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異世界での癒やし屋  作者: ぱむ
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「はぁ……。」


私はドスンっと椅子に座ると思わず溜息をはいた。



時が経つのは早いもので…異世界に来てあっと言う間に1年半過ぎてしまった。


――――今年で私は35歳になってしまう


思わず左手に手に持っていた紙を握りつぶしそうになってしまっていた。


この異世界に来て色んな事があった。


まず、この世界には魔法が存在するということ。


初めて魔法を見たときは固まってしまって言葉が出なかった。出たとしても相手には伝わらなかっただろうけど。


目の前を色んな物が飛んでいる光景は異様な感じだったけど、そんな光景も今としてはもう慣れてしまった。


魔法は『火・水・風・土・光・闇』と分けられている。


そして、ここに住む人達は1種類の魔法は最低使える。


魔法の学園も存在していて、入学に年齢は関係なく認められた人達だけが入学できるエリート学園である。


そこで卒業すれば王国から大魔導師としての資格を証明するリングが与えられ、王国で働く事が許可されるのである。

リングの種類も個人の実力によって種類があり、最高級の魔導師となれば国王お抱えの魔導師となり側近で働く事もできる。



みんなが憧れる魔導師である。




私は…というと…。

もちろん、試しましたよ。この国に住む人達は全員魔法の管理がされるわけで、私も測定しました。


判定は…

魔法は光魔法のみ。魔力は皆無…反応無しでした。


元々、女性は魔力が少ない上に魔法も1種しか使えない人が殆どである。そもそも女性が光魔法と闇魔法が使える事が異例らしく私以外は男性しか居ないのである。

そして、光と闇となると上級魔法になり扱いや魔力の消費が激しく最高級の大魔導師さえも使うのが難しいとされている。


と言う訳で、光と闇どちらか出た時点で殆どの男性は肩を落とすが男性は2種類の魔法が使える為希望がまだある。


それなのに私は…


ここでの育ての親でもある店主の夫婦にその事を話すと可哀想な子を見るような目で見られてしまった…。

いわば私は魔法が使えないのと同じである。



測定する前は緊張しながらも凄く期待してました。

物凄い魔法が使えるのではないかと…


しかし、現実はそう甘くはなかった。



その時はそう思っていた。

あの時が来るまでは…



―――――――――――――



私の住んでいる所はフェリオアリス国にある小さな村で人口も少ない。


村で小さな飲食店をしている夫婦が倒れてる私を見つけて救ってくれた。



店主である旦那さんのダルトさんと奥さんのカレンさんである。


2人は子供が居なかったこともあり、私を本当の娘のように可愛がってくれた。1から手取り足取り色んな事を教えてくれた。私にとっても両親のような存在である。


旦那さんのダルトさんは体格がよく言葉数は少ない。焦げ茶の髪にブルーの瞳をしている。魔法は火と土を使う事ができる。


奥さんのカレンさんは少しふくよかでよく笑う明るい人。赤髪にブルーの瞳をしていて魔法は風を使える。


ダルトさんが調理をしてカレンさんが食事を運んだり片付けたりしてる。


前は私もお店のお手伝いをしていたのだけれど、今は隣の小さな空き家で診療所をしている。

入ってすぐ居間があり、居間の左奥に机と椅子、手前にベッドとカーテン、そしてベッドの横に机とソファーか置いてある。私はそこを診療室として使っている。居間の奥の扉を開けると簡易なキッチンと寝室になっている。


私は福祉の仕事をしていた為、多少の医療の知識はあるものの、それだけでは診療所をする事はなかったと思う。



私が診療所をやるきっかけになったのはある出来事がきっかけだった。今思えば…あれから私のここでの生活はガラリと変わってしまった。





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