびにお前綺麗になってくコト」
1.「どおなっちゃってんだよ」…『家庭教師』岡村靖幸
ミスチルの桜井がこのアルバムを聞いて「自分は岡村靖幸パート2」になりたいと公言していることはあまりにも有名。岡村ちゃんからこのアルバムを聞かされた尾崎豊が「気持ち悪い」と評価したこともあまりにも有名。補足しておくと、尾崎と岡村ちゃんは大親友である。二人で一緒に「ヤングオー!オー!」を歌った際には双方はしゃぎすぎてロクに声が出ていなかった。
2.「め組の人」…『14 CARATS』ラッツ&スター
倖田來未がカバーしたことで近年Tik Tok界隈でも人気になったラッツ&スターのファーストシングルにして代表曲「め組の人」収録のファーストアルバム。印象的な「めっ!」の決めポーズはマーシーが考案したモノ。ちなみにタイトルのめは本来〇で囲まれている。
その⑤「金儲けのために生まれたんじゃないコト」
1.『人間解体』クラフトワーク
ドイツが誇る伝説的電子音楽グループ、クラフトワークの7枚目のアルバム。特に作中では明記していないが星畑が将棋のBGMとして流したのはこのアルバム。
2.「ひとつだけ」…『ごはんができたよ』矢野顕子
矢野顕子の6枚目のアルバム。矢野顕子がもはやYMO4人目のメンバーと言っても過言ではなかった時代に出された。本人はYMOとの世界ツアーに難色を示していたが、それでも本作は当時のパワフルなテクノミュージックがぎっしり詰まっている名盤である。ライブで最も受けが良かったと坂本龍一が語る「在広東少年」やYMOの代表曲「東風」に矢野が独自で歌詞をつけた楽曲などが収録されている。
3.「ラヴフール」…『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』カーディガンズ
スウェーデン出身のバンド、カーディガンズの3枚目のアルバム。タイトルで勝手にファーストアルバムと勘違いしそうになるが3枚目。ニーナ・パーションのキュートなボーカルが魅力のバンドで、特に収録曲である「ラヴフール」は日本でも非常に高い知名度を誇った名曲である。バンドの雰囲気とイマイチ嚙み合わない気がするが、ブラック・サバスの「アイアンマン」のカバーも収録されている。
4.「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」…『初期のRCサクセション』RCサクセション
RCサクセションのファーストアルバム。R&Bやパンクではなく、フォーク的要素の強い名盤である。2015年に発売されたリイシューアルバム盤では冬目景の漫画でもおなじみの名曲「イエスタデイをうたって」が収録されている。余談だが、上記の歌で「金儲けのために生まれたんじゃないぜ!」と歌った一曲前では「この世は金さ!」と熱唱している。忌野清志郎、凄まじい変わり身の早さである。
その⑤「落ちてきたら今度はもっと高く高く打ち上げるコト」
1.「おもちゃの兵隊のマーチ」レオン・イェッセル
作曲家レオン・イェッセルのワークスで生み出された曲。日本では「キューピー3分クッキング」のテーマ曲として有名。黒川が調理時のBGMにこれを選曲したのはそのため。ちなみに元々の邦題は「おもちゃの兵隊の観兵式」だったりする。
2.「紙風船」…『パーティ』赤い鳥
赤い鳥の5枚目のアルバム。作中で黒川がウンチクを披露していた児童雑誌『赤い鳥』はこのバンドのネーミングの元でもある。関係ないかもしれないが、赤い鳥の後藤悦二郎と平山泰代の夫妻はバンドの解散後、紙ふうせんというフォークデュオを結成している。
その⑦「旅をゆく若いわれらに鐘が鳴るコト」
1.「スモーク・オン・ザ・ウォーター」…『マシン・ヘッド』ディープ・パープル
ディープ・パープルの代表曲である上記曲に加え、冒頭に「ハイウェイ・スター」まで収録しているモンスターアルバム。比較的弾きやすいコードからギター初心者の練習曲としても有名な「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は火事で焼けた湖上のカジノに着想を得て作られた。凛が言っていたマウンテン・スタジオは火事で更地になった後に建てられたものなので厳密には無関係。
2.「青い山脈」藤山一夫
西條八十と服部良一のコンビによって作られた日本を代表する名曲。『はだしのゲン』でゲンが卒業式に「君が代」を歌う事を拒んで代わりに合唱させた曲としても有名。NHKが80年代に放送した『昭和の歌・心に残る歌200』では200もの名曲のトップに君臨した。作曲の服部とこの曲を歌っていた藤山は共に国民栄誉賞が授与されている。西條八十は国民栄誉賞設立前に他界していた。
いかがでしたでしょうか。いかがも糞もあるかという内容だったでしょうか。申し訳ありません。また2023年6月以降にこの第一章を読まれた方には、ひょっとすると本編中のネタバレに当たる発言をしてしまったかもしれません。もし該当したならば大変申し訳ございませんでした。
無駄に長くて、更新遅くて、設定わけわからなくて、誰が話してるか分からなくて、人気もない本作ですが、作者は無駄にやる気満々の為、このまま完結までお付き合いをお願いしたいです。冒頭でも述べましたが、こんな駄文にブックマーク登録が5件もついたことが誇張抜きで嬉しくて仕方ありません。(ウチ一つ身内の可能性大)というか読んでくださっている方がいることだけで嬉しいです。例え読者がゼロになっても続けるつもりなので、「中折れしないよう気を使ってやらねえと」とお手間を取っていただく必要はありません。ただ読んでいただければ御の字です。作者が最近ようやく存在を知ったアクセス解析で読まれていることを実感しにんまりできれば今は幸福です。こんなとこ誰も読まんやろと赤裸々に想いを綴ってみました。「お手間はいらねえ」とカッコつけましたし、本音ではありますが、評価されたくないわけではないので死ぬほど暇ならどんなものでも大丈夫なので感想や星の評価なんかをお願いします。それでは!