表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/74

ニケアVSアステマ。碧と紅の激突 バトル3

「まずは! おまえからだ!!!!」


 ニケアがそう叫び、生やした《氷剣》を構えた瞬間――


「キャハハ! くらえ!」アステマが両手の火球を合わせて放った。躊躇ない先制攻撃だ。



 ――爆音。衝撃。



 部屋に再び塵が舞う。本気でオレのエルフ嫁に攻撃魔法を放ちやがった!


「いまのは……グラゾーマではない。グラだ……」


 中二ポーズをキメて、そんなことをいうアステマ。完全に自身の勝利を確信している様子。それ、何ネタ? っうか……そういうの、いらないから! 

 

「!? ニケア大丈夫か!」


 ブウウウン。


 ――!?


 舞う塵のなかに2本の青白い光が確認できる。おくれて小柄な人影がたっている……どうやら無事なようだ。よかった。オレは胸をなでおろす。


「!? ニケア?」みると、《氷剣》を生やした左手刀が跳ね上げられている。まさか? 火球を切り裂いた!?


「……魔法の威力は、その術者の魔力によって左右される。つまり、あたしのような高い魔力を有する者が放った炎球は、低い魔力の人間が放った炎球とは比べものに――って、ええっ!?」


 完全に仕留めたと余裕をかましているアステマが、戸惑いの声を上げた。


「たぁあああああ!!」


 その隙を見逃さずニケアが突進。


 シュ――。ババババババ!! 《氷剣》で、無数の突きを放つニケア。


「――ぐっ」


 かんぜんに油断していたアステマの身体を捉える連続の刃。とつぜんのことに対応できていない。腕を、脚を、羽を切り裂かれる。そのたびに飛び散る鮮血。致命傷をなんとか避けてはいるが、体勢が悪い。


 ニケアは容赦しない。その口角があがり獲物をかくじつに追い詰めていく。


「――くそっ」


 攻撃の速さに、反撃するための魔法も唱えられないのだろう、あっというまに壁際まで追い詰められるアステマ。


「これで、終わりです!!」


 ニケアは予備動作をとる。右手刀をおおきくひいた。


「!? っうかダイスケ、なにみてんだ! あたしを助けなさいよ!」


 ……あ、そうだ止めないと! いくらアステマが悪いとはいえ、これはやりすぎだ。


「よすんだニケア! それいじょうはいけない」


 オレはダッシュして、ニケアの腕を掴む。


 ――ズッ。


「え? ぐ、……あ!!」


 左足から熱い感覚がする。みるとニケアの刃がオレの左足を貫いていた。それが視界に入ると急に激痛が届き、たまらず体勢を崩す。


「ダイスケさん。……あなたの順番は後ですよ」この上なくつめたい表情で「そこでおとなしく……まってて」


「……ハイ。すいません」


 縮こまって返事をするオレ。

 こええよ! オレを見下ろすニケアこええよ! オレのしっているニケアじゃ無いって! アステマの言ったこと、あながち間違いじゃねえよ。覚醒してるよコレ! 狂戦士だよ。ニケア半端ないって! やべえって。マジで刺してきたよ。そんなん出来ひんやん、普通。


「ナイス、ダイスケ! とお!」


 この隙を見逃さないアステマ。ニケアにタックル。


「!?――ぐ」


 もろに衝撃を受け、はね飛ばされるニケア。


「ダイスケ、あとはまかせた!」そのまま、すごい勢いでダッシュする。スルリとオレ達の横を抜けて部屋の外へ「さらば! ――ばいばいきーん!!」はなれた場所から声がとどいた。

 ……でた、アステマの固有スキル。逃げ足の速さ。


「って……おい! マジか!? アステマまて! まって、お願いだから!」


 ……このタイミングで、これはない。

 オレとニケアだけにしないでほしいんですけど!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ