社長 with 研究室の愉快な仲間たち 1
俺らの社長は、高校卒業と同時に高専の幼馴染と共に会社を立ち上げ、たった数年で世界をまたにかける大企業にまでに成長させたスーパーマンだ。
おまけに顔もスタイルもよく、人望も厚い。
俺の顔もそんな悪くはないと思っているが、社長のように人間離れした美しい顔立ちではない。
まあ、あまり人間離れしすぎているとそれはそれで大変らしいが・・・
俺らの社長も例外ではなく、たった今ある危機に直面している。
「・・・」
「いつまでここに居るんすか・・・?」
社長は今、研究室で俺の向かい側に座っている。
体育座りで
「っていうか、いいんすか?仕事は」
今日は休み明けの月曜日、特に忙しい日だったはずだ。
「・・・だってさ、宮くん。-
詩織さんが可愛すぎてお仕事できないんだもん。」
「・・・」
詩織さんというのは社長の秘書をしている人だ。
いつも長い髪を一つにまとめ、黒のパンツスーツを着ている。
美人ではあるが無表情で有名で、俺が見るにいかにも恋愛に興味のかけらもありませんといった感じの女性だ。
そんな女性に俺らの社長は・・・
恋をしている
「なにがそんなにいいんすか?」
「背が低いことを気にして3cmのヒールを履いているところとか、実はぐんまちゃんが大好きだけどそれを必死に隠しているところとか、小学生の時に左利きなのをからかわれて頑張って右利きにしたところとか、弟のことが大好きで週1のペースで帰省しているところとか、友達がくれたストラップは全部大切に保管してるところとか、料理が苦手なところとか、寝癖を直すのがめんどくさくて一つ縛りにしているとことか、難しい本を読んでいそうで実はジャンプを読んでいるところとか・・・以下略
詩織さんの良さがわからないなんて!!宮くん、病院に行くかい?」
「あんたは、警察に行けっ!!」