シュガーズの音盤パンフレット~第六章~
1.『僕は天使ぢゃないよ』あがた森魚 大瀧詠一
あがた森魚が監督を務めた映画兼そのサウンドトラック。収録曲の多くは大瀧詠一とあがた森魚が務めており、基本どの楽曲も本人たちのオリジナルアルバムにも収録されている。細野晴臣や松任谷正隆がメンバーで知られているバンド、ティン・パン・アレーによるインストも収録されている豪華なサウンドトラック。また映画原作は林靜一による漫画『赤色エレジー』であり、アルバムのジャケットも彼が手掛けている。ちなみに大瀧詠一とあがた森魚は映画のキャストとしても登場している。
その①「バカな子どもがふざけて駆け抜けるコト」
1.「空洞です」…『空洞です』ゆらゆら帝国
日本が誇るサイケ三人組ゆらゆら帝国による11枚目のアルバム(インディーズ含む)。ゆらゆら帝国は本作を持ってバンドとして「完成」されたとして解散している。「空洞」をコンセプトに作られた本作はほかのアルバムに比べ群を抜いてアルバム一枚を通した統一感が際立っており、邦楽ロック界でも随一の評価を得ている。少し前にTwitter内の所謂「音楽通」たちによってひっそり行われた邦楽名盤ランキングでは100もの名盤たちの中で『風街ろまん』を抑え一位に君臨した。
その②「泥だらけになって天邪鬼な気持ちゆらゆらゆらすコト」
1.『SWEET 19 BLUES』安室奈美恵
言わずと知れた沖縄生まれの歌姫、安室奈美恵の全盛期である90年代に出された2枚目のアルバム。シングルカットされる表題曲を始め、「Chase The Chance」や「You`re my sunshine」など日本人ならまず聞いたことがあるであろう定番曲が多数収録されている。
2.「ジ・エンターテイナー」スコット・ジョップリン…『スティング』(サウンドトラック)
アメリカが誇る元祖大どんでん返し映画『スティング』のサウンドトラック。メインテーマに当たる「ジ・エンターテイナー」は作中でも言っている通り、作曲家スコット・ジョップリンが手掛けたもの。日本では『いきなり黄金伝説』での調理シーンなどで用いられ、広く浸透している。映画でも曲名でもピンとこなかった方も聞けば分かるのではないだろうか。どうでもいいが…本当にどうでもいいが、作者はこういうどこかで聞いたことがあるものの名前が判明する瞬間がこの上なく好きである。
3.「Yureru」…『Kimons』キモノズ
ナンバーガールやザゼンボーイズで知られるミュージシャン向井秀徳とMETAFIVEのLEO今井によるユニットコンビ、キモノズのファーストアルバム。というより本作が唯一のアルバム。和の雰囲気とポストパンクという向井らしい世界観と耳触りの良いテクノ音が心地いい絶品アルバムである。細野晴臣の楽曲「Sports man」のカバーも収録されている。