その①「まわってまわってまわってまわるコト」
・登場人物紹介
①黒川響 性別:男 年齢:21歳 誕生日:6/25 職業:大学生
本作の主人公。抜群の歌唱力を持つが、機械を通した瞬間に不協和音に早変わりする不幸な歌い手。歌手としての道はすっかり諦めているものの、集ったメンバーたちとの心躍る日々を守る為、宇宙人のカメラ役をこなす。本人にいまいち自覚はないが、一応リーダー。
☆回転ずしで必ず頼むのは光り物。別に通ぶってるつもりはない。
②星畑恒輝 性別:男 年齢:21歳 誕生日:4/4 職業:お笑い芸人
黒川の高校からの友達。高卒でお笑い芸人の道を選びめでたく地下芸人へ。見る人が見れば割と悲惨な生活を送っているが、本人は至って楽しげ。ルックスがよく、よく気が利く上に、根明のためよくモテそうなものだが、とにかく絡みにくい本人の性格が仇になり全くモテない。
☆回転ずしで必ず頼むのはパフェ。なんかアイスのっけただけみたいなのは許さない。
③須田凛 性別:女 年齢:20歳 誕生日:5/25 職業:大学生
男受けしそうな見た目と性格を併せ持った少女。黒川の歌(動画越し)に感動し、星畑のライブを出待ちし、姫月に憧れながら、天知に焦がれるちょっと変わった趣向を持つ。派手なファッションとは裏腹に人見知りで気が弱いが、推しの事となると見境が無くなり暴走気味になる。
☆回転ずしで必ず頼むのはサーモン。炙ったり、バジルチーズ乗ってたりすると尚よし
④姫月恵美子 性別:女 年齢:20歳 誕生日:10/3 職業:無職
スラリとしてスレンダーな見た目に長い足、艶の良い黒髪とまさに絶世の美女。性格は非常に難があるが、悪いというより思ったことをすぐ口に出すタイプ。一言で言うなら唯我独尊。自信たっぷりで自分大好き人間だが、イケメンも好き。ただしどんなイケメンよりも自分の方が好き。
☆回転ずしで必ず頼むのは大トロ。というよりいわゆるお高い皿を中心に頼む。
⑤天知九 性別:男 年齢:42歳 誕生日:3/3 職業:無職
元、スーツアクター兼スタントマン。家を追い出され新たな仲間たちに重宝されながらスローライフを送るおっさん。高身長で、物腰柔らかく、頼りになり、清潔感も教養も併せ持つまさに理想の紳士。黒川への恩義だけで入ったが、正直42歳がやっていけるのか不安でしょうがない。
☆回転ずしで必ず頼むのは茶碗蒸し。銀杏入ってると思わず笑顔。
⑥岩下陽菜 性別:女 年齢:9歳 誕生日:3/20 職業:小学生
女優一家の次女で子役。年齢を感じさせない演技とその可愛らしさから天才子役と称されていたが、家族や友人と遊ぶことを優先する為、子役業から一時手を引いている。年齢の割に落ち着きがあって肝も据わっているが、子どもらしい無邪気さも併せ持つ。怪談やオカルトが好き。
☆回転ずしで必ず頼むのはうどん。麺は基本3杯は頼む。
え~……こんな内容なのに地味に更新遅くてすいません。
回転前
ノンシュガーズこと黒川ら一同が住むシェアハウスの中にはいくつかマイクが内蔵されている場所があり、彼らの会話は24時間毎日録音されているのである。今まで役に立ったりそこまで立たなかったりしてきたその装置が、密かにUこと宇宙人のビジネスを潤わせていることを黒川たちは露と知らない。
1回転
星畑「…………………」
黒川「…………………」ペラッ
姫月「…………………」ペラッ
星畑「………………」ブッ!
姫月「………死ね」
黒川「…………お前、よりにもよってのび太がおばあちゃんと再会するシーンでやってくれたな」
星畑「いいだろうがよ。お前、何十回目のドラえもんだよ。よくそんなに何回も読めるな」
黒川「何回も楽しめるから名作なの。アニメだって同じ話を擦りまくってるじゃん」
星畑「姫月も読書って珍しいじゃん。何読んでるの?」
姫月「みやもとかがやきの蛍川」
星畑「…………へ、へえ」
黒川「宮本輝な……お前、また俺の本棚から勝手に……」
星畑「なんか最近文学少女じゃんお前、どういう気持ちの変化だよ」
黒川「聞いて驚け。こいつ俺の持ってる漫画とか陽菜ちゃんの持ってる児童書とか片っ端から読み漁ってるんだぜ?」
星畑「へえ~……どんだけ暇なんだよ」
姫月「うっさいわね。アンタの持ってる本、どうでもいいことでグチグチ悩んでたり、意味わかんなかったり、出てくる奴全員卑屈だったりでつまんないのよ」
黒川「文学ってそういうもんだぜ。小説じゃなくってドラマとか映画とか見ればいいのに」
姫月「嫌よ。何が悲しくて自分よりもブサイクが出てる恋愛なんて見なきゃダメなのよ」
星畑「頭ん中で好きなビジュアル作れる小説が一番性に合ってるってことか」
黒川「そういや、まだシェアハウスに住む前のころはよく凛ちゃんが俺の漫画読んでたな」
姫月「黒川……アンタ『ワンピース』の続きさっさと買いなさいよ」
黒川「あ、そういやドレスローザまでしか持ってなかったっけ?」
星畑「……誰の蔵書が一番気に入ってんの?」
姫月「別に……どれもどっこいどっこいよ」
黒川「そういやお前、天知さんの本は読まないんだな。あの人もいっぱい持ってるだろうに」
姫月「天知の持ってる本なんてどうせ歴史のナンチャラとか科学のナンチャラでしょ?興味ないわ」
星畑「いやぁ~……ひょっとしたらきらら系の萌え漫画がゴロゴロと」
姫月「フッ……どっちにしろ興味ないわよ」
黒川 (………ひょっとしなくてもあるだろうなぁ)
星畑「でもよ、お前。暇なら外で買い物でもすればいいじゃん。金欠ってわけでもないだろうがよ」
姫月「嫌よ。このクッソ暑いのに……あ!そういえばアンタ大地から車押し付けられてたわよね?アレどうなったのよ?」
黒川「まだ色々と手続き踏まないとだけど、もうそろそろもらえると思う……先に言っとくけど、お前のアッシーくんにはならないからな」
星畑「アッシーメッシーなんてもはや死語だろ」
姫月「黒川の分際で私に逆らおうっての?アンタ確かこの前私に永遠の忠誠を誓ってなかった?」
黒川「それはもう期限過ぎただろ!!」
星畑「………それも天知さんには頼まねえんだな」
姫月「………何よアンタさっきから……鬱陶しいわね。この場から消えてくれない?」
星畑「消せるもんなら消してみな」
黒川「……ていうかさ。最近なんで自分の部屋じゃなくって下でくつろいでんの?前までは飯時以外で一階に降りてなんて来なかったじゃん」
姫月「だ~か~ら!!こんなクソ暑い中でエアコンのない場所なんて行けるかっての!!私だって叶うもんならアンタらの顔なんて見たくないわよ!」
黒川「………いや、あるじゃんエアコン。二階にも」
姫月「知ってるわよ。ただ壊れてんのよ。電源押しても動かないもの」
星畑「……ええ?もっと早く言えよ。てかよく俺らにクレームつけずに今まで黙ってたな」
姫月「まあ、暑くて仕方がないときはヒナの部屋で寝てたし……ていうか人をクレーマーみたいに言ってんじゃないわよ」
黒川「おいおい……それ今はいいけど、もうちょいして陽菜ちゃんが夏休み入ったら面倒だぞ。あの子、夏休み中はここで生活するって言ってたし」
姫月「そん時は凛を一階でも外でも放り出せばいいじゃない」
黒川「いや、凛ちゃんとばっちり過ぎるだろ……業者とかに頼もうぜ」
姫月「めんどくさいわね。アンタら直せないの?」
黒川「……一応、説明書とかあるし…様子見るだけ見てみるか……今、うち軽く財政難だしな。業者に出さずに直るに越したことはないわ」
姫月「はあ!?何で貧乏になってんのよ!」
星畑「おめえのせいだよおめえの」
~3分後~
黒川「ヒヒヒ、ヒヒヒ………ヒヒヒヒヒ」
星畑「よう、早かったな。やっぱ素人が直すのは厳しいか」
姫月「だらしない男どもね。これが真田広之だったら直してたわよ」
星畑「エアコン直す真田広之ってヤダな」
黒川「いや……直ったよ……今、動いてるから…確認しろよ」
姫月「ホント?……アンタ…やればできるじゃない…………何よ、さっきからニヤニヤして…エアコン一台直したくらいでうぬぼれてんの?」
黒川「何でもねえよ……早くいけって……ヒヒヒ」
姫月「?……何よ…気持ち悪いわね」
星畑「おい…姫月行ったぜ?………何があったんだよ」
黒川「ヒヒヒヒ……コンセント………コンセント刺さってなかった……」
星畑「ンフフフフ……」
2回転
凛「おああああああああああああああああああ!!」
黒川「………な、なにやってんの?」
凛「あ、く、くろ、かわ……さん……ハアハアぜえぜえ」
黒川「さっきから倉庫で奇声が上がってるって思ったら……びっくりしたよ…公園でゲートボールしてたじいさんばあさん帰っちゃったぞ」
凛「あ、へへへ……えへへへ……すいません」
黒川「何?発声練習って感じでもなさそうだったけど……ストレス発散?なんか嫌なことでもあった?」
凛「は、はい………うう~……ううう~……エミ様」
黒川「何?姫月?……凛ちゃんが姫月に腹を立てるなんて珍しいね」
凛「い、いえ……まさかエミ様に怒るなんてことはまかり間違ってもですけど…なんて言うか……えっと……ええ~…そう!台風に田んぼを荒らされた農家が台風に怒ってるって感じです!!」
黒川(結局怒ってるんじゃん)
凛「み、見てくださいよぅ!これぇ!!」
黒川「あ!すっげえ!!ブルース・クリエイションの『悪魔と11人の子供達』のLPじゃん!!けっこうしたでしょ!?……1万円くらいかな?」
凛「です!!………ううう…裏面が……見てくださいよこれ……くっきりシミついちゃってます」
黒川「あららら………ほんとだでっけえ丸……鍋敷きにでもされたの?」
凛「そうですよ!?レコードを!……インスタントラーメンのお鍋式に使いますかフツウ!!しかもそのラーメン!私の奴ですし!!」
黒川「確かにそれはひでえな……」
凛「そしたらエミ様ったら……悪びれもしないで……『アンタのラーメン辛すぎるわよ。あんなの食べてるから脳みそがマヒして雑魚になるのよ』って!……パッケージに散々辛いって書いてあるじゃないですか!!」
黒川(怒りの矛先がブレてきたな)
黒川(味方してあげたいって言うか……同情するけど………多分また一階のオーディオで聞いたっきり片づけないで長いこと机の上に放置してたんだろうなぁ……ラーメンに関しては付箋貼られてなかったから俺も食べちゃったし)
凛「ほんっとにもう!!恐ろしい唯我独尊っぷり!!傍若無人っぷり!!レコードだけじゃなくって私まで完膚なきまでに尻に敷かれちゃってますよ!!全く!!」
黒川(まあ、せめて愚痴相手くらいにはなるぜ。凛ちゃん)
凛「叫ばなきゃやってられませんよ!!かっこいいんですから!!も~!!」
黒川(でもこりゃあ愚痴に見せかけた惚気だな)
3回転
天知「……………………」イケマセンゴシュジンサマ!!ア、ア、アアア~ン
黒川「…………………………」ヘヘヘヘ、コノケイヤクモンニハサカラエネエゼェ!
天知「…………………………」ンホオオオシュゴイイイイ!!
~23分後~
黒川(ま、まさか……全年齢向けアニメの分際で本編丸ごと性行為に使うとは……)
天知「ハハハ……な、何かごめんね」
黒川「い、いえ!!……こういうアニメも当然ありますよね!!」
天知「うん……唐突に女の子と野球拳が始まったり、大した理由もなくヒロインと主人公が混浴したり、やっぱりサービスシーンも大切ってことなんだろうけど、僕が見るにはちょっと厳しいかもね」
黒川「タイトルに契約紋とかそれらしい言葉があるときは注意が必要っすよ。あとオープニング映像でやたらヒロインの服が脱げるアニメ」
天知「なるほど。勉強になるなあ……じゃあ、次はこれなんてどうだろう?」
黒川「………『CODE//SS.ASSASSIN~深層殺戮領域』か……天知さん、こういうなんかタイトルにやたらめったらドットとかサブタイとか入ってる奴はゲームとか他に元ネタがあってアニメ単体では楽しみにくいパターンが多いですよ」
天知「………な、なるほど………じゃあこれはどうかな?」
黒川「……ああ~………脚本家が溜井タメ子っスか。ダメかもですね。不用意に暗い展開になるかも…シリアス好きで有名な人なんで」
天知「そ、そうなんだね……じゃあこれは」
黒川「ん~………大昔流行った人気アニメのリメイクですね。個人的にこのキャラの声が大塚芳忠さんじゃないのは納得いかないんで……旧作見た方が絶対いいですよ」
天知「へえ~……声優さんにもこだわりがあるなんてやっぱり流石だね……よし!こうなったら僕一押しのアニメを見ようじゃないか!ちょうど昨日、ブルーレイボックスが届いたんだ」
黒川「お~……いいですね~」(←「ビートdeトーヒ」の濱家みたいなイントネーション)
天知「…………………………」
黒川「…………………………」
天知「…………………………」
黒川「…………………………」
黒川「…………………………」
黒川「…………………………」
黒川「…………………………」
黒川(………まさか洗濯するだけで前半が終わるとは……)
4回転
星畑「………天知さんって……ケンカしたことあります?」
天知「な、何?藪から棒に……口喧嘩って言うか…言い争いならしたことはあるけど」
星畑「不良に絡まれて仕方なく暴力をってこともないですか?」
天知「無いね。そもそも不良に絡まれても暴力は振るわないかな」
星畑「いや~……俺、この前生まれて初めて不良と殴り合いのケンカしたんすよ。しかも秒で負けて」
天知「あらら……あんまり無茶なことしちゃいけないよ?」
星畑「前々から俺って……争いごとに向いてないタイプだとは思ってたんですけど、まさかあそこまで自分が弱いとは思わなくって……気絶までしたもんだから情けなくって」
天知「気絶!?そ、それ、警察とかに連絡した方が……」
星畑「いや、いいですよ。もう三週間くらい前のことだし。それにあん時の俺、わりかしふざけてたし」
天知「そういえば……ちょうどそのくらい前に須田さんが強くなりたいから格闘技教えてくれって頼んできたことがあったな」
星畑「マジっすか……俺の知らねえところでそんな面白そうなことが」
天知「もちろん僕は真似でしかできないから断ったけど、その時も今の星畑君と同じような質問をされたよ」
星畑「そりゃあ。あの時のヌートリアとの対戦を見せられたら天知さんには何かしら相当の武勇伝を期待しますって」
天知「勘弁してくれ。でも、その時にね。須田さんが妙なことを言ったんだよ」
星畑「アイツ妙なことしか言いませんやん」
天知「なんか……少しずつだが皆さんのおかげで強くなれている気がするって」
星畑「へえ~……アイツこの前チワワに吠えられた弾みに電柱に顔面ぶつけてましたよ。で?なんて返したんですか?」
天知「ん?……まあ、そうだね。色々と成長しているかもねって」
星畑「まずいっすよ。アイツを変にその気にさせるのは……ああ見えてかなりの調子乗りなんですから」
天知「大丈夫だよ。大人しくていい子なんだから、無茶することはあってもそうそう争いごとは起きないさ」
凛「うえええええん!!ええええん!!」
星畑「……………………あ」
天知「………………………」
陽菜「大丈夫?凛ちゃん?……泣かないで。ほら、痛いところさすってあげるよ」
凛「うえええええん!!さすられたところが痛いよぉ!!」
天知「……………………な、何があったの?大丈夫?」
陽菜「あのね……凛ちゃんが学校の近くまで迎えに来てくれたからね。ついでに一緒に散歩することにしたの。それでね、近くに新しいパン屋さんができてたからそこでサンドイッチ買ってそこの公園で食べてたの」
天知「そ、それで何で泣くことになったの?」
陽菜「うん。そしたらベンチにおっきいハエが来て、凛ちゃんのサンドイッチに止まったから凛ちゃんが怒ってその上に小石を落としたの」
星畑「何でそんなンドゥールみたいな殺し方を選んだんだよ」
陽菜「そしたらそのハエが実はアブで、凛ちゃん刺されちゃったの」
天知「アブだったら正式には噛むだね」
凛「ヒックヒック………針が刺さってますぅ……抜くの怖いぃ!」
陽菜「凛ちゃん……針刺さってないよ?大丈夫だよ。私の部屋で消毒してあげるね?」
凛「うえええええ……だって刺さってるんですぅ!!抜きたいけど抜くの怖いぃい!!」
陽菜「大丈夫だよ。痛いの痛いの飛んでけってしてあげる。だから私の部屋行こ?」
凛「うえええええん!!それ別に今でもよくないですかぁ!?」
天知「…………………………」
星畑「…………………………………」
星畑「…………………………弱体化してません?」
天知「………陽菜ちゃんがしっかりしてるからそう見えるだけだよ、きっと」
5回転
陽菜「今日ね、クラスで一番強いのは誰かって男子が話してたの」
姫月「ガキ臭い話題ね。そんなのと一緒にいると脳みそにしわが増えるわよ?」
凛「脳みそってたしかしわが多い方がいいんじゃなかったでしたっけ?」
姫月「じゃあアンタの脳はソチ五輪開催できるくらいツルツルよ」
凛(ソチ五輪開催できるのはソチだけなのではないだろうか)
陽菜「それでね、ちょっと思ったんだけど私たちの中で一番強いのは誰なんだろって思って」
凛「そりゃあ天知さ」
姫月「私に決まってるでしょ?」
陽菜「あ、意見が割れた」
姫月「アンタ……」
凛「ヒ!す、すいませんエミ様!……で、でも!流石にこれは天知さんですよぉ!」
姫月「天知なんて図体でかくてちょっと飛んだり跳ねたりできるだけじゃない。ドスで刺せば死ぬでしょ」
凛「いえいえ!!そもそもそのドスが刺せないですよ!驚異的なスピードで躱されちゃいます!!」
姫月「無駄よ。寝込みを襲うもの」
凛「無理です!驚異的な反応速度で素早く起きてカウンターキックで相手の首をへしおっちゃいます。こんな感じに……」(←ぴょこんと低学年のソーラン節みたいに片足を上げる)
姫月「アンタ今私の首を折ったの?」
陽菜「でも、エミちゃんこの前『私はどんな男とでも寝ることができる』って言ってたよ。一緒に寝ちゃったら刺しほーだいだと思うけど」
凛「しょ、小学生相手になんてこと話してるんですか」
姫月「ヒナアンタ今良いこと言ったわ。そうよ、天知なんて軽くねんごろになってブスリよ。はい死んだ。私が最強」
凛「見ず知らずの間柄ならともかく、深いご関係になった今では…いくらエミ様と言えど天知さんをたぶらかすことはできませんよ!!」
姫月「はあ!?アンタもしかして……いつまでも処女こじらせてる雑魚の分際で私の魅力にケチ付けたっての!?」
凛「ち、違いますよぉ!私は、天知さんが二回りも年下の、知人とその……そういう関係になることは無いって思って……そう!これは天知さんに対する信頼です!!」
姫月「ど~だか……ああいうタイプは結構ムッツリでとんでもなくマイナーなプレイせがんだりするのよ。首絞めとか、目隠しとか……案外離婚の原因もそれじゃないの?」
凛「そ、そんなわけないでしょうが!!」(反旗)
姫月「天知がどんな性癖かはともかく……軽く隙を出したら涎たらして襲ってくるわよ。どんな男でもね。それこそジャムおじさんとかそこらへんでも行ける自信あるわ」
凛「ううう~………無理ですぅ!天知さんは絶対無敵紳士ですぅ!!性には奥手で…照れ屋で、それでも赤くなりながら必死にエスコートしてくれるんですぅ!」(願望)
陽菜「そうかなぁ……私、天知さんと一緒に寝ちゃう自信あるけどな」
姫月・凛「!?」
凛「いや、それは無理ですよ……フツーに誰でも、黒川さ……星君でも無理ですよ」(←黒川は怪しいと思ってしまった)
姫月「アンタ、自惚れは大概にしなさいよ」
陽菜「私がどうこうじゃなくって………天知さん優しいからちょっと弱いところ見せたら寝てくれると思うの」
姫月「弱みを見せたら誰とでも寝るのは優しいんじゃなくってやらしいって言うのよ」
凛「天知さんがそんなドクズなわけないでしょう!!ヒナちゃんといえど無礼が過ぎますよ!!」
陽菜「ど、どうしてそんなに怒るの?ヒナが怖い夢見てひとりで寝れなくなっちゃったって演技したら多分寝てくれると思っただけだよ?……それって悪いことなの?」
凛「あ………そ、そういうことでしたか」
姫月「ヒナアンタ、性知識備わってるんじゃなかったの?何めんどくさいズレ方してんのよ」
陽菜「?……?…どういうこと?」
凛「な、何でも無いです!何でもないです!!私たちが勘違いしてまいたごめんなさい!!……えへへそれなら確かに天知さんと寝ちゃえますね!」
陽菜「そうでしょ……えい!ブスリ!……ヒナの勝ち」
姫月「フッ……ヒナにまで負けたじゃない。天知はむしろ最弱なんじゃない?」
凛「そんなわけ!!……そ、そもそもルールがあやふやですよ!何でエミ様やヒナちゃんだけ武器が携帯できるんですか!?」
姫月「そんなもんいざとなれば獲物を使って相手の命を奪うことに抵抗があるかどうかの覚悟の問題でしょ。天知の奴はドス持ってても人に刺すなんてできっこないもの」
凛「う………ここにきて返答に困る正論を……じゃ、じゃあ武器の携帯は許可しますが、不意打ちは禁止です!お互いが敵対関係にあることを理解したうえでちゃんと戦ってください!」
陽菜「じゃあ私は勝てないかな……エミちゃんは?」
姫月「余裕よ」
凛「そ、そんなわけないじゃないですか!天知さんも命を狙われたら、流石にエミ様のドスを奪って無力化するくらいはしますよ」
姫月「じゃあ私武器ピストルに変える」
陽菜「あ、ヒナもピストルがいい」
凛「ブブー!その場合、天知さんもピストルになるので意味ないですぅ!早撃ちで勝てっこないです!」
姫月「だ~か~ら~!!天知が私に向かってピストル撃てるわけないじゃない」
凛「天知さんならきっと相手の銃を撃って弾き飛ばす冴羽遼レベルの技くらいできますよ!」
姫月「じゃあヒナを人質にとるわ。ヒナを拘束するくらい楽勝だし」
陽菜「え!?」
凛「…………そ、その場合……天知さんは……きっと殺さないまでも、再起不能になる絶妙なエミ様の部位を打ち抜いてくるはずです!」
陽菜「だって…残念でしたエミちゃん」
姫月「じゃあヒナじゃなくってアンタを人質にするわ。アンタチビだけど流石にヒナよりかはでかいし、アンタを人質にするついでに盾にすれば天知は抵抗できないでしょ。私の勝ち」
凛「ふっふっふ……その時は私は迷うことなく舌を噛み切って死にます!すぐに人質の価値がなくなった私と共に、エミ様も天知さんにとらえられゲームオーバーです!」
姫月「アッハハハハハ!!アンタがそんなに鮮やかに死ねるわけないじゃない!!ヒナ!」
陽菜「はい。では、ただいまより人質になって下を嚙み切ろうとする凛ちゃんをやります」
凛(陽菜)『ううう~……このままご迷惑をおかけするくらいなら……舌を噛み切ってしまいます!天知さん、私のことはお気になさらず!ご武運を~!』
凛「な、何か始まりました……」
凛(陽菜)『(ハミッ)うう(ハミッ)…ううう~……全然切れない……(ハミュ)ギニヤ!痛い~!うえええん血が出たぁ!!……』
凛「…………………………………」
姫月「はいバカに気をやってるうちに私バキューン……天知死亡。私の勝ち」
凛(陽菜)『ああ!!うわあ~~!!天知さぁ~~~~ん!!』
凛「も、もういいですよ!!ヒナちゃんのいじわる!!」
陽菜「え?……ご、ごめんね……バカにするつもりじゃないんだよ?凛ちゃんならこうなると思っただけで」
凛「………………………まあ、そうなるでしょうけど」
姫月「最強は私。異論ないわね?」
凛「……………………はい…さすがエミ様」
陽菜「じゃあ逆に一番弱いのは誰なのかな?」
凛「私です」
姫月「凛」
陽菜「…………まあ、そうだよね」
6回転
黒川「…………はああ」
星畑「どうしたんだよ。これ見よがしに溜息なんか吐いてよ」
黒川「さっきさ……汗かいたからシャワー浴びようとしたら、姫月が風呂場で寝てたみたいで」
星畑「え!?ま、まさかエンカウントしたのか?」
黒川「………」(←こっくりとうなずく)
星畑「マジか………よく生きてたな」
黒川「いや死んだよ。見ろよここ赤くなってるだろ?アイツ凄まじい勢いで桶投げてくるんだもん」
星畑「おお~………で?どうだったよ?」
黒川「何が?」
星畑「いやだから……姫月の裸だよ。どこまで見えたの?」
黒川「いや、ぶっちゃけなんも見えなかったよ。マジで……強いて言うならなんか白くてスラッとしてたって……もやっとした視覚情報がある……気がする」
星畑「マジか……良かったじゃん。あのレベルの女の子の真っ裸なんて金払っても見れるもんじゃねえぜ?」
黒川「いや、だからアイツ、バスタブの中にいたからなんも見えなかったんだって。あんな一瞬だったらいくら白いもの見えたってなっても意味ないって!高速で移動するハンペン見たようなもん!アレだよ!フリーザのしっぽにぶん殴られるカカロットと一緒だよ」
星畑「ンフフ……いやまあそうだろうけどさぁ。テンション上がるじゃん!そういうなんかザ・男の夢みたいなのマジであるんだって。俺ら何だかんだかなりの美人たちと同棲してるんだからさ」
黒川「お前がそういう下世話な話するのなんか新鮮だな。佐田じゃあるまいし」
星畑「んだよお前~……高校ん時は斎藤と一緒に次、クリムゾンに描いてほしいジャンプヒロインとか語り合ってたじゃん!あん時のお前の異常なネフェル・ピトー推しは忘れられねえぜ」
黒川「いや、あん時は確かに次回作は『ピトー 極』で決まりだって熱弁してたけどさ。アニメとリアルじゃ違うって……」
星畑「でもよ、姫月は滅多にそういう隙みたいなの見せないけど、須田は滅茶苦茶そういう部分見えちゃわねえ?」
黒川「は!?うっそ!?……俺、見えたことねえけど!?」
星畑「嘘だろ!?……だってあんなに…言っちゃ悪いけど俺もう須田のブラちらじゃなんとも思わなくなっちまったぜ?」
黒川「ぶ、ブラちら?」
星畑「いや、だってさ。アイツ際どいかっこしてること多いし内蔵助…スカートの時も時々、パンツ見えるし……」
黒川「ええ~……いや、それは嘘だろ。お前が目ざといだけだろ」
星畑「いやでも、天知さんも目のやり場に困る時があるってぼやいてたぜ?」
黒川「ええ!?……ていうかお前、天知さんとそんな話するんだな」
星畑「あのな……お前も須田も天知さんに対して仰々しく接し過ぎだぜ?陽菜は持ち上げ過ぎだし……姫月に関してはお前大分マシになってきたけど……」
黒川「……あの人に関しては俺は、ずっとこの態度貫くと思うぜ。そんだけ尊敬してると思っとけ。陽菜ちゃんに関しても同じ」
星畑「いやまあ……いいんだけどさ。お前、何か天知さんから妙に特別視されてる節があるし」
黒川(こいつ相変わらず鋭いな)
星畑「ちなみに天知さんは姫月が腹出してパンツ丸出しで寝てるのを見ちったことあるらしいぜ」
黒川「すげえもん見てるな……流石公式お世話係」
星畑「……姫ちゃんの意識があったら僕は生きてないって苦笑してたぜ」
黒川「ホーン……何かアイツ逆に不敵な顔して喜びそうだけどな」
星畑「いや〜……逆にキレはしないけど、顔を赤くしてべらぼうな金銭要求だけして、気まずそうに二階に上がると思うぜ。アイツ天知さんにだけは一端ぶる時があるからな」
黒川「えらい事細かだな………………………………………」
星畑「あ!今、想像しただろ!そしてちょっと萌えただろ!?」
黒川(ほんっとに鋭い奴)
星畑「なあなあ………お前さぁ…見た目だけならこの中で誰が一番好み?」
黒川「え~………何で見た目だけだよ」
星畑「だって中身込みならお前、姫月絶対選ばねぇじゃん。聞くまでもなくなるだろうがよ」
黒川「陽菜ちゃんいるじゃん」
星畑「お、お前……しれっと候補に陽菜を入れてたのかよ」
黒川「え!?あ、い、嫌!違う違う!今のナシナシ!!」
星畑「ンフフ……まあ、気持ちは分からんでもないぜ?」
黒川「…………ぶっちゃけ…ホントにぶっちゃけ言うけどさ。さっきの隙だらけとか気まずいとかの話、俺、一番陽菜ちゃんに感じること多いんだよな」
星畑「ああ~……まあ、それも分からんでもないな」
黒川「距離が近すぎるぜ。手を握ってくるし、平気で布団の中に入ってくるし」
星畑「そりゃお前はお兄ちゃんだもの。俺にはそこまで距離近くねぇぜ?」
黒川「いやいやいや……あんな美少女とは似ても似つかないモブ顔男だぜ?俺、高一のときでっていうに似てるって言われたもん」
星畑「でもよ、だからといって距離があったら嫌だろ?」
黒川「え?」
星畑「お兄ちゃんから黒川さんになって、案内する時手を引いてくれなくて、一緒に寝ろって言われても躊躇する……そんな陽菜になったら嫌だろって」
黒川「……………………」
星畑「ンフフ……どうなんだよ?はいかいいえかでっていうで答えろよ」
黒川「……………でっていう」
星畑「ヒャハハハ!!馬鹿だこいつ!!」
黒川「いや~……涙出そうになるくらい嫌だったわ」
星畑「だろ?……あ、でもさ……変なこと聞くけど、陽菜のパンツ見たことある?結構な頻度でスカートだけど」
黒川「……………………無いな。結構アクティブに動いてるけど」
星畑「だろ?アイツやっぱ生半可な女児じゃねえぜ」
黒川「ホントだな……ソファとかで足放り出して寝転んでたりしてんのに………意識してんのかな?」
星畑「知らんけど、そうなるとここの女で一番女子力高いのはちゃん陽菜ってことになるな」
黒川「俺からしてみりゃ全員が別角度に女子力高いけどな」
星畑「んで?お前は誰が一番タイプなの。陽菜ちゃん入れてもいいぜ」
黒川「あのなぁ…………」
星畑「何だよー。今更チキンのか?」
黒川「いや……チキるっていうか。そうなると、俺が選ぶのはだな」
星畑「ンフフ……うん」
黒川「…………陽菜ちゃんなんだなぁ」
星畑「ヒッヒャハハハハハハハハ!!」
黒川「………カワイイが過ぎるって……俺さ、始めて会った時、胸の鼓動がマジに聞こえたもん」
星畑「ンフフフ……マジかよ……ンフフあーオモシロ」
黒川「俺、ロリコンなのかなぁ」
星畑「そりゃ知らん……でも、まあ、相当キレイだと思うぜ。姫月とも似てるけど、微妙にタイプが違うもんな」
黒川「あ、でもさ……流石に何ていうか、そういう目では見ないぜ?いくら何でも中身が無邪気すぎるよ」
星畑「当たり前じゃ!」
黒川「それとさ……あの、今お前が似てるって言ってて思い出したけど、時々姫月が笑顔になるじゃん……そん時、あの…端的に言うと………ヤバい」
星畑「それは心配すんな!アレはかなりヤバい!」
黒川「………アイツ、常時酔っ払っててくれないかな」
星畑「ンフフ……いやお前それは浅いぜ。普段あのツンツンっぷりだからこそ、たまの笑顔が効くんだよ」
黒川「まあ、それは一理あるかもな。てか、浅いってなんだよ。お前はあみんちゃんか」
星畑「誰だよ……ってあー…何か須田と一緒に不良に絡まれてた子か」
黒川「そういやお前、あの子の騒動ん時いなかったな」
星畑「じゃあお前の好みは……ズバリ黒髪ロングの正統派美少女だな」
黒川「あー……そうでございますかもしれませんね。でっかく成長した陽菜ちゃんってことで」
星畑「大地さんじゃんそれ」
黒川「…………大地さんだわ」
星畑「姫月がさ……あの人のブラのホック外した時あったじゃん」
黒川「………う、うん」
星畑「興奮した?」
黒川「いや、全然」
星畑「じゃあ好きじゃねぇじゃん」
黒川「三十五歳だぞ?」
星畑「新垣結衣も大体そんくらいだぞ?」
黒川「いや、女優と一緒にすんなよ」
星畑「女優だぞ?」
黒川「女優だったわ」
黒川「…………アレだな。いくら見た目が超タイプでも中身が奇抜(※オブラートに包んだ表現)だったらダメってことだな」
星畑「あの人のセリフの語尾に全部35歳ってついたら絶対面白いよな」
黒川「それは残酷というか……無礼過ぎるだろ…まあ、多分笑うけど」
星畑「…………ぶっちゃけだよ?ぶっちゃけ……大地さんの恋路、うまくいくと思う?」
黒川「無理じゃね?天知さんの結婚に対する確執は何か堅そうだぜ?」
星畑「だよな……じゃあ逆に聞くけど、結ばれてほしいとは思ってる?」
黒川「それはまず間違いなく思ってるよ。あんなに人が恋してるのって創作以外で見たことなかったし、それに天知さんさえ納得してたら被害者ゼロじゃん」
星畑「だよなぁ…でもさ、何というか大地さんにはあまりにも酷だけど、あの人にはずっと天知さんに対してヤキモキしてほしいと思ってる俺もいるぜ」
黒川「『いけません星畑さん。そんな悠長なことを言っているとあっという間に40代の美魔女になってしまいます』」
星畑「35歳」
黒川「ヒヒヒヒ…やめろって」
星畑「ンフフ……やりだしたのお前じゃねえか!……てかさ、お前、でっていうの時も思ってたけど地味にモノマネ達者だよな」
黒川「まあ、声はある程度いじれるよ俺。女声も出せるもん」
星畑「すっげえじゃん。お前、斎藤〇んでチンフラ誘えるぜ?」
黒川「一昔前の中高生かよ……ていうか無理だし」
星畑「何で?……もしかしてそれもバグ起きんのか?」
黒川「うん……俺、いつも電話越しだと急に不愛想だろ?声色変わり過ぎちゃうと、宇宙人フィルターかかっちゃうんだよ」
星畑「そう考えたら大分難儀だな、お前のそれ」
黒川「まあ、基本歌声みたいに喉を作るって言うか……意識して変えない限りは平気なんだけど。大分前、家族に電話した時にうっかり鼻歌したらさ。親が『アンタ今ゲップした?』って」
星畑「へえ~……」
星畑「そういや歌で思い出したけど、須田の歌聞いたことある?」
黒川「………無い」(カラオケで薄っすら聞こえてきたけど)
星畑「ンフフ……なんて言うかダイナミックだぜ」
黒川「へ~…凛ちゃん普通に歌うだけで様になりそうなのにな。やくしまるえつこっぽい感じの」
星畑「アイツ曰くカレンOって人の歌声を意識してるらしいぜ」
黒川「ヤ、ヤーヤーヤーズかよ……それはまたパワフルな」
星畑「んでこの前、須田にせがまれてベース弾いたんだけどさ」
黒川「ああ、うんうん」
星畑「めっちゃバンドに誘われたよ」
黒川「そらそうなるだろ、お前上手いもん」
星畑「断ったけどな」
黒川「あれ?何で?」
星畑「正直、やりたいっちゃやりたいけどさ。メンバーの眼前って人も面白そうだし」
黒川「え?お前、眼前さんに会ったことあんの?」
星畑「だって俺がベース弾くようになったのは曹操さんのバンドに誘ってもらったからだぜ?二股かけちゃ悪いだろ」
黒川「あの人バンド組んでたんだ」
星畑「売れない芸人集めてマイッカーズってバンド組んでんだよ」
黒川「…………お前の芸人活動は謎が多いぜ」
星畑「それよりもいつの間にか増えてた須田の交流関係の方が謎が多いぜ。バンドっててっきりメンバー須田のみだと思ってたんだけど眼前さんの他に誰かいるの?」
黒川「え~っと…そっかお前知らないのか……まず俺」
星畑「ヒャハハハハ!!お、お前!何シレッと仲間に入ってんだよ!トラウマはどうしたトラウマは!」
黒川「うっせえ!ボーカルで誘われたんじゃい!……やんのはギターだけのつもりだけど」
星畑「でも、お前須田と大学違うだろ?」
黒川「う、うん……まあ、それもそうだけど」
星畑「で?眼前さんはボーカル?」
黒川「そんなボケをするってことはあの人の最大のアイデンティティも知ってるってことだな」
星畑「ンフフ…で?あの人は何?」
黒川「マルチ。ギターもベースもキーボードもできるんだと」
星畑「鬼龍院翔みたいなスペックだな」
黒川「んで、もう一人その人の彼氏のまみるくんってのがいる。そいつはドラム」
星畑「彼氏持ちかよ!」
黒川「凛ちゃん曰く、ボーカルさえ拾えればいつでもデビューできるらしいけど…全然募集しても来ないんだって」
星畑「須田はギターだろ?お前と被ってるじゃん」
黒川「だから俺はずっと凛ちゃんがボーカルやればいいって言ってんだよ。リズム感あるし……なのに凛ちゃんはそれなら黒川さんがボーカルの方が絶対いいって聞かなくてさ。俺、誰かに動画とられた瞬間終わるっつ―の」
星畑「勝美でいいじゃん。カラオケで聞いたけどべらぼうに上手かったぜ?」
黒川「それ凛ちゃんも言ってたわ。でも勝美さんすでに10個以上のサークル掛け持ちしてるらしくてさ。バンドみたいなしっかり目のグループだと抜けが多くて足引っ張っちゃうからって断られたんだと」
星畑「勝美とも連絡取り合ってんだな……何だ須田の奴キャンパスライフ順調じゃん」
黒川(言われてみればそうだな……人の心配ばっかしてたけど、もしかして佐田くらいしか知り合いがいない俺の方がボッキャン状態だったりして)
※ボッキャン…ボッチキャンパス
星畑「逆にお前は佐田しか友達いねぇのかよ」
黒川「うるせぇな…無理に友達作らなくても何とかなるのが大学のいいところだろうが」
黒川「…………でも、逆に何で佐田は俺とつるんでんだろ?」
星畑「そりゃあ、お前といても気を使わないからな。気楽でいいんだろ」
黒川(………前にも似たようなこと言われた気がするな)
星畑「そういや……あん時のメンバーで殿川さんだけ行方知れずだな。佐田はこの前、黒川の誕プレについて聞かれたし」
黒川「あー……そうだな………てか佐田から誕プレについて聞かれたの?」
星畑「うん。『めっちゃ遅れちゃったけど、黒ちゃんへの誕プレどうしたらいいと思う?』って……ホラこれトーク画面」
黒川「えー………っと」
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7月4日(金)
佐田真一『めっちゃ遅れちゃったけど、黒ちゃんへの誕プレどうしたらいいと思う?』
すっごいでっかい星畑『灯ひでかずの新刊一択』
佐田真一『草 了解』
佐田真一『ちなみに星ちゃんたちは?』
すっごいでっかい星畑『サプライズでやるパーチィの飯』
すっごいでっかい星畑『須田は己の脇で握った寿司』
佐田真一『誕生日パーティー!?何だよアイツ!リア充かよ!?』
メッセージの送信を取り消しました
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
黒川「お、お前!何、人の性癖勝手に暴露してんだよ!!』
星畑「ンフフ……結局何くれたの?そういえば聞き忘れてたわ」
黒川「……………ていうかアレ?アイツ、星畑が祝ってくれること知ってたんじゃん。プレゼントくれたとき何か何も知らなそうだけど、必要ないのにわざわざドッキリに乗っかったのか?」
黒川「あ、違うな…これ……日付……サプライズの当日じゃん」
星畑「そういやそうだな……それがどうしたよ」
黒川(アイツ……さり気ない風を装って、星畑たちが俺の誕プレ用意してるかの打診っていうか、仕込みっていうかをしてくれてたのか?……だってこのL○NEの時間では既に俺にCDくれてるもんな)
黒川(アイツ……何でモテないんだろ?)
星畑「おーい……どうしたんだよ?」
黒川「いや別に………お前、L○NEの名前スベってるから変えたほうが良いぞ」
星畑「ダメダメ、これラヴさんから誕プレでもらった屋号だもん」
黒川(………あの人、何であんなに慕われてんだろ?)
黒川「そういえば……佐田の最後の返信消えてんの何で?」
星畑「俺の穴子も握ってほしいって送って即座に消してた」
黒川「その行為の全てにアイツがモテない理由が詰め込まれてるな」
星畑「普通、『すし酢要らずで楽チンだな!』とかだよな」
黒川「お前がモテない理由もこのトーク画面一杯に溢れてるよ」
星畑「ンフフ……でもよ、こうやって猥談すんの楽しいなやっぱ。斎藤とつるんでたの思い出すぜ」
黒川「今の会話ってやっぱ第三者からすれば猥談なのかね…できるだけやらしさは抑えたんだけど」
星畑「定期的にやろうぜ……斎藤は連絡先知らねぇからどうしようも無いけど、佐田とか交えてさ」
黒川「そん時は鎌田くんも呼んでやったら?彼奴も相当な好き物だろ?」
星畑「アイツの仇名はヘコヘコチワワ……もしくはペニ坊だぜ。少ない付き合いでよく化けの皮見破ったな」
黒川「呼ぶって言ったの俺だけど、なんか話が生々しくなりそうだな……まあ、いいか、もう大人なんだし」
星畑「俺らって……見事に子供のまま大人になってるよな~」
黒川「ハハ……絶対戦争すればすぐ負けちゃうよ(©岡村靖幸)」
7回転
陽菜「……………………………」
天知「♪~~~~」(←いちごコンプリート)
陽菜「…………………えいっ!」
天知「うわぁ!?…………な、なに?…って陽菜ちゃんか?どうしたの?後ろから急にぶつかってくるなんて珍しく腕白な遊びだね」
陽菜「ごめんなさい……ちょっと実験したくて」
天知「実験?」
陽菜「背後から天知さんをドスで刺せるかどうか……」シャキーン
天知「……腕白って言うか物騒だね……ちょっとチクってしたのはそれがあったからか」
陽菜「うん……押したら引っ込むやつだから安心して」
天知「ハハハ……そりゃ本物だったら困るよ」
陽菜「で……刺せちゃった……私でも」
天知「まあ、後ろからならね……危険だからあんまり急にやったらダメだよ?」
陽菜「大丈夫…天知さん以外にはしないから……実験に付き合ってくれてありがと……じゃあね」
天知「ああ……うん…びっくりするからできれば僕にも控えて欲しいけど…結局何の実験だったんだ?」
陽菜「………………あ、そうだ……天知さん、エミちゃんには気を付けてね」
天知「え?何で?」
陽菜「一緒に寝ちゃダメだよ。エミちゃんが怪しいこと言って近づいてきたら注意してね」
天知「ほ、ほんとに何で!?……あ!ちょっと……ちょっとぉ!」
8回転
凛「………」♪~、~、~、~(←ギターの練習中)
星畑「……………」♪~~~~(←ベースでセッション中)
凛「あ、しまった」ポギィ!
星畑「………………」ポギィ!
凛「ちょ…ミスまで合わせないでくださいよ!」
星畑「ンフフ……思ったより引けてるともいえるし、バンド組めるほど上手くもないともいえるし微妙な腕前だな」
凛「重々承知です……うう~…まさか私以外のメンバーがみなさんあんなにお達者だったなんて…嬉しい反面、超々プレッシャーです」
星畑「黒川も言ってたけど須田がボーカルやればいいじゃん」
凛「い、いやいや!……いくらご本人が言ってるからって…安全地帯のメンバーが玉置浩二からボーカル代わってくれって言われたみたいなもんですよ!私からすれば!!」
星畑「まあ、お前がリーダーだもんな。お前がしたいようにするのが一番か」
凛「い、今思えば…それも不敬ですね……うう、かと言って黒川さんはリーダーお任せしても引き受けてくれないだろうし、他のお二人も同様だし…やっぱりもう一人…頼れるメンバーが欲しいなぁ」チラッチラッ
星畑「アホ…滅多に顔も出せねえのにリーダーなんてできるかよ!」
凛「えへへすいません……それに…実は形だけだけどリーダーはもうまみるくんで決まってるんです。一番キャリアっていうかバンド歴が長いので」
星畑「なんかマジでバンド組む流れが本格化してるんだな、お前らそっちとチーム組んだ方がいいんじゃねえ?」
凛「えへへ…それとこれは全くの別物ですよ。同じなのはどっちでも私がオマケってことくらいです」
星畑「自分からじゃない方って言うなよ。ランジャタイの伊藤ちゃんかよ」
凛「…………」キョロキョロ
星畑「どした?」
凛「い、いえ!……えへへ…そういえば星君のお部屋入ったの初めてだなと思って……ふへへ何もない」
星畑「どの部屋もきちんとしてる中で俺の部屋だけ汚部屋ってのも嫌だからな。端からモノ増やさねえようにしてるのさ。掃除機は天知さんが定期的にかけてくれるし」
凛「あ、ご心配なく!!私の部屋はめっちゃ散らかってるので!」
星畑「だから練習もお前の部屋でやってんだよ。汚いのはいいけどグロいの落ちてるのは勘弁だぜ」
凛「あ、そうでしたか…すいません……あの、星君ってグロイのどこからが苦手なんです?」
星畑「どこからって言われてもな……刃牙とか好きだけど、初期の勇次郎が一般人虐めて目玉飛び出てたりするシーンとかは嫌だったな~……何というか、そういうアクション的なグロじゃなくてよ。あるじゃんなんかほら、ホラー的なグロいのというか、スプラッター系のああいうのが無理って言うか嫌い」
凛「なるほど………」
星畑「そういやお前、天知さんに護身術教わろうと思ってたんだっって?」
凛「あ、は、はい……へへへ、優しくて知った仲の天知さんになら安心して教われると思いまして」
星畑「まあ、あそこまで危険な目に遭い続けてたら護身術の一つや二つ覚えたくなるよな」
凛「そ、そうなんですよ!!別に危険なことしてるわけでもないのに、何だって最近こんなにトラブルに絡まれるのか!!……おっかないったらありゃしませんよ」
星畑「半分はだいたい姫月のせいだと思うけどな。敵しか作らない性格してるし」
凛「そ、そんなこと!!………うう、あるかもしれませんね」
星畑「………なんかあった?」
凛「…………先日、レコードジャケットを鍋敷き代わりにされちゃいまして、でっかいシミになってました……まあ、中身は抜けてたんでいいですけど」
星畑「マジで?まあまあなことしてるじゃん」
凛「で、でも……い、いいんです!それがエミ様と暮らすってことですし!!」
星畑「陽菜はこの前、貸した本に涎のシミつけられてキレて弁償させてたぜ?人の関係性にあんま口出ししないけどさ。お前もそれくらいしたら?」
凛「はい………あ、ででで、でも……その本の、お金…出したの私ですけどね……えへへ」
星畑「はあ!?お前それは……えへへですまねえよ!それじゃパシリどころかATM扱いじゃねえか!」
凛「あ、といってもアレですよ!……エミ様の涎がしみ込んだ本を私が定価の倍額で買い取ったんですよ!?……もちろん私の意志で!!」
星畑「………………真剣になって損した」
9回転
姫月「?………無い……?」
黒川「ん?どしたの?なんか探してる?」
姫月「なんか新しく紙の敷物用意してあったじゃない。アレかわいいから気に入ってたんだけど…どこ行ったのかしら?」
黒川「………………もしかして……(画像検索中)……これのこと言ってる?」
姫月「あ、そうそう!それそれ!!」
黒川「………これ、レコードだぞ」
姫月「え?レコードって黒い円盤でしょ?」
黒川「いや、だから…それを包むジャケットだよ」
姫月「ホントに?なんか折り畳み式だったけど……どこにレコードの入る余地があるのよ」
黒川「いや、ちゃんとあんだよ、入れるところ。ちょっと現物持ってくるから待ってろよ」
~1分後~
黒川「ほら、この開くだろ?ここに入れるんだよ」
姫月「………私がラーメン食べるのに使ったやつってアンタの?」
黒川「いや…凛ちゃんの」
姫月「アイツなんかゴニョニョ『それ私の』って言ってきてたけど……それってラーメンのことじゃなかったのね」
黒川「……ラーメンのことも兼ねてたとは思うけど……まあそうだろうな」
姫月「………これいくら?」
黒川「う~……ん……凛ちゃんの持ってるのはオリジナルの奴だったから…まあ、でも珍しく帯なしだったし……それでも……8000~9000円くらい?」
姫月「高っ!!なんだってそんなすんのよ!!」
黒川「え?もしかして弁償するの?」
姫月「え?そんなわけないじゃない」
黒川「ああ、うん……だよな」
姫月「…………………………………………………………………」
黒川「…………………………………………………………………」
姫月「……………アンタ、さっさとよつばとの新刊買いなさいよ」
黒川「……………出てねぇんだよ」
10回転
天知「こうして全員で食卓を囲むのも随分久しぶりな気がするね」
星畑「前は大地さん家でしたもんねー」
姫月「だったらもっと豪華なもの作りなさいよ………あ、ちょっとヒナ!ご飯お替りするなら私の分も入れてきて!」
陽菜「えー……自分で行きなよ……」
姫月「ガキンチョの分際で口答えしないの」
陽菜「もう………しょうがないなぁ」
黒川「………そう言えば、姫月がしゃもじでご飯よそってるところ見たことねぇな」
天知「確かに……最初は僕が用意してるし」
星畑「よく言うよな。どんなカッコいい奴でもしゃもじでご飯よそってるとか、紙でケツ拭いてるとか」
凛「フヘヘへ……エ、エミ様がお尻を拭くなんてことがあるわけありません」
星畑「アイツのケツは糞まみれってことか……」
姫月「黒川、私が許すからアイツらのタマ取ってきなさい」
陽菜「はい……ドス貸すよ?」
黒川「何アホなこと言ってんだよ……陽菜ちゃんまで」
陽菜「食事中に下品なことを言うのはダメです」
黒川「しかもサバ味噌煮だもんな……って痛っ!!ご、ごめんごめん!!余計なこと言いました!!」
姫月「ちょっとヒナ!!誰がアンタレベルで米盛ってこいって言ったのよ!」
黒川「うっわすげぇ……ジャンボ盛り…ドラム島の山みたい」
陽菜「こ、このくらいフツーの量だよ!」
黒川「ていうか……姫月…お前、主役のサバ味噌が無くなってるのに何で飯食うんだよ」
姫月「あ、しまった……ノリで全部食べちゃったわ…アンタがぐずぐずしてるから」
陽菜「だから自分でやったらって言ったのに」
星畑「アホほど作ったから別にサバ味噌も追加していいぜ?」
陽菜「ホント!?」
星畑「お、おお……姫月に言ったつもりだったんだけどな」
黒川「………………姫月お前、綺麗に魚の骨取るんだな」
姫月「そお?……ま、こういう気品がいい女の条件なのよ。見なさいよ。あの凛の汚い吐瀉物みたいなサバを。あれじゃ煮込まれたサバも浮かばれないわ」
凛「えっへへ、へへへ……お恥ずかしい」
黒川「汚いっていうか……皮まで丸ごと剥がしちゃってるけど…食べないの?」
凛「は、はい……お魚の皮はカリカリじゃないと食べれなくて…ヒナちゃんどうぞ!」
陽菜「ありがと……でも、魚の皮、美味しいのに、ご飯三杯は進んじゃうくらい美味しいのに」
姫月「魚は皮に栄養が詰まってるのよ。そんなだから……」
凛「の、脳まで栄養が………ですよね……す、すいません」
天知「ま、そんなに目くじらを立てることもないんじゃない?捨ててるわけじゃないんだし」
陽菜「私がいない時はどうしてるの?」
凛「………えっと……えへへへへへ」
陽菜「もったいないよ!」
黒川「目くじら立てる気はないけどさ……確かにちょっと好き嫌い激しいタイプだよな」
星畑「何でプロフィールにはトマトとしか書かなかったのか謎だぜ」
凛「………苦かったり、すっぱかったりするものはあんまり好きじゃないんです……できるなら食べたくなくって」
星畑「須田が食えねえ食い物で古今東西しようぜ。当てずっぽうで出していって須田が食える物言ったやつが負け」
陽菜「面白そう……やろやろ」
姫月「負けたヤツ全員に10万ずつね」
天知「こらこら」
黒川「でもなんか罰ゲームは欲しいよな」
姫月「しょうもないデコピンみたいなのは嫌よ。お金が一番じゃない」
星畑「お前今、ダウソタウソの悪口言ったか?」
黒川「姫月の脳みそにデコピン浜ちゃんがいるわけねえだろ」
陽菜「じゃあ負けた人は凛ちゃんの部屋掃除ってことで」
天知「あ、それいいんじゃないかな?須田さんも散々自分の好き嫌い擦られて面白くないだろうし、ちょっとは還元してあげないとね」
凛「うぇへへへ……べ、別にそこまで気にしてないのでお気遣いなく……」
星畑「絶対に負けられない戦いが始まっちまったぜ」
姫月「え~……それで決定なの?…まあ、いいけど私負けないし」
黒川「んじゃあ、俺から言おうかな……安パイでトマトで」
姫月「うわずる……じゃあ次私、魚の皮」
星畑「シイタケ」
陽菜「え~っと……確か……」
天知「ピーマンダメじゃなかったかな?」
陽菜「あ、それ!…ヒナが言いたかったのに~」
天知「ハハハ……陽菜ちゃんが食べさせてたのが印象深くて覚えてたよ」
陽菜「え~っと……何かあるかなまだ……あ!インゲン豆!!」
凛「……今のところは全部嫌いですね」
黒川「一周したな……もう、予め知ってるのは出尽くしたか……パクチーとか嫌いそうだけど…逆になんかそういう系好きそうなイメージもあるよな……ん~……ゴーヤとか?」
凛「あ、嫌いです……ていうか沖縄のご飯って美味しくなくないですか?」
星畑「お前、その発言はゆる三蔵法師だぜ……」
黒川「ソーキそば不味いっていう奴は本当に旨いソーキそば食ったことないだけなんだよ」
天知「ハハハ……山岡士郎みたいなこと言うね」
姫月「どうせあの下らなかった修学旅行でしか行ったことない癖に随分、大口叩くわね」
凛「ううう……散々な言われようです」
姫月「そもそもウニ嫌いって言ってる時点でこいつの舌が雑魚なだけって分かるでしょ。あ、私ウニね」
黒川「あ!そうだ!!しまった!そうだよウニがあったな!」
星畑「もういよいよねえよな?……え~…オクラ」
凛「嫌いです嫌いです……筋っぽくてねちゃねちゃして…星型ってだけで七夕の時、給食で出てきたりして鬱陶しかったです」
黒川「実は俺も嫌いなんだよなオクラ」
陽菜「………美味しいのに」
天知「じゃあ僕は……さっき苦いのがダメって言ってたし、フキノトウとか?」
凛「えっと……そもそも食べた覚えがないですね」
星畑「もう一回っスね」
天知「あ、そういうルールなんだ。じゃあ……そうだな…アスパラガスとか?アレも結構筋張ってるけど」
凛「大っ嫌いです!!」
姫月「はあ!?アスパラは美味しいわよ!アンタどうかしてんじゃないの?」
陽菜「え~っと………あ、お姉ちゃんが嫌いなのとか一緒かも!里芋!!」
凛「あ……はい、ねちゃねちゃしてて…苦手です」
黒川「そこらへんダメだったらやっぱパクチー嫌いでしょ?」
凛「うへへ……あんなの食べ物じゃないですよ…トムヤムクンとかは好きですけど」
姫月「アンタ昔、弁当に入ってるブロッコリートイレに流してなかったっけ?」
陽菜「ええ……さいてー」
凛「ちょちょちょ!!それはエミ様でしょ!!自分のお話とごっちゃになってますよ!!」
姫月「あ~……そうだったっけ?」
陽菜「え~…エミちゃんそんなことしてたの」
姫月「私じゃないわよ。私のクラスのゴミ共が私の買った弁当勝手に流したの」
陽菜「え…………」
天知「………………………」
黒川(そういえば嫌がらせとかされてたんだっけ)
陽菜「ごめんなさい……」
姫月「何で謝るのよ?」
凛「えへへ……ご心配されなくてもその程度で音を上げるほどエミ様は貧弱じゃないですよ!むしろその流した犯人の家のカギを海に放り投げられてて…伝説の一つですよ!」
姫月「カギと財布とスマホと通帳ね……伝説ならちゃんと正しく語り継ぎなさい」
黒川「………ええ」
天知「……ま、まあ……そこまですればイジメなんて二度とされないかもね」
姫月「イジメれてはないわよ」
凛「あ、あと…その~……私、ブロッコリーはフツウに食べれちゃうんですけど」
姫月「……………はあ?」
星畑「はい!じゃあ、お前の負けってことで……今度掃除してやれよ?じゃあ、ごちそうさん」
天知「あ、皿洗いはしておくよ」
凛「あ、あの~!!私、エミ様にお片付けしてもらうのはちょっと!……ちょっとぉ!!」
姫月「……アンタブロッコリー食べてみなさいよ!ちょっと!誰かブロッコリー持ってきて!ブロッコリー!!」
陽菜「エミちゃん……私、エミちゃんの味方だからね?ずっと味方だから」
姫月「味方なんだったら!今からダッシュでブロッコリー買ってきなさい!!」
凛「あー!!嫌いだったかも!!私、すっごいブロッコリー苦手だったかもぉ!!だからゲーム続けましょ!!まだエミ様で決定じゃないですよ!!みなさ~ん!!」
黒川「………………今日も平和だな」
先に言っておきますが次回もこんなんです。所謂箸休め回です。早めに投稿しますね。