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この世界の管理を任されたら!?  作者: ちぼりん
本章「初代異能者の軌跡」
5/19

異能者の同盟形成

あれから程なくして、全世界では大気圏内の核実験が禁止される。

だが、地下核実験はアメリカやソ連などの大国が継続していた為に異能者は知らぬうちに量産されることになる。


大気圏内の核実験が禁止された時点での地球上の異能者と思われる人数は約300名ー。

約400回の核実験が行われ、そこから300名の異能者が生まれた計算になる。

75%ほどの確率であることは、これまでの傾向からも分かっていた。


キンメリー自身は更に危惧感を強めていく。

あのソ連で起きた大規模な核実験から出力は落ちているものの、小型化や水爆をはじめとした技術の高度化はかなり進んでいる。

エネルギーを取り出して文明に活用するのであれば何も問題はないのだが、人間達はエネルギーを取り出そうとはせず、単純に文明破壊、あるいは外交の道具として利用しているにすぎない。


「このままでは、世界は終わる。他に散らばっている異能者も自身で感じているのではないのか。」


最初の異能者たるキンメリーが感知しているのだから、他の異能者が全く感知しない、という保証はない。

異能のレベルに度合いはあれ、地球を生み出した宇宙空間のエネルギー源に触れているのだから、地球上で発生した事柄に対しては誰よりも敏感に感じ取れるはずなのだ。


だが…、肝心の代行者はいつも地球規模での影響から物事を捉え、人間世界規模での影響は常に後として物事を捉えている。

キンメリー自身は地球規模と人間世界規模の差は徐々に縮まっていると感じており、人間世界規模で影響が出るものが地球規模で影響が出る内容に直結しかねないと考えていたからだ。


そして全世界に300名程度とはいえ、重力で星と星が引かれ合うように、異能者同士も引かれ合う運命にあった。

異能者同士の接触はまだ数件程度しか発生してないが、これからは徐々に増えていくだろう。

最初の接触で、互いの異能者はお互いを信用してなかったようだが、徐々に信頼関係を構築し、行動を共にしていた。

別の地で発生した異能者同士の接触も同じだった。


接触内容や行動原理を見ると、人間社会に対して憎悪を持ち、同様の目標を持つがゆえに、単体で行動していた異能者が集まり、グループ化している様相が伺える。


そして、さらに数十年の時が流れ、あらゆる核実験が禁止されることになった。

キンメリー自身は異能者がこれ以上量産されることはなく、安堵したものの、既に全世界の異能者数は1500名ほどに膨れ上がっていた。


そして、各国で形成されていた異能者のグループ同士も繋がっていき、巨大化していく。

お互いを助け合い、理解し合う側面もあったが、後から別の目的が肉付けされようとしている。


「この醜き世界を一度リセットしようではないか。そして新しい世界は我々が構築するのだ。」


ついに大きなグループ内のリーダーが声を高らかに声を上げ、周りの異能者に呼び掛ける。

異能者も同調し、人間社会に対する復讐の準備を進めることになるー。


ようやく青年の体に成長したキンメリー。

誕生してから約50年が経過していたが、かなり若々しい身体を保っていた。

代行者の側にいる以上、状況を常に監視し、陰から見守るという仕事を常に遂行しなければならなかった。

だが、そろそろ代行者から独り立ちして、この動きを止めなければならないと判断していた。

キンメリーは代行者のもとに赴いて、意見を具申するのであった。


「父上。このままでは異能者達が人間社会に対して宣戦布告をすることになります。異能者それぞれのレベルの度合いはありますが、中には人間社会を破壊させる力を持つものもいます。私に一度動きを止める許可をください。」


代行者はしばらく考える。

通常であれば地球規模に影響が出る内容ではないと判断するところだが、キンメリー自身の成長を促す側面もあると考え、許可を出すのであった。


「裁可は降りた。さて、どうやって止めるものか…。」


最初の異能者キンメリーと人間社会の異能者達との初接触がこれから始まろうとする。

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