シュガーズの音盤パンフレット~第五章~
1.『キングサーモンのいる島』六文銭
小室等がリーダーを務めたフォークロックバンドのセカンドアルバム。はっぴいえんどや高田渡でお馴染みのベルウッド・レコードの創始者三浦光紀がプロデュースを務めており、会社だけでなく日本ニューミュージック史を代表する名盤である。バック演奏は同じくベルウッドの名バンド、はちみつぱいが担当している。
その①「盲いた獣を呼び出せ邪教の儀式に狂えるコト」
1.『東京は夜の7時』矢野顕子
『長月 神無月』に次ぐ2枚目のライブアルバム。渋谷公会堂で開催された「ト・キ・メ・キツアー」を録音したもので、当時の旦那でもある坂本龍一始めYMOメンバーの他、コーラスに山下達郎が参加しているなどバックが豪華すぎるライブである。メンバーそれぞれの紹介を兼ねたソロ演奏も行われ、アルバムではラストのトラックに収録されている。
2.『ライブ』村八分
日本語詞ロックの表のルーツがはっぴいえんどなら裏のルーツが村八分である。ローリングストーンズを意識した重低音なサウンドと放送倫理や常識観念を無視した歌詞やパフォーマンスでその活動歴や発表作品の少なさとは裏腹に邦楽界で多大な評価を受けてきている。ライブ音源での収録が基本的なスタイルであり、ライブアルバムというよりアルバムがライブのモノのみなのである。
3.『暗黒の饗宴』ブルー・オイスター・カルト
死神のジャケットが印象的なブルー・オイスター・カルトのライブアルバム。バンドの代表曲が目白押しのスーパーアルバム。特に日本の棒怪獣映画にインスパイアされた楽曲「ゴジラ」ではボーカルのエリック・ブルームが慌ただしく臨時ニュースを片言の日本語で読み上げる様を堪能できる。ちなみにこの楽曲が邦画版ゴジラで使用されることはなかったが、人間の方のゴジラの入場曲として用いられていた。作中で凛が勝手に「死神盤」と呼んでいるがそんな呼称は存在していない。
4.「陰獣」…『人間椅子』人間椅子
第一章でも記述したが、人間椅子がインディースにて発表したファーストアルバム。一曲目を飾る「陰獣」は初めてバンドがイカ天に出場した際に披露して絶賛を受けた曲でもある。歌詞の発音に厳しい審査員の中島啓子から「聞き取りづらくてよかった」と評されるほど過激な歌詞である。今なら歌詞が聞き取りづらいとか関係なしに放送できないだろう。日本の近代文学、特にバンド名からもお察しの通り江戸川乱歩の影響を多大に受けており、本作も乱歩の同名小説からきている。
その②「ぼくらはみんないきているコト」
1.『ブルー・キングダム』パール兄弟
兄弟という体で活動している80年代のテクノバンドによる3枚目のスタジオアルバム。収録曲である「地上げ屋ストンプ」は坂本龍一の作曲である。テレビアニメ『N・H・Kにようこそ』のサウンドトラックを担当していることでも有名なバンドである。間柄はあくまで兄弟であり、メンバーが抜ける場合も脱退ではなく「勘当」である。ちなみに勘当されたギターの林部直樹は米米CLUBの2代目メンバーBEである。だから何だという話だが、凛が蛇に付けた名前のもう一つの方、アオイロスネイクという名前はロックバンドのホワイトスネイクからきている。