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この甘くない世界でこれからやっていくわけなんだけど  作者: 破廉恥
ガキのパクリやあらへんで!
43/60

中入ー7「仁丹市在住のKさんとQさんのアニメレビュー編」

 はい、おまけですが、今回はマジで単なる文章です。ですが、書いてて滅茶苦茶楽しかったです。どのくらい楽しかったかというと、ここで作った架空のアニメ作品たちの中から一つ、この作品が終わった後に書いてみようと思った程です。まあ、そもそもこれが終わるのまだ結構先でしょうけど。

繰り返しますが、ここで出てきているのはあくまで僕が今日一日で適当に作った架空の作品です。実際の作品に対しどうこう言うつもりは毛頭ありません。また、Kさんこと黒川さんがクソ生意気にも業界分析じみたことをして、結果的に作品を批判しているようなニュアンスが含まれていますが、この男の言う事は岡田斗司夫の考察くらい話半分に聞けばいい妄言なので気にしないでください。黒川のキャラクターはサブカルぶるアホだと言う事を今一度思い出していただこうと、あえて歯に何もかませず喋らせました。

①『アサシン・イン・マイ・ヘッド』(一般平均レビュー★×4.5)


Kさん ★×3.0

 異形の存在と敵対する人間を描いた現代社会が舞台のダークファンタジーテイストで、主人公はその敵対する異形の力を使って戦えるという令和における少年漫画のテンプレを丁寧に守っている作品。注目作品(というか制作会社が○○)だけあって作画はアホほど良かったが、戦闘シーンは正直チカチカして見にくい。原作では空白と見開きを巧みに使ってインパクトある描写にしていたのに、勝手に下品に脚色するのはやめて欲しいものである。まあ、SNSのアニメアイコン軍団は手を叩いて戦闘ヌルヌル作画を絶賛しとりますけども。あんな大津花火大会のフィナーレみたいな戦闘シーン見てて楽しいのか?しかもまだ一期の段階だから敵もショボいというのにっていう。これから先、出てくる強敵たちとの戦闘は一体どんなアレンジが成されるのか今から楽しみでしょうがないですわ。最終的にドラゴンボールゲームのK.O演出くらいまで誇張されてそう。

 あと、味方も敵も、主要キャラ雑に殺し過ぎ。チェンソーマンとか呪術とかのマネすりゃいいってもんじゃないぞ。いくら絵が上手いだけの量産型流行漫画でもそこはしっかりしないと。今は盛大に関係性を盛りまくったカップリングに夢中な彼奴等も一クール経てば別の農場に集団移動することをお忘れなく。


Qさん ★×4.0

 未知の地球外生命体ガウムとそれに対抗すべく作られた対策組織、通称「ガ隊」の戦いを描いた骨太なアクションアニメ。若い世代に絶大な支持を得ていると聞き、ミーハーを拗らせている私もいざ飛びついた次第なのだが、何とも壮大な仕上がりに驚いた。

 主人公ワタルの身体の中にガウムの細胞が移植され、常に体の一部がガウムのものになってしまうという設定が斬新で、物語のいいスパイスになっている。味覚や聴覚がガウムのものになって日常生活でコミカルにあたふたする反面、戦闘では一部分しか強化されずもどかしい思いをするという緩急の付け方が非常に魅力的だ。また、本来なら人体実験されてもおかしくない身であるワタルが、彼を信頼し、評価するチームメイト及び上司によって支えられ、一般人と何ら変わらない楽しい生活を送っていることが何とも喜ばしい。だからこそ、そんなワタルの良き理解者であった初山さんが殉職した際には涙が止まらなかった。やはりガウムとの闘いは一筋縄ではいかないのだなと思わざるを得ない。手に汗を握る展開が続いて心臓に悪いが、スピーディに展開が進み、新たな謎が生まれては消化されるため、リモコンを押す手が最後まで止められなかった。当然、最終回まで楽しませてもらったが、今から続きが見たくて仕方がない。今、発売されているというコミックスを買おうか否か、真剣に考えている。




②『Fランスキルしか覚えられない体質故に無能と嘲笑われた俺がFランスキルを500万個覚えて世界最強になる話』 (一般平均レビュー★×3.0)


Kさん ★×1.5

 日頃お世話になっている人に一緒に見ないかと誘われなければまず見ないであろう地雷臭の凄いタイトルからひねり出された超ド級の一本糞。ある意味ここまでタイトルからうんこの匂いをプンプン臭わせててくれているのはありがたい。まあ、舞台がテンプレ異世界の時点で見ねえけど。そもそもギルドだとかスキルだとかそう言った単語が出てくるアニメが増えすぎている。いくら設定が呑み込みやすいからってそんな類似品ばっかり見てたら脳が腐る。観光地に行ってチェーン店の飯屋に入るような奴になる。

 まあ、それは置いておいて肝心のアニメ本編だが、これがひどいなんてものじゃない。まず嘲笑われると言っても限度があるだろ。石投げられたり、モンスターの巣窟に置き去りにされたり…あとあと「ざまあ」するためとは言え、その撒き餌が雑過ぎる。水槽が濁るなんてもんじゃない。タイトルで宣言している通り主人公は「精神と時の部屋」的空間でスキルを学びまくり500万個というバカげた数のスキルを覚えて、それを組み合わせてAランクだとかSランクだとかの冒険者に勝っていくのだが、言わばポケットが故障しないドラえもんみたいなもので、500万個というバカげた引き出しから後出しジャンケンでひょいひょいスキルを出すもんだから戦闘に何の面白味もない。50個とかなら事前に読者に覚えさせて組み合わせる楽しさを共感できるんだろうが、なんせ500万個だ。聖書全文暗記するよりも大変だろうに主人公はよくもまあ、噛まずにスキル名をペラペラ言えるもんだ。ロープを生み出す能力を使った3週間後に手からツタを出す能力を主人公が使った時は驚愕した。こんなアホな設定すら使いこなせないくせに良く単行本化までこぎつけたな。ていうかよくこんなもんアニメ化しようと思ったな。そんなに今って面白い漫画無いのか?ヒロインの一人がちょっとタイプだったのでお情けでプラス0.5。


Qさん ★×3.0

 面白くないとは言わないが、全体を通して少し説明不足な印象を覚えた。まず本作の世界はRPGのような魔法を使ったり、魔物が出てきたりというものだというのは何となく分かったが、冒険者という職業がギルドと呼ばれる仲介所を経由して何らかの依頼をこなすものだという説明が無いままに主人公アルクがリストラされてしまっている。おかげで、アルクが本当に言われているように「無能」なのかも判断できず、着いていけなかった。その後の度を越えたハラスメント行為は確かに許せないことであり、アルクの心中も察せられるが、その後の私刑じみた展開は正直、あまり快く感じなかった。

 そもそも命に係わる仕事をしているのだから、力が足りなかった冒頭のアルクをプロジェクトから外すことは仕方が無いことに思える。「無限の回廊」を偶然発見し、力を得たその後もアルクはないがしろにされ、それ故に彼も復讐心を捨てられなかったのだろうが、己の実力をしっかりと仕事仲間にアピールすることも大切な仕事の一環ではないだろうか。他人のせいばかりにせず、自分を快く思ってくれる友人たちとの交流だけで満足せず、彼らを突き放す前にもう一度しっかりと歩み寄ればあんな暴行を加える必要もなかったのではないだろうか。勿論、アルクをモンスターの巣窟に置き去りにしたドミニパには真っ当な法でもって応対すべきだと思うが。

 一先ず『無限の回廊』の存在を大勢の冒険者たちに伝えるべきではないだろうか。それだけでアルクには歴史の教科書に載るほどの偉業がついてくる事だろう。それをしない背景には失礼ながらやはりアルクの利己的な性格と屈折した実力主義の影響が大きく出ているのではないだろうか。女友達たちと楽しくバカンスをしたり、農作業に勤しんだりと是が非でも冒険者として名を上げたいという願望があるとも思えないし、最強にこだわるのはやめてみるのはどうだろう。




③『ドツボ・ガールΩ』(一般平均レビュー★×4.0)


Kさん ★×3.5

 陶芸に目覚めた女子たちが織り成すコメディ作品。まあ、こんなもんだろうなと思って見て、こんなもんだったので満足と言えば満足。赤色の髪の娘が縄文土器マニアなのはいいんだが、だからと言って陶芸活動中以外は土偶のマスクをかぶってるっていうのはいくら何でも電波キャラが過ぎないか?と思った。思うだけでクレームを入れるほどじゃない。全体的にそんな感じ。ツッコむだけエネルギーの無駄というか。強いて言うならエンドカードでカヅホ出てきて興奮した。


Qさん ★×4.5

 若い学生たちが意気揚々と陶芸という伝統を学び楽しむというだけで、わびさび大好き中年の私としては非常に嬉しいというのに、そんな奇特な趣向の少女たちが4人も同じ高校内に居るのだから素晴らしいことである。さらにさらに、彼女たち一人一人が何とも天真爛漫で心優しく、見ていて心を洗われるようである。

 まず唯一の先輩である信楽さんだが、彼女は祖父が高名の陶芸家であるが故に一人だけずば抜けてスキルが高いにも拘らず、それを友人たちに誇示することなく、反対に材料や施設を譲り渡しているのだからたまらない。納得いかない壺ができた際にだけ鬼のように険しい性格になり、叩き割って処分するまで暴れ続けるところもプロフェッショナルである祖父の血を濃く継いでいるのだろうなとクスリとさせられる。

 次に常に遮光器土偶のお面をつけ続けている少し不思議な清水さんだが、そもそも縄文土器をこよなく愛するという性格が個人的には何とも(妙な言い方だが)頼もしい。その年齢であの渋みが分かってしまうとは末恐ろしい少女である。あのお面はすぐにグッズとして販売した方がいいと思う。私も四六時中付ければ彼女の豊かな感性にあやかれるだろうか。

 そして清水さんの幼馴染で彼女に巻き込まれる形で陶芸活動に参加した明石さん。彼女はクールなツッコミを入れて場を納めてくれるだけでなく、陶芸というものは決して楽しいだけのものでは無いと言う事を他の愛好者たちに代わって我々に伝えてくれている。これにより、より陶芸活動に勤しむという本作の持ち味を活かせているように感じる。最初は単なる付き添いという感じだった彼女が口縁の角度にこだわり始めたときには、陶芸教室程度の経験しかないずぶの素人の私でも思わず口角が上がってしまった。何かに熱中し始める人を見るのは何とも楽しいことである。それが活力あふれる学生さんなら尚更だ。

 さて最後に、陶芸を作るのも買うのも大好きな主人公。瀬戸さんだが、彼女と言えばやはりあの名言、「人の心なんてちんけなモノとあの美しい瀬戸焼を重ねるんじゃねえ…ですわ!」である。まさかあいだみつおに噛みつくとは、その恐れを知らない程の陶芸愛。ぜひとも大切にして欲しい。そして実家がお金持ちなのは良いのだが、もう少しだけ、本当に少しだけでいいからもう少し自分のお財布も大切にして欲しい。

 そんな4人による陶芸活動が熱いものなのは言うまでもないが、瀬戸さんがはしゃいで明石さんが突っ込んで、それを信楽さんがゆったりと見守って、最後に清水さんが一言で締めるという掛け合いが何とも心地いい。ずっと見ていられるというか、ずっと見ていたい。今、私は作品の焼き上がりを待つ彼女たちのようなホクホクとした心持ちでAmaz〇nからブルーレイボックスが届くのを待っている。




④『脊椎に来るぜ呪い』 (一般平均レビュー★×3.0)

 

Kさん ★×5

 ジャンプ・スケア系のホラーアニメかと思いきやのぶっとびギャグのオンパレードには本当に楽しませてもらった。結構ホラー作品に関してはマニアであると自負していたが、それでも伝わらないネタが多数あるほどマニアックで、その重箱の隅をつついてくる感じが妙にツボで超面白かった。5分という短い時間ではあるが、どっかの500万スキルアニメと比べてストーリーの重厚感が500万倍増しの満足感である。マジで500万期やって欲しい。あと、そういう観点で見るべきではないかもしれないけど座敷童のひっぴちゃんがマジでドストライク。あの持ち帰りたい可愛さは俺くらいしか理解できんやろとタカをくくってたら、P〇xiveでアホほどイカガワシイ二次創作が湧いていて驚いた。日本捨てたもんじゃねえよマジで。ひっぴちゃんがちょこまか動いてボケまくると言うだけで★を4つはあげられるのにそれでいて癖になる面白さがあるんだからたまらない。久しぶりにガチでハマるアニメに出会えた。


Qさん ★×4

 チャラ男大学生の晴夫がその場のノリに巻き込まれる形で心霊スポットへと赴いてしまいそこで悪霊に憑かれるという冒頭をシリアスに描き、思わずオカルト好きな知り合いを呼んでこようかと思ったほどの緊張感だったが、そこから急にシュールな…よく分からない展開のオンパレードが始まった。悪霊のキミコさんはずっと恐ろしいビジュアルのままなのに、雰囲気が変わるだけでここまで普通に見れる存在になるとは、印象操作って大事なんだなと思った。晴夫の尿管結石が勾玉の形をしているというだけでありとあらゆる呪を無効化してしまうという序盤の設定から呑み込めなかったので以降は理解を諦め、ノリと雰囲気を楽しむことにした。5分という短い尺をかなりの早口でスピーディに走り抜けるため一層のこと中身に集中できなかったが、座敷童のひっぴちゃんが『来る』の柴田理恵に憧れて暴れまわる回だけはお腹に虫でも湧いたかな?というほど笑わせてもらった。普段からかわいい顔をしてポップに毒を吐く困った子だったが、あそこまでお転婆が過ぎるとむしろ愛でてしまいたくなる。アニメに詳しい友人がここ数年であるかないかの大傑作と絶賛していたので、私のような素人には到底理解できない緻密な魅力が詰まっているのだろうと思う。




⑤『あの誘蛾灯の下で待ってる』(一般平均レビュー★×3.5)


Kさん ★×4.5

 街シネマでしかやらない邦画見てるみたいな感覚になれる良作。ひたすらに重い雰囲気で見目が派手なキャラクターもいないけれど、それでも思わず見てしまうと言う事は、それだけ脚本が優れているのだろうと思う。自分では余りにも釣り合わない人気者の男子に惹かれる女子と、そんな女子に罰ゲームで告白することになる他クラスのイケメン。当然、好きな人がいると断る女子に対し、イケメンは理不尽に憤り、気が付けば粘着質なストーカーになってしまう。ここまでは単なる悲劇のヒロインだった主人公だが、イケメンが自身のストーカーとなったことに仄暗い愉悦を感じ、調子に乗り始め、徐々に純粋で心優しかった彼女が汚れた性格になっていく。そんな彼女の心と反比例するように、地味だった主人公は垢抜け、いつしか想い焦がれていた男子と気軽に話しても違和感ない存在にまで成り上がった。愛とは何なのか、彼女たちを歪ませたもの、そんな彼女たちを惹きつける光とは何なのか。人生などとおおげさなことを言うつもりはないがこの作品を見たものでないとたどり着けない感覚を味わえる。


Qさん ★×無し

 情けない意見だが、明らかに自分に合わなそうな作品、というか目に見えて暗い作品は見ないようにしている。本作も然り。近年実写映画になるようだし、どうしても気になった際はそちらを見ることにしようかと思う。





 

 







次回から3話に渡って長丁場なお話をやります。最近無駄にシリアスな展開が多かったのを個人的にかなり反省しているので(特に浮浪者が入ってくる回)次回は真面目なシナリオでも基本ボケ続けようと思っています。取り合えず犯罪者はしばらくお休みです。

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