アステマとフェスの残念乳対決。ファイッ!
「あっかーーーーん!!」
両腕を天に突き上げ、崩れ落ちる動作をするアステマ。
そのまま、ぱたりと倒れた。
……オレのモノマネだ。
「ぷっキャハハハハハ!!」
すこし間があり、その場で転げ回る。脚をパタつかせて、涙までうかべてわらっている……。こころの底から愉しそうだ。じっさい愉しいのだろう。
「……そんな、ダイスケさんにわるいですよ」後ろをむいてちいさな肩を揺らしているニケア。
「アステマどの。いまのは面白かった」真顔でサムズアップをキメるフェス。
そんな2人のリアクションに気をよくしたのか、アステマのモノマネは続く。
「あっあわわわわ……あっかーーーーん!!」
数度目のモノマネで『あっかーーん!!』の前に溜めが付いてきた。モノマネでありがちな、アレンジがつよくなってくるというやつだ。
さらに数度くりかえすと――
「ぶうぁ゛ああああああああ! にーけーあーーーーー!!」
胸を苦しそうに押さえて、すこし高い場所から身を投げるアステマ。3回転ひねりまで加わっている。
「おいアステマ! もはや原型ないだろが! 格ゲーの負けキャラ台詞みたくなってるだろが!」
抗議するオレ。モノマネの進化はやすぎ!
「ぷっ……そんな」
「アステマどの、もうやめて! ……ククッ」
「でもマヌケ感がでてないなー。あたし的には鼻水を垂らしたほうがいいかな……マヌケなダイスケはどう思う? マヌケの権威として」
……こいつ、調子にのりやがって。
とはいえ、アステマが飽きるまでのしばらくの間。オレのモノマネ大会は続いたのだった。
☆
「ところでニケどの」
「なんですか?」
「さきほどダイスケどのが、お主を『嫁』と紹介したのだが……。それはどうであろうか?」
「? 言葉の意味がわからないのですが」
「うむ。言いにくいのだが……ニケどのは幼すぎる。やはり、わらわのように、胸の大きな大人の女になってからでよいのでは?」
「いいこというね! そうだよニケ。あんた子どもなんだから、身を退きな!」全力でのっかるアステマ。
「ふむ、アステマどのは、まずまずの様じゃが……それでも、わらわの巨乳に比べれば霞む」ジトとした視線をアステマにながすフェス。
「は? それはなくない? たしかにフェスもまぁまぁ……あるみたいだけどさ。あたしの爆乳に比べちゃうと、相手がわるかった」そういうアステマの額には汗。
「むー肩がこるのう。巨乳すぎて辛い」
「あ、そのまえにあたしも肩がこるー。爆乳は罪」
……きゅうに肩がこる2人。
「たしかにアステマどのの胸。ライバルとして敬意をもつ」
「そうだね。あたし達、いいライバルになれそうだね」
……いや、なんの勝負! どっちも無いからな!!
胸を強調ポージング対決をしている2人。でもぜんぜん強調できていない。無い袖ならぬ、無い胸は揺れぬ。全力でニケアを見下しているけど、フォルダでいうとおなじ残念系だからな。君たちの胸の大きさの差なんて誤差だから。ヒロインバリエーションの原則でいくと、ほんらいは誰かチェンジだから。それじゃあ需要を満たせないから。……それにしても、おなじ闇属性同士だからか知らないけど。きみたち仲がいいね。
「また、その話ですか……ニケは子どもじゃありません! それに、胸の話だって……ふふ」
2人の煽りに不敵な笑みを返すニケア。まるで『低レベルな争いはお止めなさい』といった様子を、言外にほのめかす。こんかいは怒らないのかな? どうしたんだろう。
「む、なんじゃその態度」「は、なんで上から目線?」
「よく考えたら、ニケには保証があるのですよ。そのことを思いだしました。ふふ……いまに、みていてください。ダイスケさんもおたのしみに!」
ズビシ! とオレを指さすニケア。
保証? ニケアの胸が大きくなるなんていう保証があるのかな? なんのことだろう?
「ニケ! よかった! 無事だったのですね!!」
そのとき『保証』が、オレ達の目の前にあらわれた。




