54 はじめての敗北
Aランクにも勝利した烈火は、休み明けもその勢いのままBランクの闘士にもなんとか勝ち続けていた。
五日で今度は七連勝。流石にBランクの相手も手強くて、連戦はあまりできなかった。軽傷や体力の消費が、Cの時より激しかったのだ。
とはいえ負けなしで、やはり運営側に睨まれた。「先剣」のことが噂され、Aランクに勝利していたのがさらに拍車をかけた。勝負の際に賭けがどうしても一方的になってしまうのだ。
ダグはもうそろそろAランクになるんじゃねーの、と嘯いていた。ちなみに軍帽についてはダグの野郎、腹を抱えて笑いやがった。畜生、カッコいいと思うんだけどなぁ。
その言葉が引き金だったのか偶然の産物か、その日の内に審判の人に話しかけられた。もうAランクでいいそうだ。実にあっさりしている。こんなすぐでいいのか、討伐ギルドではここまで簡単じゃなかったぞ。というかまだBだぞ。
まあ、別にそういうこともあるって前いっただろ。とダグは肩を叩いた。賭けが上手く回らないなら、ランクは勝手にあがっていく。そういうものだ。
しかしAランク……あの通り魔やシャリファンのレベル。おい、それ勝てないんじゃないか?
「調子がいい時なら勝てるんじゃないですか?」
(……へぇ?)
適当な席でAランク同士の試合を観戦中、七が声をかけてきた。
流石にAランクに上がって直後で戦うぜ、とはならない。烈火は他の闘士の観察という名目でちょいと休んでいた。心の準備と戦力分析を兼ねて。
ダグはちょうど別の試合に賭けをしていて、そっちの観戦。少なくとも烈火に声をかけるような者はいない中なので、七ちゃんの声に返答は問題ない。ちょっと興味深い発言だったし、ちらと目を向ける。
(どういう意味だ?)
「玖来さんて、試合で調子がいい時とそうでない時で結構な差がありますよね。ここ最近はずっと戦い続けてますので見えてきました」
(どんな違いが見えたよ)
「目に見えて集中している時があると言いますか。いえ普段が集中散漫っていうわけではないんですけど、時に突出したほど物凄い集中をしています」
(よくわかったな)
「いつも見てますので」
えっへんと胸張る。胸は薄いけど。
「今なんか言いました?」
(なにも。これっぽちも)
おおう、今のクロスカウンターは華麗だな。ありゃ決め手かなぁ。
七はジト目を数瞬で閉じる。小さな嘆息で話を戻す。
「まぁいいです。で、なんなんですかあれは。なにやら自覚的のようですが」
(んんー、まー、玖来流の奥伝って奴だなー)
「おや、玖来流って技あったんですか?」
以前にはないと言っていた気がするが。玖来流には型も技もなにもない。ただの身体の動かし方だと。
烈火は同じ口で平然として言う。
(技はねぇけど奥伝はある)
「インチキですよ、それは」
(いやだってな、奥伝とかカッコよく言っても、本当はただの修練の結果身につく、あー集中法? みたいなもんだし)
あれを技とか言うのも憚られる。奥伝と称するにも躊躇うけれど、それを完璧にこなせるようになって免許皆伝となるわけで、ひとつの区切りなのだ。よってわざと大仰に強がって呼称し、そこに至れと弟子に教える。実際、玖来流において目指すべきひとつの境地たる極技ではある。
わかったような、わからないような。七は腕組みしながら続きを促す。
「それでどのような技、じゃなくて奥義なんですか」
(……あんま教えたくない)
だがそこで烈火の舌が勢いを失う。ムスッとした顔で口はへの字、なにやらつまらなさそう。
なにを子供みたいなスネ方してるんだ。七はずいずい踏み込む。躊躇わない。
「え、なんでですか。ここまで来てそれはないでしょう。教えてくださいよ」
(だっておれまだ修得してないし)
「あれ、そうなんですか?」
いやだがそうなると先の言動と矛盾が生じないか?
それはわかっている。烈火はそこについてはちゃんと説明する。歯痒げにだが。
(おれの場合は上手く集中できた時、稀に起こるって感じ。本当ならスイッチを押したように自在にできなきゃいけないんだよ)
「はぁ」
(まだまだ未熟、奥伝に達してない。自分のものにしたわけでもないのに語るとか、カッコ悪いだろ?)
「むぅ。そう言われると強く言えませんねぇ。では、せめて名前だけでも。名称くらいはあるんですよね、奥伝ですし」
「…………」
「それもダメですか?」
可愛らしく首を傾げて上目づかいに窺う七。せこい、ずるい、可愛い。そんな顔されたら答えざるをえない。
不承不承で、前置きを隙なく配し、軍帽で目線を隠して、言う。
(いいか、おれが名づけたわけじゃねぇぞ。先祖の誰かだ)
「ええ、まあ、それはそうでしょうが」
(――『刹那識』)
「え」
(玖来流唯一にして最高、かつ初歩の踏み出したる奥伝――『刹那識』、だ)
「わ、なんかカッコいいですね」
本音である。
だが烈火は信じない。強引にでも斬断する。
(はい、この話終わりっ)
「えー、もうちょっと聞きたいですよぉ」
(駄目。そろそろ戦う。Aランクになってからの初戦だ、気合いれねぇとな)
「それは……がんばってください」
追求できないような切り替え方に、七はそう言う他になかった。
ちぇー。
「お前が「先剣」を倒したクライって野郎か」
「あ、はい。一応、たまたま勝たせてもらいました、はい」
舞台に立って即座に、そんなことを正面から投げかけてきたのは鬼族の男だった。鬼族に種別があるはずで――ええと額に骨が突起したような小さな二本の角があって赤銅の肌は、妖鬼だっけ。
「あってます」
サンキュー七。
しかし鬼族――幻想種か。はじめてだな、戦うのは。
幻想種は他の亜人種や精霊種よりも数が少なく、だが個体としての強さは一段上と聞く。寿命も長くて魔法にも優れ身体能力も高い。種族して、人間ではほとんど勝ち目がないとか。その証明とばかり、コロシアムにおいて数少ない幻想種は全てAランクだ。どうにも、戦いたくない。だってのにAランク戦の最初が鬼族とか運が悪いな。
内心で嘆いていると、鬼族の妖鬼さんは中々サマになった風に鼻を鳴らす。
「ふん、だろうな。オレは以前「先剣」と戦ったことがある。敗れた。あいつは人間だったが、確かに強かった。少々、卑怯くさかったがな」
「卑怯、ですか」
そりゃ幻想種のあんたと戦うにゃ、人間は小細工でも使わないと勝てないよ。別に通り魔野郎を弁護するわけでもないが、苦笑してしまう。
すると妖鬼の人はちょっと鼻白んだような顔をする。愛想笑いが嫌いなタイプの人なのだろうか。ありえるな、失敗したか。
「だがあれの戦士としての強さは本物だ、お前のような者に負けるとは信じられん」
「勝負は時の運でしょう。そういう時もあります。ちょうど、運よく、その時があたったのでは」
「つまらんな。お前、つまらない」
さらに謙遜が嫌い、と。最悪だよ、烈火と相性悪いよ、人格的に。
やれやれと肩を竦めていると、審判の人が舞台に上がってくる。そこで妖鬼の人も烈火も口を閉ざし、戦気を練り上げていく。烈火は小剣を握り、相手は腰元の刀を抜く。構えをとる。
ちらとその両者を見、それから一拍だけ置いて――審判は厳格な声で宣する。
「Aランク闘士クライ・レッカ対Aランク闘士 夜鳥・楡――試合開始!」
武技魔法の両方に長けた鬼族。ならば後者を扱わせては負ける。接近戦の武技で挑んでようやく勝負の席につける。
なので速攻。特攻。突貫刺突。
「は」
夜鳥は笑う。単調な突きなど、軽くかわせる。反撃できる。
だが直後に刺突は曲がる。狡猾な蛇のようにうねって回避を追う。薙ぐ。
紙一重の回避は通常では隙を生じさせないよい選択だ。反撃もすぐに返せるし、最小の動作ゆえに体力消費もない。だが、手首だけで斬り付ける小剣で、かつ斬撃の勢いを如何様にも捻じ曲げることのできるほどの身体制御をもつ玖来流には悪手。
「っ」
夜鳥の腹に浅い傷。ギョッとする間に返す刃がまた迫り――夜鳥はバックステップで大きく退く。
一合で細かい回避対処は無為と見たか。判断が素早い。厄介。
烈火は追わない。リーチの関係上、追えばこちらの間合い以前にズンバラリだろう。
刀と小剣、得物の長さは最適間合いの差異を生む。刀の間合いに立たれてはこちらの刃は届かない。小剣の間合いに踏み込めば相手の刃は最速にならない。
互いが有利な距離を求め、ステップに駆け引きが生まれる。長物相手の経験は少なくない。今回こそ上手く立ち回ってやる。
なにせ今回の夜鳥は魔法をいけるはず。変に様子見してては遠距離からバンだ。攻めに行く。タイミングをズラして踏み込む。
「――りゃ!」
沈み込むような歩法。駆ける烈火の頭頂部は、今や夜鳥の腰より低い。
そしてバネのように膝が伸びる。瞬く間に刀の間合いを飛び越え小剣の領域。掬い上げるように下から斬り上げ。
夜鳥は慌てて刀を引き戻し、それを受ける。鍔競り合う。
――直後、哂う。
「はっ」
「っ?」
なんだ――問いかけは間に合わない。それは閃光のような速さ。それは稲妻のような速さ。
刀が光って、それしか烈火には知覚できなかった。
――気付けば全身が痺れ、地に横たわっていた。
「ぁ……ぁあ?」
呂律も回らない。指一本も微かにしか動かない。全身が熱く、痛く、痺れている。
痺れ……電撃か。
ほとんど気絶と同義の状態で、烈火はそれを看破した。おそらく、刀に雷撃の紋章魔法が付与されており、小剣を伝わり一撃くらわせた。単純だが、有効な手だ。剣を競っておいて、打ち合えば即感電なんて。
「ひきょ……は、どっち……よ……」
烈火はそこで意識を失い、遠いどこかで自身の負けを告げる声が聞こえた気がした。
「負ける時ゃ、あっさりだなぁ、ひひ」
「ち」
コロシアムに併設された大きめの医務室。烈火はさっさとそこに放り込まれ、しばらく寝込んでいた。とはいえ意識は間もなく回復し、治癒も施されたので一時間程度で放り出されたが。コロシアムの医務室には高位の治癒師がおり、テキパキと励むのだから回転率が非常に高い。まあ、常に怪我人が現れるような環境だし、当たり前と言えばそうだが。それでもレベル高いなぁ、と烈火は割と安心して治療を受けたのだった。闘士の特権のひとつとして、コロシアム内での怪我ならおおよそ無料で治してもらえるのだ。とはいえ、ここまで真剣にお世話になるのははじめてだった。
ちょっと落ち込みながらコロシアム会場にまで戻ると、何故か待ち構えたように立つ小さなおっさんがひとり。
誰あろうダグ・ラック。ダグは不機嫌そうな舌打ちを返す烈火に、構わず自分調子で話し続ける。
「まあ、相手が悪かったかもな。夜鳥は強ェからな。「先剣」に負けるまでは三十二位、名持ちの数字持ちだったんだ。気を落とすこたぁねぇよクライ」
「それで慰めてるつもりか、お前。おっさんに優しい言葉かけられてもなんも嬉しくねぇよ」
「はは、そりゃそうだ。だったら女でも買って来いよ、付き合うぜ?」
「女に貢がないってのは法螺か聞き違いだったか?」
「買うのと貢ぐのは違うだろ」
そうだろうか。烈火からすれば似たり寄ったり差異たる差異も見分けられない。漢字はすごい似てるし。
「てーか、なんで話しかけてくんだよ。おれは負けたぞ? もうお前の金づるにゃなれねぇよ」
烈火はBランク以下で戦えば強者であり、まあ勝ちを拾えていた。賭ければ必ず儲けられた。だからこそダグは近寄ってきたのだろう。だが、Aランクにまで至れば、それもお仕舞い。周りには烈火と同じか、それ以上の実力者しかいやしない。賭けはどちらの天秤に傾くか、わからない。当たり前の話であり、そのために昇格させられたのだが。
であるが、ダグは笑う。常となにも変わらない、快活で邪気のない笑いだった。
「ははっ、馬鹿かお前さん。このコロシアムで負けたことのない奴がいると思ってんのか? 現状一位の奴だって負けたことくらいあるし、今も負けるかもしれねぇ。当然だろうが。
お前さんがいずれ負けるなんて、知ってたに決まってる」
「む」
「で、今まで稼がせてもらったからさよならって? Aランクに参入すればもう特出しちゃいないし勝ち続けるのも厳しいだろうからって? 馬鹿を言っちゃいけねぇ、必ず勝てる賭けなんぞクソほどもつまらんだろうが」
「今まで散々、おれに賭けて儲けてた奴の台詞とは思えんな。それともお前、別人だっけ?」
「いや、稼がせてもらったぜ? だけどその金には手をつけちゃいねぇ」
「は?」
儲けて、その金を使っていない? どういうことだ。
瞠目する烈火に、ダグは馴れ馴れしく肩を叩く。なにを言ってるんだ兄弟とでもいうように。
「決まってる。お前さんがAランクにまで上がるのを待ってたのよ。そこでこそようやくギャンブルだぜ、今までの金の使い時じゃねぇか!」
「あー」
要は烈火がB、Cランクで勝ち続けることで得たそれは、ダグにとってこれからのギャンブルのための軍資金でしかなかったと。本当の勝負のために、その勝負を楽しむために集めた資金でしかなく、今まで烈火に本当の意味で賭けたことなんてないと。
いやもう、なんていうか。
「お前、馬鹿じゃねぇのか……」
「それがギャンブラーってもんよ。ヒイキの選手をまだ弱ェ頃から見守って、最後に大きくドカンと勝利を一緒に味わうってな。そんで得た金で呑む酒が最高なんだよ、知ってっか?」
「知らんわ、ていうか未成年だボケ。酒も女も知らない紳士だ」
「え、嘘マジで?」
なんか凄い馬鹿にされた。およそ後者に対する反応と思われる。激しく苛立つ。
目が据わってきた烈火に脅威を感じたか、ダグは持ち前の笑顔を強引にでも再開。話を元のルートに戻す。
「それに、お前さん全部出し尽くして負けたわけじゃないんだろう?」
「ほぼ瞬殺されて全部出せるほど器用じゃねぇよ」
「まああんな単純な手でも隠し札にされちゃあ怖いわな」
騙まし討ちってのは、単純な手ほど効果があるものだ。
「逆に言えば、お前さんは夜鳥を結構警戒させてたんだぜ? だって俺、あの夜鳥が刀の紋章使うのはじめて見たし」
「あぁ、マジか。話した感じだと、逆に油断してそうだと思ったが……」
それだけ、彼にとって「先剣」に喫した敗北が鮮烈で、そしてそれを倒したという烈火までも恐れたか。
おそらくはあの電撃は、「先剣」にリベンジするためにこそ刻んだ紋章魔法ではないか、ダグはそう見ている。
烈火は肩を竦める。そんな風に慰められても困る。
「っても、瞬殺は瞬殺だしな。おれが実力出せなかったのと同じで、相手の実力もほとんど見えなかった。札を伏せたままでどうなってたかなんて……」
「夜鳥はそう思わなかったのかもよ?」
「……負けると、たった一合で判じたって?」
「知らん。けど、その可能性はあるだろ。流石に俺だって早計だと思うし、夜鳥を低く見積もり過ぎてると思うけどな」
しかし烈火のとった戦法は間違いではなく、実に理にかなっていたともダグは思う。
鬼族妖鬼に対して魔法を封ずるために前にでる。先手をとり続ける。無論、烈火の卓越した剣術の腕があってこそだが。
幻想種の弱点は特化しないことだ。下手に寿命が長く、なにをやっても上手くいくものだから手が広くて、ひとつに深みが不足する。それも高齢の者なら話は別だし、それが死角のない万能さを発揮するのも確かだ。だが、特化し続けた一本の針に、ないと思われた死角が突かれるなんて話もある。
幻想種を倒すのは、御伽噺ではいつだって亜人――特に人間か小人だと相場は決まっている。
誰もがひれ伏す悪魔を討ったのは人間の英雄だ。悪名高きドラゴンを打倒したのは小人の勇士だ。
ダグは、そういう御伽噺を聞いて育った小人だから。
だからこそ、烈火の勝利を信じたいのかもしれなかった。
「それは甘い解釈だと思うけどなぁ」
当の烈火はダグの推論に頷けはしなかった。
ある程度以上の殺傷力のある魔法を紋章として道具に付与し売買してはいけない。故に、あの雷撃付与は夜鳥本人が刻んだのだろう。やはり魔法をそれなり以上に扱えていた。それも、紋章魔法をだ。時間を与えても同じく勝てはしなかったと思う。別に刻まれた魔法が、いずれ烈火を撃っていたと思う。
剣技が恐ろしく冴えているというわけでも、派手で強大な魔法が使われたわけでもない。どちらも一流と言えるが達人ではない。だがそれらを正しく組み合わせ、実に堅実に、地道に、実力でもって真っ向敗れた。
流石にAランク闘士、そして鬼族。
やはり烈火には、まだ早過ぎる強敵ではなかっただろうか。
鬼族の特徴
幻想種。
角か牙を持つ四種族をひとくくりに呼んだ名。四種族とはそれぞれ剛鬼、吸血鬼、妖鬼、夜叉。始祖は同じと言われているが、その特徴は全く別物で、別種族であるとされる場合もある。前者二種族は洋風、後者二種族は和風。そのため妖鬼と夜叉はこの世界では珍しく漢字を名に使う。
長命種で寿命は五百年ほど。
剛鬼
鬼族の特徴として短い角が頭頂部に二本生える。外見は二メートル以上の巨体であり、非常に頑丈で剛力を誇る。そこから巨人やオークとも呼ばれる。鬼族にしては魔法が苦手で、あまり進んで使用しない。殴り合いや戦いを好む。肌の色は様々で赤鬼、青鬼と言ったように色で呼び名が違う。虎柄のパンツとか金棒が似合いそう。ちゃんと服着てる者が多いが。
魔法において地属性が得意。
吸血鬼
ヴァンパイアとも。鬼族の特徴として牙があるが、角はない。色白で美形が多い。魔力を血に宿し、血を魔力に変換できる血を吸う鬼。特に日光に弱かったり十字架に弱かったりはしない。単に血を吸う鬼という意味でしかない。他者の血を吸えば吸血鬼は魔力を回復し、逆に吸血鬼の血を吸えば別種族の者でも魔力が回復する。なので彼らの血は水霊種の「水霊滴」と同じく魔力回復薬として売買される。
魔法においては水属性が得意。
妖鬼
鬼族の特徴として額に骨が突起したような小さな二本の角がある。肌の色は赤銅から褐色であり、細身。鬼族の中でも特に魔法に優れており、身体能力はやや低い。と言っても人よりは高いが。肉体よりも精神を重視する種であり、その目は他者の外見ではなく魂を見ているとも言われる。気分のよしあしで調子も変化し、怒らせるとどんな種族よりも恐ろしいとされる。精神的に折れるとそのまま死んでしまうこともあるという。逆に肉体がどれだけ傷つこうとも、心が死なない限りは信じられないほどの生命力を発揮する。
魔法においては火属性が得意。
夜叉
鬼族の特徴として額に一本または二本の白い角と牙を持つ。耳が長く尖った形状をしており肌の色は褐色、黒色、水色と個人差がある。角と肌色を除くと風霊種に似ており、稀にダークエルフと呼ばれることもある。ただし適性は遠く、夜叉は魔法に秀でるが同時に肉体性能にも優れる。
夜の月光を浴びて育ち、夜目がきく。日光に弱いというほどではないが、夜のほうが調子がいい。
魔法においては風属性が得意。