第三倉庫
目的地を目指して早10時間、俺はとうとうその住所にたどり着いた。
場所はそこまで遠くなかったがここは今では使われていない地区で入る手続きだとかなんとかで余計に時間をくってしまった。
見たところ人の姿はなく、廃墟や倉庫が建ち並んでいる。
大都市にもこんな場所があるんだな、、。
えーっと、海岸沿いと言うとあの辺だが、、あ!
そこには大きな倉庫がいくつもありそれぞれの壁に数字が書かれていた。
俺は迷わずに3と書かれている倉庫に向かった。
ここだよな、、。
どうやって中に入ろうか迷っていると、倉庫のシャッターが重い音をたてながらゆっくり開きだした。
コツッコツッ
足音をたてながら1人の男が出てきた。
目から上にかけて仮面をつけているので顔はよくわからないが結構若そうだ。
「お待ちしておりました。ルーラー様でお間違えないでしょうか?」
「あ、あぁ、、」
俺の行動が筒抜けってことだな。
「さあ中へ、あの方がお待ちです。」
そう言われて俺はスーツの男と一緒に中へ入っていった。
倉庫の中はとても広く、ところどころ光っている灯りのせいで不気味に感じる。
最深部に着くと奥から笑い声が聞こえてきた。
「フハハハハハハ、君がルーラー君かね?
待ちわびたよ。」
声が響く。
俺は顔写真とそこにいる男の顔を見比べた。
「あんたが今回の依頼主で間違いないか?」
男はニヤニヤしながら答えた。
「ああ、そうだ。君に依頼をするのはとっても大変だったよ。
なんたって、、、」
次の言葉を発するまでに時間をおいた。
「あの超有名探偵組織『ラメル』のメンバーだからねぇ。」