予言
「………」
ここは三次元空間ではなく、遥かに高次元の空間。
様々な色が入り混じり、混じる都度にオーロラに近い光が放出される場面は三次元空間ではまず見られない現象で、かなり幻想的である。
遥か昔から地球を運営している管理者がここに鎮座する。
管理者は微動だもせずに、目を瞑りながら未来を見通している。
「………」
「副盟主様?」
副盟主様と呼ばれる管理者が鎮座している箇所には垂れ幕がかかっており、姿を外から直接見ることはかなわない。
そこから長く伸びた階段の下には管理者自身が地球運営の代行として選んだ生命が控えている。
「副盟主様?突如お呼びになられまして、何か気になることでもございましたか?」
「……地球に危機が迫っています。今すぐではありませんが、地球の現支配者たる人間では対処できない大きな災いです。貴方でも苦労するでしょう。人間には力を与え、協力し、対処の準備をなさい…。」
そう言い残し、副盟主様と呼ばれる高位存在は垂れ幕の向こうで光となり消えていく。
「……!?」
これまでにも危機は地球史の中で数え切れないほどあったが、人間が作りだした今の近代文明でも対処ができない危機となると相当なものだ。
かといって危機の正体も何もわからない。
予言されたものにたいして手探りで対処の準備を進めていく生命体。
形は人間そのものだが、地球上で生まれた生命ではなく、遥か昔、星と惑星しかなかった時代に副盟主様が自身の代行者として数多の星から作りだした存在であり、神代からは代行者と呼ばれてきた。
人間を進化させ、遥か長い時から見守ってきた存在でもあり、人間自体にかなり愛着もわいている。
管理者から代行を任されている身の為、生命体創出と滅亡に関与するほどの強大な力、権限を有するが、彼自身は争いは決して好まなかった。
ただ、脅威を排除、もしくは副盟主様の命により、その力を行使してきたことは何度もある。
もちろん失敗したことも数知れない。それでも人間をある程度導いてきたつもりだ。
ただ…、今回は嫌な予感がしてならない。
代行者は苦悩しつつも考えながら高次元空間を後にし、地球に降り立つのであった。




