巨大都市
ゴゴゴゴゴゴ------------------
突如聞こえてきたその音はとてつもない速度で大きくなり一瞬にして-----------
視界が暗くなった。
ーーーーーーーー12時間前
「ふぅ、ここが次の仕事場か。」
俺、ポイフ・ルーラーは仕事のため世界最大の都市、アルゴールに足を運んでいた。
世界最大権力国ターバック国の首都「アルゴール」、それは世界人口100億人のうち約1割の9億7000万人が生活していて、この都市が崩壊すれば世界が消滅してしまうほどのすべての中心地である。
しかし、面積はそれほど広くなく昼夜問わず辺りは人でありふれている。
遠くには何百メートルもあろうと思われる高層タワーがいくつも建ち並び、空には宣伝広告用の飛行船が無数に飛んでいて、周囲は数え切れないほどのガラス張りの建物であふれている。
誰がどう見ても世界一の超先進国である。
「おいおい、人多すぎだろ、、
この中からどうやって探せっていうんだよ、、。」
俺は今、ある人物を探していた。
しかし手がかりは顔写真のみ。
期待はしないが取り敢えずそこら辺の人にでも聞いてみるか。
俺はちょうど前を通りかかった2人組みの若い女性に写真を見せてみた。
「すみません、こちらの方を探しているのですがご存知じゃないですかね?」
2人はきょとんとした顔で写真を見ている。
まぁそりゃそうだ、知るわけもないわな、
「ごめ、、、」
その瞬間とてつもなく大きな悲鳴に遮られた。
「キャーーーーーーーーーーーーーー!!!」
え?え??
周囲の人たちもその声に反応してザワザワし始めた。
一瞬目を離したスキに女性達は全力で走りさっているのが遠くに見えた。
全員がこちらを見てくる。
なんだ?なにがあった??
いきなりのことで戸惑いが隠せない。
ヒラッ
その時、手に持っていた写真を地面に落としてしまった。
周囲の人間の視線が写真にうつる。
!!!!!!
写真を見た人の目が今まで見たことないほど見開く。
それと同時に一斉に俺とは反対方向に走り出した。
おいおいおい、どういうことだ!?
最初はあんなに人がいたのに、俺が驚いているわずかの間に見渡す限り人がいなくなった。
ーーーーーーーえ??
待て待て待て待て、俺は写真を見せただけだぞ!?
それ以外なにかしたか?
そう必死に理由を探していた時、近くの建物の影から声が聞こえた。
「あんちゃん、その写真、、、どこで手に入れた?」
「、、、、誰だ?」
俺は少し怪しがりながら尋ねた。
すると手だけ出しチョイチョイと手招きしている。
俺はしょーがないと思いながらそこへ向かった。
角を曲がるとそこには誰もいなかった。
「おかしいな、、さっきそこに誰かいたはず、、、、ん!?」
俺は足元に落ちている1枚の紙切れに気づいた。
なんだ?
拾って見てみるとそこにはこう書かれていた。
『ターモンス区海岸沿い第三倉庫。』
紙にはそれだけが書かれていた。
いかにも怪しいが、、。
しかし今のところ手がかりはこれしかなさそうだ。
俺はそこに向かってみることにした。
まさかもうとんでもないことに巻き込まれているとも知らずに、、、。