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その②「まわるまわるぐるぐるまわるコト」

・登場人物紹介

黒川響くろかわ ひびき 性別:男 年齢:21歳 誕生日:6/25 職業:大学生

本作の主人公。抜群の歌唱力を持つが、機械を通した瞬間に不協和音に早変わりする不幸な歌い手。歌手としての道はすっかり諦めているものの、集ったメンバーたちとの心躍る日々を守る為、宇宙人のカメラ役をこなす。本人にいまいち自覚はないが、一応リーダー。

☆好きな話題は趣味の話、嫌いな話題は恋愛の話


星畑恒輝ほしはた こうき 性別:男 年齢:21歳 誕生日:4/4 職業:お笑い芸人

黒川の高校からの友達。高卒でお笑い芸人の道を選びめでたく地下芸人へ。見る人が見れば割と悲惨な生活を送っているが、本人は至って楽しげ。ルックスがよく、よく気が利く上に、根明のためよくモテそうなものだが、とにかく絡みにくい本人の性格が仇になり全くモテない。

☆好きな話題は大喜利みたいな話、嫌いな話題は政治とか経済とか


須田凛すだ りん 性別:女 年齢:20歳 誕生日:5/25 職業:大学生

男受けしそうな見た目と性格を併せ持った少女。黒川の歌(動画越し)に感動し、星畑のライブを出待ちし、姫月に憧れながら、天知に焦がれるちょっと変わった趣向を持つ。派手なファッションとは裏腹に人見知りで気が弱いが、推しの事となると見境が無くなり暴走気味になる。

☆好きな話題は自分の好きなモノの話、嫌いな話題は自分の将来の話


姫月恵美子ひめづき えみこ 性別:女 年齢:20歳 誕生日:10/3 職業:無職

スラリとしてスレンダーな見た目に長い足、艶の良い黒髪とまさに絶世の美女。性格は非常に難があるが、悪いというより思ったことをすぐ口に出すタイプ。一言で言うなら唯我独尊。自信たっぷりで自分大好き人間だが、イケメンも好き。ただしどんなイケメンよりも自分の方が好き。

☆好きな話題は自分の話、嫌いな話題は他人の話


天知九あまち きゅう 性別:男 年齢:42歳 誕生日:3/3 職業:無職

元、スーツアクター兼スタントマン。家を追い出され新たな仲間たちに重宝されながらスローライフを送るおっさん。高身長で、物腰柔らかく、頼りになり、清潔感も教養も併せ持つまさに理想の紳士。黒川への恩義だけで入ったが、正直42歳がやっていけるのか不安でしょうがない。

☆好きな話題はトリビア系の話、嫌いな話題は下ネタ。


岩下陽菜いわした ひな 性別:女 年齢:9歳 誕生日:3/20 職業:小学生

女優一家の次女で子役。年齢を感じさせない演技とその可愛らしさから天才子役と称されていたが、家族や友人と遊ぶことを優先する為、子役業から一時手を引いている。年齢の割に落ち着きがあって肝も据わっているが、子どもらしい無邪気さも併せ持つ。怪談やオカルトが好き。

☆好きな話題は怖い話、嫌いな話題は悪口、陰口、噂話。


速めに更新するなんて言っておきながら今まで類を見ない程の間隔をあけてしまい申し訳ございません。今回に関しては言い訳というか、遅れた理由なんてありません。強いて言うなら、ことのほかブログの運用が忙しかったってことくらいです。

                      11回転




黒川「♪~~~~~」


陽菜「…………………………………」


黒川「♪~~~~~~~」手首カクカク首フリフリ


陽菜「……………………………………」


黒川「♪~~~~~~アウッ!」つまさきピーン


陽菜「………………………………………」


黒川「アウッ!アウッ!アウッ!アウッ!」


陽菜「くふふふ」


黒川「!!」ビクッ!!


陽菜「うふふ……すごい気持ちよさそうに歌ってたね」


黒川「…………のぞき見なんて趣味が悪いぜ……」


陽菜「お兄ちゃんだって私とお姉ちゃんの仲直りのぞき見してたでしょ」


黒川「…………そういえばしてたけど……あれだって御宅の大地はんが誘って来たんであって」


陽菜「でもでも…全然はずがしがることないよ。相変わらず上手だったし」


黒川「上手い下手じゃなくってね……あんまりノリノリのところを知人に見られたくないもんだよ」


陽菜「はずがしがってちゃだめだよ。舞台の上に立つんだったら振り切らないと」


黒川「いやいや……舞台って」


陽菜「凛ちゃんとバンドやって歌うんでしょ?」


黒川「いやだからさ……俺はあくまで単なるギタリストだって」


陽菜「え?……凛ちゃんはボーカルって言ってたのに」


黒川「………違うっての……まあ…と言っても、ボーカルいないしまだ演奏すらしてないし、ほんとにバンド結成すんのかって感じだけどな」


陽菜「私もバンドしたいなぁ……ねえねえギター弾いてみていい?」


黒川「いいよ。でも持てる?結構重いけど」


陽菜「ありがと……あ、ほんとだ。重いね……よっと…わわ(ガン!)あ!……ごめんなさい」


黒川「平気平気。安もんだし」


陽菜「あ、じゃあそうだ!お兄ちゃんがギター持って……そう肩にかけて…さっきみたいに」


黒川「?」


陽菜「それで、私がこの中に入ったら」もぞもぞ


黒川「ちょちょちょ……何してるの!?」


陽菜「お兄ちゃんとギターに挟まるの。お兄ちゃんがギター弾いて私が歌います」


黒川「あ、そう……斬新な二人羽織というか読切の方のエルフェンリートというか…ていうか陽菜ちゃん俺の腹に頭が当たってるけど」


陽菜「あ、ごめんね…嫌だった?」


黒川「いや、良いけど……結構弾きにくいなこれ」


陽菜「エミちゃんは誰とでも寝ちゃう~♪そして~天知さんをドスで刺しちゃう~♪大変だ~♪すっごくすごく大変だ~♪どうしましょ~♪」


黒川「!?……え、なにそれは?」


陽菜「オリジナルソングです」


黒川「いやそれは分かるけど…歌詞よ歌詞」


陽菜「エミちゃんたちとね。言ってたの。ノンシュガーズで一番強いのは誰かって。それで、エミちゃんは誰とでも寝るからエミちゃんになったの。寝てる隙にドスで刺せるから」


黒川「………………………………………………」


黒川(……………陽菜ちゃんって俺が思ってるよりもおそろしい子なのかもしれない)


陽菜「…………………………………………………………」プニュプニュ


黒川「わびゃ!?な、なに!?突然俺の腹つまんで!」


陽菜「……………お兄ちゃんって結構お腹柔らかいだね」


黒川「………そ、そう?…結構みんなそんなもんだろ?筋トレガチりでもしない限り…」


陽菜「私なんにもしてないけどへっこんでるよ?ホラ、触ってみて」


黒川「!?」


陽菜「ほら、どうしたの?」


黒川「……………えっと」


エンジェル黒川(やめときなさい。適当にその場は濁してその幼気な女児を離すのです)


デビル黒川(イッちまえよ!相手はただの小4のガキだぜ?服越しなんだからさ。あんまり深く考えすぎると逆にロリコン臭いぜ!?)


ペ○ス黒川(で、でも!ボキはぶっちゃけお腹に密着してた時からはち切れそうなほど意識してたよ!?お腹なんて触ったら今後の性活的によくないよ!今夜の淫夢に出てきちゃうよ!!)


黒川の中の汚い心(ギターみたいな女の子だと思っとけよ)


黒川の中に蔓延るリビドー(ダキ……タイ……)


黒川の中のチビ凛ちゃん(ナメ………タイ……)


黒川「………陽菜ちゃん……ケーキでも食いに行こうか」


陽菜「ケーキ!?……な、なんで急に!さ、さてはヒナをプクプク太らせるつもり!?」


黒川「違う違う……好きなだけ食っていいから…奢らせて」


       

                  12回転


黒川「俺の心って汚れた奴ばっかなんだなって…軽く死にたくなったよ」


星畑「しれっと須田を飼ってることの方が問題だろ」




                  13回転



凛「うへへへへ……デート♪デート♪エミ様とデート♪」


姫月「気色悪いこと言わないで!ちょっと買い物行くだけでしょ!」


凛「で、でも!はじめてじゃないですか!エミ様がお買い物に誘ってくださるなんて!!うう…生きてて良かった」


姫月「………ちょっと待って…アンタもしかしてその格好で行くつもりじゃないでしょうね」


凛「え?…あ、は、はい!!いつもより気合入れてみたんですけど……だ、駄目でした?」


姫月「他に誰かいるならともかく、この私と二人きりでそんなダサい服着ていいわけないでしょうが!チビのくせにパンタロンなんて履いてんじゃないわよ!」


凛「ダ、ダサ………うう、すいません……着替えてきます」


〜23分〜


姫月「なっがい!!」


凛「わへっ!?す、すいません!!その……決めきれなくって」


姫月「………………………………………」


凛「あ、あの……まだ私、着替え中なので…できれば扉を閉めていただけると……その」


姫月「……アンタ、なんで私と買い物行くのに大地が寄越した紐パン履く必要があるのよ」


凛「え?……あ、こ、これは……その、勝負というか」


姫月「ア、アンタ……今日私と寝る気だったの!?」


凛「ち、違いますよ!!……そんな、そんなわけ…///」


姫月「顔赤らめんじゃないわよ!……あーもー…私が服選ぶからそれ着なさい!いいわね!!」


凛「ええ!?…エミ様自らが私を!?……ホ、ホントに私今日死ぬんじゃないでしょうか……」


姫月「ん?……あるじゃないフツーの奴も…もうこれでいいじゃない……ホラ!着る!10秒以内」


凛「あわわ……は、はひ!」


姫月「…………アンタでも生意気にロ○ハーマンなんて着るのね」


凛「えへへ……これは勝美さんっていう大学の先輩が誕生日プレゼントでくれたんです!」


姫月「はあ?何そいつ金持ちなの?……それまぁまぁするわよ?アンタが黒川から貰ってたナンチャラグラウンドよりするわよ多分……」


凛「うええ!?………お、お金持ち何でしょうか?一緒にいてもあんまりそんな気はしませんでしたけど……」


姫月「………アンタ…黒川と言いその先輩と言い…いつから貢ぐ奴から貢がれる奴になったのよ」


凛「…………………み、貢ぐって……勝美さんはキレイな女性ですよ?黒川さんはお腹が縄文杉より太いのできっと皆さんにも同じだけでっけえ物をプレゼントさせられるはずです!!」


姫月「どーだか……まあ、私には自己破産するくらい高いもの買わせてやるけど」


凛「そ、そういえば…エミ様は何をご購入されるおつもりなんですか?」


姫月「ん……適当よ適当………雑貨とか」


凛「えへへ……付き合わせてくださった御礼に何でもお好きなものを貢がせていただきますね!!」


姫月「………………………………………………………」ムニッ


凛「ひふぇ!?……ひょ!ひょーひてひょひょふぉふふぇふんでふふぁ!?」(訳 ど、どうして頬をつねるんですか!?)





            14回転



星畑「シャズナシャズナシャズナ~♪シャズナを食べ~ると~♪」


陽菜「……………………………………………………」もじもじ


星畑「イザムイザムイザム~♪イザムが良く~なる~♪」


陽菜「……………………………………………………」もじもじ


星畑「あ~あ~♪み~んな~で~♪シャズナをフンフフフ~ン♪」


陽菜「…………………………あの」


星畑「ぅおい!!ビ、ビビった~!………ど、どうしたんだよ陽菜。こんな深夜に……またラーメンか?」


陽菜「ううん……あ、あの………お願いがあって………」


星畑「お願い?」


陽菜「う、うん………あの、えっと……///」


星畑「何だよ、もじもじしちまって……須田のモノマネかなんか?」


陽菜「凛ちゃんじゃなくって……えと…その、えっとぉ……ヒナと…一緒に寝て…欲しくって」


星畑「!?」(憲法第一条!氷無しでウイスキーのオンザロックを飲む者は死刑ー!)


陽菜「?……星ちゃん?」


星畑「えっと……それってあくまで一緒に眠るってことだよな?」


陽菜「……………どういう意味?」


星畑「い、いや!なんていうかお前の今の言い方がさ……なんか含みがあったって言うか」


陽菜「………だから…それってどういう意味?」


星畑「…意味って言うか…なんかお前の今の言い方が…大人びてるって言うか、変な意味に聞こえたって言うか…って冷静になればそんな含み持たせるわけないよな。ちょっとおかしいわ俺…混乱しすぎてなぜか頭ん中に富井副部長のどうでもいいセリフがよぎってきたし」


陽菜「ん~……まどろっこしいなぁ……だからその変な意味ってどういう事って聞いてるのに」


星畑「察しろよアホ!お子様に言ったらもれなく大地グラウンドマザーに殺されかねん内容ってこと!ていうか、さっきまでもじもじしてたくせに急にずかずかと態度を変えて……って、お前、陽菜…もしかして、なんか演じてた?」


陽菜「……………演技なんてしてないよ」


星畑「嘘つけ!寝るの隠喩っていうか含みの意味を知ってて俺をからかったんだろ!なんちゅう小悪魔な遊びをやりやがる!相手が黒川だったら今頃事案だぜ!?」


陽菜「………遊びでやったわけじゃないよ。でも……そっか…やっぱりエミちゃんの言ってた寝るってイチャイチャのことだったのか」


星畑「んん?……何の話だよ」


~説明中~


星畑「つまり……話の中で寝るって言葉が姫月たちとズレてたから、そのもう一つの意味……まあ、その、イチャイチャかどうかってことを知りたかったってことかよ。えらい回りくどいな」


陽菜「だって…直接聞いてもどうせ子ども扱いして教えてくれないんでしょ?」


星畑「……そりゃ小学生相手にそんなこと言えないだろ」


陽菜「私はもう分かってたもん。だからさっきはそのつもりで演技したし。ホントにそうか確認したかっただけ」


星畑「………冷静に考えれば、陽菜から一緒に寝てって言われてもそんな意味で受け取るわけないのにな俺…天才子役の表現力にいいように翻弄されちまったってことか?」


陽菜「…………さっきの陽菜…大人っぽかったってこと?」


星畑「う~……ん……逆にあどけなかったっていうか、危うかったって言うか…小学生相手に言っていい事かわからんけど、妖艶だったぜ?」


陽菜「?……それってどういうこと?」


星畑「………なんかお前のその性知識って…前々から妙に違和感あるんだよな。イチャイチャなんて回りくどい言い回しするし、フツーにモロのワードは知らないみたいだし」


陽菜「…………どういう意味?」


星畑「………陽菜お前、イチャイチャって何するか知ってるのか?」


陽菜「前もお兄ちゃんに聞かれたけど…えと、男の人と女の人がベッドに入るんだよ」


星畑「うん……それで?」


陽菜「え?」


星畑「それで……ベッドの中で何すんの?」


陽菜「………えっと……寝る」


星畑「ンフフ……それじゃお前はこの前、黒川とイチャイチャしてたってことか?」


陽菜「ち、違うよ!…ヒナはまだ子どもだし…それに…そう!確か裸にならないといけないんだった!」


星畑「おお……そんで?裸になって何するんだよ?」


陽菜「………えっと…色々と」


星畑「例えば?」


陽菜「わ、分かんないよ!…何するかなんて人によるでしょ!」


星畑「………ほーん…そんな感じね……オーケーオーケー」


陽菜「な、何?……何が言いたいの?」


星畑「ん~…陽菜よ。大事な話するからそこに座れ」


陽菜「う、うん分かった」


星畑「…………いいか……陽菜、お前はイチャイチャが何なのか何一つ分かってない」


陽菜「!!」


星畑「よって……これ以降、その手の話題で大人ぶって話に入ろうとする行為…これの一切を禁じるぜ」


陽菜「ちょ、ちょっと待ってよ!星ちゃん」


星畑「お奉行」


陽菜「あ……お奉行!た、確かにあんまり詳しくはないけど、裸でベッドに入るんでしょ?ちゃんとわかってるよ!」


星畑「いいや何にも分かってない。そもそもお前、大人が何のためにイチャイチャするかを知ってるのか?」


陽菜「え?……えっと…なんて言うか、けんかとかした後とか、お酒飲んだ後とかに…するんでしょ?恋人同士で…」


星畑「ハハハ…てんで話になりません」


陽菜「ムムム………」


星畑「よく聞け!そもそもイチャイチャには人類として無くっちゃいけない大事な目的があるんだよ!」


陽菜「え……そうなの?…エミちゃんはそんな大事なことを誰とでもやれちゃうってこと?」


星畑「まあ、そうだけど…その目的を全く無視してイチャイチャするときもある」


陽菜「……よく分かんないけど……その目的ってそもそも何なの?」


星畑「お子様には教えられませんなぁ」


陽菜「……………ム」


星畑「そもそもお前さんやたらベッドにこだわってるけど…ベッドの中でやることがきまってるわけじゃないぜ。服だって本人たちが良ければ着てるままでいいし」


陽菜「え?そ、そうなの?……じゃ、じゃあ…あの時、お兄ちゃんとイチャイチャしちゃってたんじゃ」


星畑「あれはただの添い寝だ」


陽菜「ええ~……じゃあ何をもってイチャイチャになるの?」


星畑「それが……自然な形で教われて、すんなりと飲み込めるようになったら初めて大人になるってわけだ」


陽菜「……すっごい気になりますご奉行」


星畑「ダメだ……いいか?こういう知識を生半可に身に着けてああだこうだ言ってる奴が一番子どもなんだよ。丁度、さっきまでのお前みたいにな」


陽菜「……………///」


星畑「分かったらさっさと寝るんだな……一人で」


陽菜「………いっこだけ聞いて良い?」


星畑「ん?」


陽菜「エミちゃんは誰とでも寝れる…つまりイチャイチャできるって言ってたけど…それって…本当はすごく良くないことなんじゃ…」


星畑「まあ、良いこととは言い難いけど………俺の見立てではアイツそこまで荒んでねえから安心しろよ。多分、やろうと思えばっていう可能性の話してるんだろうぜ」


陽菜「そっか……えっと、もう一つだけ良い?」


星畑「何?」


陽菜「………イチャイチャの方じゃなくって…普通に…その、私と一緒に寝ることできる?」


星畑「そ、そりゃできるぜ!……絵面があんまりよろしくねえけど……何?一緒に寝たいのかよ?」


陽菜「ううん…いい……無理だろうし」


星畑「できるっちゅうに!!俺はもっと色々とでかい女が好みなの!陽菜はあくまで小学生!」


陽菜「………そうじゃなくって…陽菜が無理なの…星ちゃんとは…じゃあねおやすみ」


星畑「あ、そう………ですかい……おやすみ」


星畑「…………………………」


星畑(あれ?……もしかして俺、幼気な女子にとんでもないセクハラしてたんじゃ……)




                15回転


星畑「って思ったんだけど……どう思うよ?」


黒川「セクハラってか猥褻行為だろ」




                16回転



天知「アレ?須田さん?……どうしたのこんな廊下の真ん中で」


凛「あ、えっと……えへへ」


天知「ん?…それ、新しいレコードかな?相変わらず高そうというか…レアそうなものを目利きしてるね」


凛「え、あ……そうじゃなくて……その」


凛「こ、これ………エミ様が…その、くれたものなんです」


天知「へえ~…そりゃ珍しい……それで姫ちゃんの部屋の前にいるのか」


凛「………これ、私が…その、前に買ったものの新品のものなんですけど……前に買ったやつはエミ様が鍋敷きにしたから汚れてしまって……私、その、それを後で黒川さんにグチグチ言いふらしてたから……ひょっとして…気を負わせてしまったのかもと思って」


天知「エミちゃんに限ってそれは無いんじゃない?まあ、僕なんかよりも須田さんの方が圧倒的に付き合いは長いんだし……言い切れないけどさ」


凛「エミ様が勝手に私のモノを使うなんて日常茶飯事だったんですけど、その結果壊れたり、汚れたりしたことは無かったので……」


天知「そもそも姫ちゃんは何て言ってそれを買ってくれたの?」


凛「いえ、特には。でも、迷うことなくお店に入って行かれましたし、リサーチはしてたと思います……私が荷物持ちしてたので、自然に私が袋を持ってたんですけど……あ!その時は私、ラッピングされてたからレコードって知らなかったんですけどね」


天知「それじゃあ、それは姫ちゃんので…須田さんに預けたまま貰い忘れてるだけなんじゃない?敷物として買い直したんじゃ」


凛「………でも、他のものは私が渡す前にさっさと取ってご自身の部屋に持って行っちゃってたのに、これだけ残ってて……それにいくら何でも、テーブルの上ならいざ知らず、レコードショップに置いてあるものを敷物だとは思われないと思って……鈍い私も流石に察しました」


天知「なるほど、取り忘れたってことにしてどさくさに須田さんに弁償したってことか……不器用というか、ぶっきらぼうというか……姫ちゃんらしいけどね」


凛「です」


天知「姫ちゃんが何も言わずに渡したんなら、須田さんも何も言わずに貰っておくのが筋なんじゃない?……気持ちはわかるけどさ」


凛「いえ………というより、エミ様が私にそんな良くしてくださるなんて……嬉しいというより、何というか複雑って言うか……」


天知「解釈違いって奴かな?」


凛「い、いえ!……エミ様はエミ様ですし、私があれこれ決めつけるつもりは毛頭ないんですけど…何というか……その……本当に何といえばいいのか」


天知「…………………………」


天知「須田さん、僕はね。姫ちゃんの部屋を掃除してるからよく分かるんだけど…あの子は何というか、服とかベッドとかは荒らしっぱなしなのに……植物やカワイイ小物なんかはすごく丁寧に扱ってるんだ。植物はいつ見ても綺麗に育ってるし、小物に関しては僕が何もするまでもなくいつもピカピカに磨いてあるし」


凛「………そ、そうなんですね」


天知「自分の大切なモノを大切にする分、須田さんの宝物のレコードがかけがえのないものだって分かってるんじゃないかな……僕は姫ちゃんは案外、そういう繊細さがあると思ってるんだけど」


凛「そ、そうですね!……私がどうこうじゃなくって……きっと、どんな人にでも、大切なものまで奪うようなことはしないですよね!」


天知「そうそう」(…なんか前にいじめっ子の財布をどうこうって話を聞いた気がするけど、まあいいか)


姫月「…………………何してんのよアンタら…人の部屋の前で」


凛「あ、エミ様!あの、これ……レコード……その……えへへへへ」


姫月「あ!それ!!……そうよ!何か忘れてると思ったの!……アンタもさっさと渡しなさいよ!気が利かないわね!」


凛「へ?……え、ええと」


姫月「何アホ面してんのよ?ホラ、さっさと渡す!クーラーの冷気が漏れちゃうじゃない」


天知「えっと……そのレコード、姫ちゃんのものなの?」


姫月「は?…私のお金で買ったのよ?私のに決まってるじゃない」


凛「…………えと、あの……これレコードですよ?敷物じゃなくって」


姫月「知ってるわよ!……イヤミったらしいわね!」


天知「姫ちゃんもレコード聴くの?」


姫月「聞かないけど……私最近インテリアに気を遣うようにしたのよ。前は散らかるしほこりがたまるだけだと思ってたけど、ヒナにやっすい駄菓子渡して掃除させればいいだけって気づいたのよ私」


凛「えっと……じゃあ…これは」


姫月「しつこいわね……ベッドの上に掛けとくのよ。そもそもアンタそれ持ってるじゃない。中身は無事なんだし、まかり間違っても私に弁償させようだなんて思わないことね…ほら、さっさと渡す!」


姫月「新品に買い替えたいなら黒川にでもたかりなさい!……それじゃ」バタン!


天知「…………………………………」(←気まずそうな顔)


凛「え、えと……な、謎が解けて良かったです……アハハ」


天知「うん……その、残念だったねレコード」


凛「い、いいんです!そもそもオリジナル以外に価値なんてないんですし!」(※暴論)


天知「そ、そう?……ならいいんだけど……ま、まあ僕のさっきの姫ちゃん評は見当違いってことで、人を推察できるような人間じゃないってことだね僕は……ハハハ……それじゃ」


凛「いいい、いえ!!そ、そんなことは……全然、あ、相談に乗っていただいてありがとうございました~!!」


凛(……でも、ちょっと……天知さんには悪いですけど…見当違いで安心しましたよ…エミ様)






                     17回転



黒川「だからさ……定期的になんか話さないとダメってことなんだって」


星畑「定期的にねえ………アイツ最近俺ら次第の内容に頼り過ぎじゃない?考えてた企画ってのはどこ行ったんだよ」


黒川「よせよ……俺らがフツーに日常送るだけで画になるんならそれに越した話ないだろ?」


星畑「お前なあ、そういうこと言ってると内輪だけで満足する雑な芸人になっちまうんだぜ?」


黒川「内輪だけでやってる体の番組なんだしいいじゃん……そもそも俺芸人じゃねえし」


星畑「つまんねえな~……お、天知さん!こっち来てくださいよ。なんか俺らもっと頻繁に話し合わなきゃまずいらしいですぜ」


天知「ん?何?……番組の話?」


黒川「いや…話し合わなきゃっていうか、ホラ、最近陽菜ちゃんが家に来ても別々に飯喰ったり、誰かが常に席外してたりが多かったじゃないですか。それで、俺らの会話が少ないってUが不満言ってて」


天知「なるほどね…でも、単にこうして顔を合わせるだけじゃ大した話もできないと思うけど」


黒川「そうですよね~」


星畑「身内に感じてるモヤモヤしたこととかあります?」


黒川「……何だよ急に」


星畑「いや、話題作ったんだけど」


天知「ん~……僕の父がね、甲殻類にアレルギーがあるらしくてNGにしてるんだけど。ぶっちゃけアレルギーはエセなんだよ。単に嫌いなだけで」


黒川「ああ~……俺の同級生にも昔、掃除の草むしりしたくないからって植物アレルギー名乗ってた奴がいましたよ。植物園の遠足行けなくなっててザマァって思いましたね」


星畑「ポケモン御三家で当たり前のようにナエトル選んでてモヤモヤしたよな」


黒川「当たり前のように乗っかってきたけど小学校の頃の同級だからな?」


天知「ハハハハ……すごいね迅速なツッコミ…流石漫才コンビ…『けんちん汁漏れちゃう』だっけ?」


黒川「……天さん死なないでっス」


星畑「ンフフ……そっちで出場すればよかったな。俺らしくない名前にしようってことでそのままお前の案、通したけど」


天知「……まあ、それで、そのことは別にモヤモヤしないんだけど…僕の父が一番好きなカップヌードルのフレーバーに堂々とノーマルを選んでることがモヤモヤしたかな」


黒川「ハハハ!…滅茶苦茶エビ入ってますもんね」


天知「そうそう!いちいちエビを取り出して食べるんだもの!よくもまあって思ったね」


星畑「それ穂村弘が聞いたらただじゃおかないですよ」


天知「ほむら?」


黒川「ハローカップヌードルの海老たちじゃねえんだよ…相変わらず分かりにくいボケを」

黒川(今、天知さん絶対違うほむらを連想しただろうな)


天知「ああ……そういえばあったねそんな短歌……いや~…相変わらず博識というかボケがインテリだね」


黒川「天知さん、こいつのことインテリなボケをする奴って思ってたんですか!?」


星畑「おいおい!誰がにゃんこスターだよ!」


黒川「……インテリではないだろにゃんこスターも」


天知「で?……黒川くんは?」


黒川「うーん……身内ってか俺らの中でのクレームですけど……ホラ、うち二つトイレあってそれぞれ男子用と女子用で分けてるじゃないですか?」


天知「二階が僕らで、一階が女性陣だね」


黒川「アレ、最初の方、俺とか星畑とかが忘れてうっかり女性陣の方のトイレに入ることあったんですけど、そん時姫月に烈火のごとくキレられるんですけど」


星畑「『アンタらの下の世話押し付けられたうちのトイレに土下座しなさい!』ってセリフはあれ以降聞くことねえだろうな」


黒川「……まあそれはね……いいんですよ。決まり破ってんのはこっちですから。でもね、アイツ!最近知ったんですけど、いちいち階段下りるの面倒だからってフツーに俺らのトイレ使いまくってんですよ!?」


天知「はははは……彼女らしいね」


黒川「んでもって!『何でアンタらのトイレだけ壁にイイ感じの絵飾ってんのよ!』って図々しくもクレーム入れてきたんですよ!」


天知「ああ……そういえばアンディ―ウォーホルのトマトスープ缶を貼ってたっけ」


星畑「そういやアレ誰のですか?」


天知「僕の。好きなんだアンディーウォーホル。実は黒川くんがバナナレコードを須田さんにプレゼントしてたとき人知れず興奮してたんだよ?」


黒川「アイツ勝手に剥がして自分らのトイレに貼ろうとしてたんでちゃんと止めときましたからね!」


天知「ハハハ……別にもう共通財産も同然なんだし、止めなくってもいいのに」


黒川「アイツを甘やかしすぎちゃダメですって」


星畑「この前、アイツ天知さんのこと『私のアシスタントみたいなもん』って言ってましたぜ。そろそろしめとかねえと」


黒川「寝込み狙ってドスで刺すとも言ってたらしいですよ」


天知「……そういえば陽菜ちゃんからも気をつけろって言われてたな……僕何か彼女にしたかしら……まあ、姫ちゃんのことはいいじゃない。星畑君は?」


星畑「俺は須田が犬系彼女を悪く言ってたの見てモヤモヤしたぜ」


黒川(確かにそれは引っかかるかもな)


天知「ん?犬系彼女って何だい?」


星畑「須田みたいな女のことです」


天知「………そっか」


黒川「でも、凛ちゃんは犬って言うよりかはハムスター的な感じだと思うけど」(←何気にキモイ発言)


星畑「ハム須田ーってか!?」


天知「まあ、犬って一口に言ってもピンキリだもんね」


星畑「ハム須田ーってか!!??」


黒川「………犬っぽいのはむしろ陽菜ちゃんじゃない?」


星畑「いや、それはねえわ!アイツはモロ大カマキリだろ!」


黒川「何がどう転んで脊椎動物ですらなくなったんだよ」


天知「ハハ…なんか今日の星畑君は絶好調みたいだね」


黒川「何かこいつ最近、高校の時のウザさが戻ってきてるんですよ」


星畑「勘が戻って来たって言ってくれよ」


天知「で、さっきの須田さんの話だけど…犬系ってのはとどのつまりどういう女の子を指すのかな?」


星畑「俺もよく分かんねえっすけど…要するに人懐っこくて甘えん坊でって感じでしょ」


天知「つまり須田さんは人懐っこくて甘えん坊ってことなのか」


黒川「凛ちゃんの場合は別に人懐っこいってわけでもないと思うけどな」


天知「確かにその特徴でパッと思いつくのは陽菜ちゃんの方かな、僕も」


黒川「そうそう!人懐っこいってのは陽菜ちゃんみたいな誰にでも屈託なく接せる子を言うんだよ。凛ちゃんは自分が髪染めてるくせに、髪染めてる男NGだし、ガタイのいい男NGだし、集団でいる男NGだし」


星畑「何より童貞以外に心開かないもんな」


天知「そ、そうなの!?」


黒川「………言ってて思ったけど、星畑はNG項目だらけじゃん」


星畑「ホントだぜ。共演できねえや」


天知「そこは特別枠でしょ。この前も星畑君のライブ録画した奴見ながら、嬉しそうにしてたよ」


星畑「逆にお前は運命レベルでレ点免れてるじゃん。須田の運命の男だろこんなもん」


黒川「バカだな。最終的にそこに※ただしイケメンに限るってつくんだよ。こういうもんは」


天知「フフフ……でも、黒川くんは須田さんと趣味も合うし、ルックスなんて関係なしに仲良くなれるんじゃないかな?…ていうかもう仲良くやってるじゃない」


黒川「いや~…凛ちゃんは基本的に推し以外の男とは仲良くなろうとしないですからね。俺だって番組の共演者で、尚且つ一応好きな歌い手ってことでフレンドリーにしてくれてんでしょ。何の肩書もないただの大学生だったら、フツーに目も合わせてくれませんて」


星畑「アイツ、ところどころでレズっぽくなるけど、その実どうなんだろうな」


黒川「レズではないと思うけど……頻繁にナンパとかされてるらしいし、男に対して抵抗感あるだけだろ」


天知「この前の遊園地でもナンパしてきた人たちに付きまとわれて大変だったんでしょ?…須田さんも美人だから大変だね」


星畑「まあ、食い下がる野郎が往生際悪いのは確かですけど、アイツしっかり断ったりせずにもごもごするだけなんで……そういうとこ変えたくて、アイツも強くなりたいところなんでしょ」


天知「成程ね……思ったより深刻なわけだ。須田さんの強くなりたいって相談、もっと親身に聞いておけば良かったかな」


星畑「ナンパ除けだったら天知さんじゃなくて姫月に聞いた方がいいんじゃねえの?」


黒川「本人曰く、美人過ぎてあんまナンパされないらしいぜ」


星畑「………いよいよアイツがどうやって男を引っかけてるのかよく分からなくなってきたな。自分から言い寄るわけでもないだろうに」


天知「え?……あの子、男を引っかけたりなんてしてるの?」


黒川「そういうっぽいことは時々、におわせてますぜ」


天知「……てっきり冗談かと思ってたけど…そうか。う~ん…姫ちゃんなら大丈夫…なのかな?」


黒川(あんま大丈夫じゃないケースが過去にあったんですけどね)


星畑「言ってるだけだと思いますけどね。あの態度でそこまでモテるとも思わねえし……何よりアイツ見てて男の気配感じねえじゃないですか」


黒川(………いたんだけどな…一人…そういえばそれ以降、姫月は男作ってねえのかな?)


天知「まあ、もういい大人なんだし、恋人くらい好きに作ればいいんだけど…ハハハ、ダメだね。一緒に暮らしてると、余計な老婆心が出ちゃって」


黒川「あんなに面倒見てくれてるんですから、当然ですよ」


天知「決して娘と重ねてるわけじゃないけど……あのぶっきらぼうというか、任せっきりでズボラなところが似ててね……」


星畑「天知さんの娘さんっすか?」


天知「うん………と言っても娘は姫ちゃんと違って活発なタイプじゃないんだけどね。基本、部屋に籠ってグータラしてるし」


星畑「いやいや……アイツも基本的に家でグータラしてますぜ」


天知「そう?最近、色んなところに買い物に行ったりして出かけてるっぽいけど」


星畑・黒川(巨万の富を得たからな……)


天知「そうそう……さっきのトイレの話だけどね…女子トイレにも最近、新しく絵がかけられてるんだよ。今思えば、アレも姫ちゃんのチョイスなんだろうね」


黒川「ああ……散財してるなぁ」


星畑「なんか最近、アイツ多趣味になってるよな……読書と言い、絵画と言い」


黒川「インテリアにこだわるようになっただけだろ。アイツ前にゴッホとピカソ間違えてたぜ?」


星畑「いやそれでもだよ。前はそんな趣味なかったじゃん」


黒川「ちなみに何の絵ですか?俺も知ってそうですか?」


天知「草間彌生のカボチャだよ」


星畑「あの点々の奴かよ…まいったな俺、集合恐怖症なんだよな…もうあのトイレ使えねえよ…元々使えねえけど」


黒川「俺はめっちゃ好きだぜ………アイツ、なんかセンスいいな」


天知「どこで知ったんだろうねえ……有名とはいえ、姫ちゃんが知ってるとは思わなかったよ。ましてや絵を買うぐらい好きなんて」


黒川「姫月って性格もよく分かんないけど、好みもよく分かんねえっすよ」


天知「確かにねえ……僕ももっぱら彼女のことは分かんないかな。この前、知ったかぶりな態度をとって恥ずかしい思いしちゃったし」


星畑「アイツに関する500のことやったんだろ?」


黒川「500も質問ねえよ。それにあん時は…回答者の方で色々あったから…アイツの答えには大して注目してなかったし」


天知「確か……僕が覚えてるのは…イタリアが好きなんだっけ?」


黒川「雑貨屋やりたいって言う願望もあるんだし、今思えば小物とかインテリアが好きなのは昔からだったのかね」


星畑「誰が質問考えてたんだよアレ」


黒川「大分前、凛ちゃんが俺らに考えてくれてた質問から出したらしいぜ。数ある質問の中から宇宙人共も知りたがってそうなモノを選んでたんだと。その作業に没頭しすぎて作戦失敗したくらいだしな」


星畑「……そういえばおいおいアイツの質問に答えるって言ってたのに、存在ごと忘れてたな。ちょっと質問描かれた紙持ってきてくれよ。何個か答えようぜ」


天知「須田さんもいないのに?」


星畑「フツーにセクハラじみた質問もあるんで、事前にイケる奴イケない奴、選定しといたほうがいいでしょ」


黒川「陽菜ちゃんのどこの部位舐めたいかとかあったよな……確か」


天知「その質問に嬉々として答える僕がいるとして…あの子的にはアリなんだろうか…」


星畑「ちなみに黒川は膝小僧らしいです」


黒川「言ってねえよ!!」


~一分後~


黒川「あったあった……心なしか何か増えてる気がするけど」


天知「そういえばあのクイズの後、新しく何個か追加してたよ?」


星畑「アイツの欲も底なしだな……え~っと…お、『みなさんの勝負飯を教えてください』ってあるぜ」


黒川「い、意識したことねえ~~~」


星畑「俺、白米」


黒川「行住坐臥常闘い(グラップラー)じゃん」


天知「ん~……僕は思いっきり濃いいコーヒーかな」


黒川「ちなみに姫月は?」


星畑「私?フリフリチキンよ」


黒川「ヒヒヒヒ………」


星畑「え~…次は…皆さんが密かに行っている健康法を教えてください」


黒川「ね、無え~~~」


星畑「俺はテキーラ70杯飲むこと」


黒川「お前いつの間に路上の伝説築いてたんだよ」


天知「ん~……僕はランニングかな?別に密かにやってるわけじゃないけど」


黒川「ちなみに姫月は?」


星畑「そりゃあ、スーハ―呼吸法ダイエットよ」


黒川「wwwww」


星畑「得意料理があれば教えてください」


黒川「ぬ!(無いの意)」


星畑「俺、10円ハゲパン」


黒川「何も()えなさそうなお菓子だな」


天知「おっ……うまいね」


黒川「天知さんって料理するんですか?」


天知「あんまりかな……若い時はよくチャーハンとか作ってたけど」


黒川「ちなみに姫月は?」


星畑「ソーメンチャンプルーよ」


黒川「wwwwww」


天知「……質問を聞きたい本人がいないんだからいいんだけどさ。さっきから普通に答えてるの僕だけじゃない?」


星畑「答えてるだけ俺はまだマシですよ。こいつなんか今のとこ全部白紙回答ですぜ」


黒川「だって……マジでないんだもん。もっと俺に寄り添った質問にしてくれよ」


星畑「え~…じゃあ……漫画の名作と聞いて思いつくものは何ですか?」


黒川「寄生獣」


星畑「孤独のグルメ」


天知「………銀河鉄道999……かな」


黒川……またチキった


黒川「で?姫月は?」


星畑「上がってなンボよ」


黒川「wwwwww」


天知「……でも、みんなの読んでる漫画にまで興味を持ってるだなんて、須田さんはすごいね」


黒川「まあ、本人も漫画とか好きですからね。これは単純に同居人の好みを聞きたかったんじゃないですか?」


天知「同居人の好みか…………知りたいものなのかな?やっぱり」


星畑「そりゃこれから一緒に暮らすってんだろうし、交流の第一歩として趣味や好みから聞いとくのは鉄板でしょ」


天知「交流の第一歩………」


黒川「…………………………まあ、人柄や距離感を図る的な意味合いで聞く場合がほとんどですし、今更打ち明けるようなことでもねえでしょ」


星畑「じゃあ、お前、今俺が地味にハマってる漫画家言えるか?」


黒川「そういう極端な揚げ足取りするなよ……どうせラズウェル細木だろ?」


星畑「いや……土山しげるだけど?」


黒川「前からじゃねえか!!」


天知「あにょ!…ゥウン!(咳払い)……あの…星畑君!」


星畑「!?……うい!?な、ナンスか!?……ンフフ…噛むなんて珍しいですね。一瞬、須田かと思いましたよ」


天知「ハハハ……えと…そのだね…ぼ、僕の最近ハマってる漫画家…とか、当てられるかな?」


黒川「!!」


黒川(あ、歩みだした!!天知さんが!!……相変わらずものすっごい不自然なタイミングだけど)


黒川(いずれにしろ……言うんだな!?今ここで!!)


星畑「え?……天知さんのハマってる漫画家?……全然イメージ無いっすけど…ん~…わざわざ最近って言うってことは比較的話題になった人ですもんね…『チ。』の作者とか?魚豊でしたっけ?」


天知「………あれはすっごい名作だったけど…違うかな」


星畑「ん~……マジでわからん。誰っすか?」


天知「……あずまきよひこ」


黒川(…………そうなんだ…なんか散々後方理解者面してたけど、予想もできなかったな)


星畑「『あずまんが大王』とか『よつばと』ですよね?……へえ~…空気系とか読むんですねぇ!」


天知「空気系?…ってのは分からないけど、特に『よつばと』かね~…もう続きが待ちきれなくてさ。滅多に載らないんだけど、一か八かを信じて電撃大王を購読してるんだよね」


星畑「あれって…リアルに娘さんを育ててた身からするとどうなんですか?」


天知「……うう~ん…僕があんまり家に居なかったのもあるけど、小学校中学年くらいの頃にはもう手元を離れちゃったしね。あんまり重ねられないけど、でも、確かに思い出すときはあるかな。と言っても春香はあんなに活発でも良い子でも無かったけどね」


星畑「確か黒川も好きだよな?漫画持ってただろ?」


黒川「ん?…おお」


天知「そもそも黒川くんに薦めてもらったんだよ」


星畑「ええ~!漫画の貸し借りなんてしてたんですかいな?」


天知「ハハ、いやあ僕が一方的に借りるだけだけどね」


星畑「言ってくださいよ!俺もまあまあ持ってますぜ?」


天知「!!……そ、それは、僕に漫画を貸してくれるってこと?」


星畑「当たり前じゃないですか!……まあ、俺の持ってる漫画がなんぼのもんだって感じでもありますけど」


天知「とんでもない!!嬉しいよ!」


星畑「お、おお……まさかそんな喜んでくれるとは……」


天知「……いや~……打ち明けてみるもんだねえ…ハハッ!!」


星畑「ンフフ…別に打ち明けるって程の情報でもないでしょ」


黒川(……打ち明けられたように見せかけて…実はまだ星畑の思う天知さんの好きな漫画ジャンルに齟齬がある気がするけど……あんな輝かしい笑顔の天知さんに言えるわけないよな)





                   18回転



天知「はいはいはい……誰かな?そんな力強くノックしなくても開けるよっと……って姫ちゃん!?」


姫月「何よ。私が部屋に来たら迷惑っての?」


天知「い、いや……そんなことは無いけど。珍しいね。わざわざ僕の部屋なんかに何の用?」


姫月「……別に……ていうかアンタ何で部屋に鍵かけてんのよ!生意気ね!」


天知「ハハハ…僕だって守りたいプライバシーの一つや二つはあるさ」


姫月「フン…………………」


天知「………………………………」


姫月「……………………………入るわよ」


天知「え!?……ま、待って待って!!急にどうしたの!?」ハッ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


陽菜「エミちゃんには気を付けてね。エミちゃんが怪しいこと言って近づいてきたら注意してね」


黒川「寝込み狙ってドスで刺すとも言ってたらしいですよ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


天知「………………………………………」


姫月「ちょっと……何フリーズしてるのよ。どきなさい!アンタ図体でかいんだから、通れないのよ。ちょっと」


天知「ちょ、ちょっと待ってね……」バタン!(←姫月を閉め出す)


姫月「はあ!?……ちょっと天知!!何やってんのよ!この私を追い出すなんて!いい度胸してるじゃない!!」


天知「ご、ごめんごめん……ちょっとそのままで聴いてほしいんだけど…何か僕に怒ってることとかある?」


姫月「今まさに怒ってるわよ!な~か~に~入れろっての!!」


天知「だ、だから何の用って聞いてるんだけど!?」


姫月「用が無くっちゃ来ちゃいけないわけ!?」


天知「普通は来ないでしょ!?僕の部屋になんか!」


姫月「そんなの分かり切ってることじゃない!用はあるわよ!わざわざ言う必要はないでしょ!」


天知「あるの!?……言わないって…幾ら何でもわがままが過ぎるよ!」


姫月「いいじゃない!!アンタ!いっつも私の部屋入ってるんだし!!」


天知「入りたくて入ってるわけじゃないよ!!」


姫月「ああもう!!いっつもホイホイ言うこと聞くくせして!一体何でそんなにかたくななのよ!」


天知「……質問に質問で返して申し訳ないけどさ……何の用か…は聞いてもイタチごっこか…えっと、なんていうか……僕、姫ちゃんに何かしたっけ?」


姫月「うん?……何かって?」


天知「………その~……僕に何か変なことする気とか……」


姫月「はあ!?……へ、変なことって何よ!!」


天知「………どうも僕の杞憂だったみたいだな……そのリアクションを見るに…どうぞ入って」


姫月「ったく!!最初からそうしなさいよ!!……変なことって……アンタもしかして、私が夜這いにでも来たとか思ったんじゃないでしょうね!」


天知「…………い、いや、流石にそうは思ってなかったけど…なんかドスで刺すとか云々耳にしてさ」


姫月「そういえばそんなこと言った気もするけど……そんなのたらればの話よ。マジなわけないじゃない」


天知「ハハハ……そりゃそうだよね…ごめんね何かてんぱっちゃって」


姫月「…………………………」キョロキョロ


天知「……でも、どうなったら僕をドスで刺すことになっちゃうの?」


姫月「私がここで一番強いって証明する為よ」キョロキョロ


天知「…………何か探してる?」


姫月「……………………………………」ガチャ(←クローゼットを開ける音)


天知「ちょちょちょちょちょっと!!」バターン!!(←クローゼットを閉める音)


姫月「キャッ!!……な、何?」


天知「ご、ごめんごめん……えっと、僕のクローゼットに何か用?」


姫月「…………つばと……」


天知「ん?」


姫月「………よつばと……持ってるんでしょ?……続き」


天知「…………よつばとって……漫画のよつばと?」


姫月「他になんかあんの?」


天知「……………読むの?」


姫月「……………別に……ただ、黒川の奴が途中までしか持ってないから」


天知「途中まで……ああ~……雑誌か!!……それなら確かに続きあるけど…ええと、どこだったっけ……そっかぁ…姫ちゃんがねぇ……そうかそうか」


姫月「…………………」げしっ グキッ

姫月「痛っ!!」


天知「……あったあった………ってどうしたの?……足を抑えて」


姫月「……………アンタの体、石かなんかでできてんの?」


天知「え?……どういうこと?」


姫月「何でもないわよ……ありがと。じゃあ借りてくから」


天知「ああうん……………姫ちゃんも漫画なんて読むんだね」


姫月「それはこっちのセリフよ」


天知「また感想教えてね」


姫月「…………………………嫌よ。それじゃ」


天知「それは残念。おやすみ」


天知「…………………………姫ちゃん……やっぱり掴めない子だな」




                     20回転



黒川「え~……っと…全員揃ったな。それじゃ、第一回、企画会議を行いたいと思います。おい!姫月!開始1秒もせずにスマホをいじるなよ!」


姫月「急に呼び出したと思ったら企画会議って何よ企画会議って……そういうのアンタが宇宙人と勝手に決めるんじゃなかったの!?」


黒川「いや、まあ…そうなんだけどさ。Uが考えてんのに合わせて、これから何かしたいこととかあれば聞いといてくれって頼まれたんだよ。ホラ、これから陽菜ちゃんとか俺らが夏休み入るだろ?そしたらスケジュールも合わせやすいし、色々でかいことするチャンスなんだってよ」


天知「成程ね。ところで宇宙人の考えた企画ってのはどんなの?」


黒川「ええ~っと……それは俺もあんまり聞いてないんですけど、何か海かプールには絶対行くって言ってましたね」


星畑「要するに水着回だな」


凛「うう……私、泳げないし…行きたくないなぁ」


陽菜「私は行きたい。プールも海もどっちも行きたい」


姫月「私は嫌よ。行きたいならアンタ一人で行って一人で泳いで、一人で沖まで流されなさい」


陽菜「私は泳げるから沖まで行っても平気だもん」


黒川「………いきなり企画に難を申されちまった……じゃあ、代わりになんかしたいことってある?反対するなら代案をくれよ」


凛「海には行きたくないけど……天知さんとか、エミ様の水着は見たいなぁ…」


天知「仮に海に行っても僕は泳がないと思うよ?……まあ、プールなら流石に泳ぐかもだけど」


星畑「ていうか企画なんだろ?海に行ってそんな泳ぐだけなんてありきたりなもんじゃねえだろ絶対」


陽菜「海に行ったのに泳がないなんてそんなの信じられないんだけど」


黒川「泳がないかどうかはともかく、まあ、変なことはするだろうな。俺は知らないけど」


姫月「アンタ…結局、何にも知らないんじゃない」


黒川「だって基本的に思い付きみたいな感覚で唐突に言ってくるのがほとんどだもん。ほとんど大川平次渦正だぜ」


星畑「俺らで案を出しとくってのはUの奴に好き勝手させないための予防線ってことも兼ねてんだな」


黒川「いや…まあ、そこまでじゃないけど……でも、ま…やりたいことできたらそれに越したことは無いじゃん。もしかしたら凛ちゃんがアイドルにさせられる可能性だってあるんだから」


凛「ええ!?」


陽菜「え!そうなの!?」


凛「いやいやいや!!知りませんし、やりませんよ!?何ですかその恐ろしい計画は!」


黒川「そういう話もうっすらと出てたんだよ。俺らが芸能界目指すみたいな感じの流れが…そんなハチャメチャなこと俺だってヤダよ」


天知「案外ファンがつくかもしれないよ?……いや、間違いなくつくね」


星畑「アイドル名はネクストスプリング次春で決まりだな」


凛「ダサい上にパクリじゃないですか!!……私の要素も無いし」


陽菜「もっとかわいい名前が良いと思うな。ん~…リンリン…リンリスター…リンスダネイド」


黒川(ポケモン進化?)


姫月「キリング・スダ―でいいじゃない。死ぬほど売れないってことで」


黒川(未だに根に持ってるんだな……ラーメン屋の件)


凛「やりませんってば……万が一にやることになっても名前は私で考えます!」


星畑「例えばなんてつけんの?」


凛「え?……え~っと……ラピスラズリ・フレイム……とか?」


黒川(凛ちゃんの要素どこだよ)


天知「まあまあ…本人がやらないって言ってるんだからこの話はここまでにして…この夏に何をやろうか決めようよ。別に無理に企画になりそうなこと考えなくても、単純にしたいことを言ってもいいんだろう?」


黒川「もちろんですよ」


陽菜「じゃあ、私、肝試しとかしたい」


姫月「嫌よ」


陽菜「エミちゃん怖いの?」


姫月「めんどくさいのよ」


凛「私は怖いので……」


星畑「天知さんの言うことはもっともですけど…ここにいる奴ら大半は大人なんですからやりたいことなんて勝手にやりますって。やっぱ全員を止む無しで動かすには企画にして賃金発生させないと」


天知「そりゃそうか……僕ら、別に友達グループってわけじゃないもんね」


陽菜「…………………………ともだち」


天知「あ!……もちろん!それはそれとして全員が仲良くはできてると思うよ!?」


黒川「二人とも嫌々ばっかりだけど…やりたいことは無いのかってば」


凛「うう……すいません。ええと…そうだ!どこかお泊りなんてどうですか?」


姫月「いいじゃない。番組の金で海外旅行行きましょ」


陽菜「ヒナ…マチュピチュ行きたい」


天知「ハハハ…僕も行きたいけど、確か今は行くの大変じゃなかったっけ?」


黒川「ていうか姫月はパスポート持ってるのかよ」


星畑「そんなもん俺も持ってねえよ」


陽菜「私も」


凛「あ……私も」


姫月「ダメダメじゃない!!」


黒川「お前も持ってねえだろうがお前も」


凛「じゃあ国内でも!どこか避暑地にでも!静かで人がいなくて!」


黒川「はいはい……旅行っと」かきかき


星畑「……この家にホワイトボードなんてあったんだな」


姫月「黒川…そこに第一回姫月レミナに感謝の気持ちを伝える会って書きなさい」


黒川「な、何その恐ろしそうなサバト」


星畑「お前への恨み言を語る会だったら秘密裏にもう二桁は開催されてるぜ」


陽菜「エミちゃん、いつもありがと」


凛「エミ様!!いつも感謝しています!!」


姫月「私、感謝って物理的になされないと伝わらないたちなのよね」


星畑「姫月!!俺のありがと右ストレートを受け取ってくれ!!」


姫月「黒川!そこに第一回星畑を血祭りにあげる会って書きなさい!!」


黒川「ハイハイ……星畑血祭りっと」


凛「へへへへ………そ、それ…世にものパロディですよね!山田祭り……」


黒川「お!分かる!?」


陽菜「肝試しがダメなら……怖い話大会でどう?」


天知「怖い話か………残念ながら、持ち合わせが無いなぁ…それでも良いなら付き合うけど」


姫月「怖い話って……アンタが時々ウダウダ言ってくるアレの事?…嫌よつまらないし。一昨日話してたのも作り話見え見えじゃない」


陽菜「作り話じゃないよ……ヒナがお仕事してた時のメイクさんの友達の上司が本当に体験した事なんだから」


黒川(そこまでして事実であるこじつけする必要ないだろ)


姫月「何でそのメイクの友達の上司とか言う奴はわざわざパチンコ店の女子トイレの右から2番目のドアを5回もノックしたのよ!色々おかしいじゃない」


黒川「よく覚えてんなお前」


陽菜「………これじゃ満足に怪談ができるのは私と凛ちゃんくらいだなぁ…お兄ちゃんの話は幽霊じゃなくって人間の怖い話ばっかりだし」


凛「ふへへへへ……私も好きですけどね…死刑囚のエピソードとか、サイコパス心理テストとか」


黒川「人間の怖い話だって立派な怪談じゃない」


星畑「別に無理に夏らしい事する必要もないだろ。全員でなんか催し物でもやればいいじゃん。フリマで誰が一番、金を稼げるか選手権とか」


天知「結構企画として成立してそうだけど…いっぱいモノを持ってる分、須田さんや黒川くんの圧勝で終わっちゃいそうだね」


黒川「いや~…分かんないですよ~」(俺の漫画レコードギター全部合わせても天知さんのアニメボックスセットの群れにゃ敵わねえだろうな)


凛「フフフ……レアなモノを持ってる自信はありますけど…その分、売れないモノばっかりですよ」


星畑「ドベは俺だな。言い出しっぺだけど」


陽菜「でも、みんなで対決とか面白そうかも……」


姫月「それ、この前やったじゃない。あのつまんない人生ゲームの奴」


星畑「人が魂込めて作ったものをつまらない呼ばわりするんじゃねえ!」


黒川「アレに込められてたのは底意地の悪い男子校みたいなノリとただ単に演技したいだけの子役の自己満じゃねえか」


姫月「あん時のヒナがうざかったのだけはよく覚えてるわ」


陽菜「私もエミちゃんがズルして天知さんにあっという間にバレちゃってたのよく覚えてるよ」


姫月「………夏休みの間、一回も口聞いてやんないんだから」


星畑「ンフフ……女子かよお前」


凛「戦うのはいいですけど…チーム戦とかペアになったりするのはやめときません?私、足引っ張っちゃって死にたくなりますから」


天知「気にしなくていいのに」


星畑「お前確かに欠点も多いけど、特技だって多いじゃん。見ろよ俺を!見事なまでの器用貧乏ぶり!」


凛「な、何を言ってるんですか!!星君ほど優れてるところが多い人そういませんよ!?」


天知「顔良し、体格良し、性格良し、料理良し、ユーモア良し……確かにハイスペックだね」


姫月「金なし、清潔感無し、根性無し、節操無し、遠慮なし、倫理観無し、面白く無し、甲斐性なし…汚点の方が多いわよ」


星畑「見た目以外の全てが悪い奴になんか言われた」


天知「まあ、姫ちゃんはその見た目だけでお釣りがくるから…それ以外は確かに掴めないところが多いようだけど」


凛「えへへへ……人でなしだからいいんですよ。もう神様みたいなお人ですから」


陽菜「天邪鬼だもんね」


黒川「いや…そういうけどさ。俺むしろ器用貧乏って言葉は姫月にこそ似合う気がするけど」


姫月「黒川アンタ処すわよ?」


黒川「今の流れで何で俺だけ!?」







                    回転後



『フム……まあ、こんなものか』


 宇宙人コトUが編集作業を終えた。たった今、無作為にピックしたメンバー通しの掛け合いを繋げて一本のラジオドラマに仕立てたのである。急遽、一コマ空いた分の、彼の星でのラジオ番組を埋める番組として、流すことになったのだ。単なる会話も、知らず知らずのうちに仕事の一つになりえるのである。そして、宇宙で回されるこの会話劇が、また、一部の新規層を巻き込むきっかけになるのである。











本作の内容が内容だけに今一つ、話題というか、書くことがありません。そのためむりくり話題を生みますが、皆さんは果たして、無事スムーズに登場人物のビジュアルをイメージできているでしょうか?ろくに描写をしていないので中々にイメージが難しいかと思います。面目ないです。そこでと言えば恩着せがましいですが、また機会があればキャラクターのビジュアルを細かくまとめて設定の一つとしてお出ししたいと思います。そもそもの需要が薄い作品ではありますが、書いている以上、私個人の愛着みたいなものは高く、無駄に裏設定とかを捏ねたりしているので、そちらの方も随時、明かしていきたいと思います。

それでは、またお会いできることを心よりお待ちしております。

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