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クライマックスは崖で

 専務さんの部屋にあった恥ずかしいメモを三郎さんと夏子さんに見せたら、二人とも専務さんの字だと証言してくれた。 

 つまり、専務さんの遺書は別人が書いたことになる。

 まぁ、どう考えてもヤスさんだろうけど。

 一応、二人にヤスさんの字がどんな感じかを聞いたら、三郎さんには「ミミズののたくったような字」と言われ、夏子さんには「考古学者が喜びそうな字」と言われた。

 やはりヤスさんは相当字が汚いらしい。


 俺たちは、パソコンと専務さんの残した紙を持って食堂へと向かった。

 食堂の奥のキッチンでは、ヤスさんが夕食の準備をしていた。

 朝食の準備をし、片付けが終わるとペンションの掃除をして、その後は昼食の準備。

 昼食が終わったら片付けをして、そのあとは夕食の準備。

 この人、すごく可哀相な気がする。

 ぜひとも情状酌量をお願いしたい。


「ヤスさん、夕食の準備っていつごろ終わりますか?」


 小町さんがヤスさんに声をかけた。


「まだ始めたばかりなんで大分かかりますよ。キッチン使いますか?」

「いえ。こっちの都合ですので」


 小町さんは俺たちに向き直ると聞いた。


「まだ時間あるけどどうする?」

「どうって、何がですか?」


 俺は小町さんの質問の意味が分からなかったので聞き返した。


「だって、今ヤスさん追い詰めると夕ご飯なくなっちゃうよ?」

「え? ご飯の心配ですか?」

「何言ってるんだ、響平は。ご飯は大事だろう」

「お腹減っちゃうしぃ」

「ここのご飯おいしいですー」

「いや、ヤスさん問い詰めてゲームクリアして終わりだから。本当にお腹がふくれるわけでもないし、ここでご飯食べてもしょうがなくない?」

「響平君、女の子はね、現実世界じゃいっぱい食べちゃいけないんだよ?」

「ダイエットしなきゃだからぁ」

「体重が増えすぎて動きが鈍くなるとマズイしな」

「食べれるものは食べた方がいいんですよー」


 ……ついていけません。


「じゃ、どうすんの? 夕ご飯食べるまで待つの?」

「ヤスが作り終わるまででいいだろう」

「ご飯作ってもらえれば用済みだしぃ」

「ご飯だけ置いてってもらいましょうよー」


 鬼なのか、こいつら。


「けどさ、麦穂は明日部活だから遅くまでできないって言ってるし、結渚ちゃんは先に進みたいんじゃないの?」

「そうでしたー! ご飯につられるところでしたー!」

「じゃ、早いとこ解決しちゃおっか? ここ来てからけっこう時間たっちゃってるし、ね?」


 ヤスさん、夕食の準備はしなくてもよさそうです。

 よかったよかった。

 あとは、誰がどうやってヤスさんを問い詰めるかだ。

 俺はみんなに聞いた。


「どうする? 誰がヤスさん問い詰める?」

「響平やれ。犯人分かったらめんどくさくなってきた」

「犯人分かると興味なくなっちゃうよね」

「ことりんはぁ疲れたからぁまったりしたぁい」

「証拠もありますし、お兄ちゃんでもできますよー」

「『でも』って言うな」


 犯人を追い詰めるのって漫画とかだと一番の見せ場のような気がするんだが、誰もやる気がないとは。

 みんなのやる気のなさにはびっくりさせられる。

 まぁいいや。

 さっさと終わらせよう。


「じゃ、もう始めるけど、いい?」

「あ、響平君、ちょっと待って」

「? 何ですか?」

「ヤスさんを崖に連れてかないと、ね?」

「やっぱり犯人追い詰めるのは崖ですよー」

「お約束だしな」

「雰囲気出ないしぃ」


 何の話だよ!?


「崖まで行くのめんどいから、もうここでよくないですか?」

「響平君、最後はやっぱりかっこよく決めた方がいいんじゃないかな?」

「でも、麦穂も明日部活なんだから、ちゃっちゃと終わらせたいんじゃないの?」

「そうだな。だから早く崖に行け」

「あのさ、結渚ちゃんも早く次のゲーム行きたいって言ってなかった?」

「そうですよー。だから早く崖に行きましょーよー」

「こ、ことりんって、疲れてまったりしたいんじゃないの?」

「崖でまったりすればいいでしょぉ?」

 

 分からん。

 みんなの崖へのこだわりがさっぱり分からん。


「崖に何があんの!? どこでも一緒だろ!?」

「響平君、ムードって大事だから、ね? 女の子誘ったときに失敗しちゃうよ?」

「お前だって普通の服よりコスプレのが雰囲気が出ていいんだろう?」

「響平ってぇ、デートでマジックテープ式の財布出すタイプぅ?」

「支払いは任せろー、バリバリとかやっちゃうんですかー?」

「やめて! もう崖でいいから!」


 小町さんは改めてキッチンのヤスさんに声をかけた。


「ヤスさーん!」

「何でしょうか?」


 ヤスさんはエプロンで手を拭きながら、俺たちの方に向かってきた。


「少しお時間いただきたいんですけど、よろしいですか?」

「はい。構いませんが」

「では、今からわたしたちと一緒に崖まで来てもらってもいいですか?」

「がが、が、崖ですかっ!? どどど、ど、どうして、わた、わた、私が崖にっ!?」


 崖って聞いただけで、何でこんなに動揺すんの!?


「どど、どういうことなんですかっ!? 事件は解決したはずじゃないんですかっ!? まま、ま、まさか、探偵さん、私を疑ってるんですかっ!?」


 崖に行くってのは犯人ってことなのか!?

 そうなのか!?


「それは崖でお話しますので」

「……分かりました。私も男です。逃げも隠れもしません。行きましょう、崖へ!」


 ヤスさんは覚悟を決めたようにそう言うと、エプロンを外した。

 何だこれ。



 ザッパーン。


 波が崖にぶつかって砕け散る音が響く。

 というわけで、俺たちは崖に来ていた。

 ヤスさんが崖を背にして立ち、俺たちと向かい合う。

 こっちは、パソコンと専務さんのメモ書きを手にした俺が先頭に立ち、後ろに四人が並んでいた。


「やっぱり崖だと雰囲気出るね」

「クライマックスって感じするぅ」

「お兄ちゃんでも主役に見えますー」

「それはないだろう」


 好き勝手言いやがって。

 見てろよ。

 俺はヤスさんに声をかけた。


「ヤスさん、どうして社長さんを殺したんですか?」

「ばばば、馬鹿なことを言わないでください! 私がそんなことするはずないじゃないですかっ!」

「でも、このペンションにいる人の中で鉄アレイ振り回せるのってヤスさんだけですよ?」

「それは……そうです! 誰かが私をはめようとしたんです!」

「誰かって誰ですか?」

「それを見つけるのが探偵さんたちの仕事じゃないんですかっ!?」

「いない人を見つけることはできないですよ」

「だったら、私がやったていう証拠でもあるんですか?」

「ありますよ」

「え!?」

「ヤスさんが社長さんを殺害している現場を春子さんに撮影されてしまった。だからヤスさんは、春子さんも殺したんですね?」

「な、何のことだか私にはさっぱり……」

「とぼけても無駄です。春子さんが撮影した映像が残っていました」

「な……どこに……?」

「どこにだと思います?」

「いや……私には……」

「携帯電話は水没したはずなのに、って思いましたか?」

「…………」

「春子さんは、ヤスさんに首を絞められて死ぬ前に、気合と根性で自分のパソコンに撮影した映像を転送してたんですよ」

「……なん……だと……?」

「ITとE.T.の区別がつかないくらいパソコンがさっぱりなヤスさんは、パソコンまで処分することを思いつかなかったんでしょうね」

「…………」

「もういいんです、ヤスさん。全部話してください」

「…………私がこの会社にきて、もう半年近くになります」


 あ、何かぺらぺらしゃべり出した。


「警察を辞め、就職活動をしてこの会社に拾われて、入社した頃の私は、自分の人生をやり直すんだと希望に燃えていました」


 もしかして、ここから半年分しゃべるんだろうか。

 長くなりそうだ。

 動機とかぶっちゃけ割とどうでもいいし、最後まで聞かなきゃダメなんだろうか。


「会社に入ってから私は必死で働きました」

「あの、ヤスさん?」

「はい?」

「巻きでお願いします」

「え? 巻きで?」

「はい。けっこう押してますんで」

「そうですか。簡単に言うと、入った会社が恐ろしいほどブラックで、みんなの仕事がどんどん私に押し付けられて家には寝に帰るだけ、試用期間三ヶ月と言われていたのが半年に延び、その間社保もなく、サービス残業の嵐でロクに給料も出ず、それでも必死に働いていたということです」

「で、社長さんを殺害したのは会社がブラック過ぎて嫌になったからですか?」

「それだけではないんです。昨日の朝、私は専務に言われて社長を起こしにいきました。社長は寝起きが悪いので、専務は自分が起こしに行くのが嫌だったんです。私は社長の部屋に入り、社長に声をかけましたが、朝からキレられました」


 寝起き悪いクセに毎朝二番目に出社するとか、社長ってけっこう大変なんだな。


「社長さん、相当寝起き悪かったみたいですね」

「ええ。寝起きが悪いのは私も知っていたので覚悟はしていたのですが……。ただ、昨日の朝、社長は私にこう言ったんです。『お前は試用期間が終わったらクビだ』と」

「ヒドイですね」

「いくら寝起きが悪いとはいえ、半年間必死に働いてきて、そんな言葉を浴びせられるなんて思ってもみませんでした。半年間溜まっていたものが、その一言で噴き出してしまったんでしょうね。カッとなった私は近くにあった鉄アレイをつかみ、二度寝しようと布団に潜り込んだ社長の頭を何度も殴りました」

「そこを春子さんに撮影されていたんですね」

「はい。社長を殺してしまい、呆然としていた私がふとドアの方を見ると、携帯電話をかまえた春子さんがいました。春子さんは私に言ったんです。『バラされたくなければ私の仕事も全部やれ』と」


 ロクな人いないな、この会社。


「それで私は春子さんから携帯電話を奪おうとしましたが、彼女が抵抗したので、そのまま首を絞めて殺害したんです。まさか、彼女がその前に撮影した映像を転送していたとは……」


 そこまで言うと、ヤスさんはがっくりとうなだれた。

 証拠の動画を見てすらいないのに、ここまでぺらぺらしゃべってしまっていいのだろうか。

 パソコン破壊すれば証拠も隠滅できるかもしれないのに。

 つーか、春子さんといい専務さんといい三郎さんといい、何でパソコンなんか持ってきてるんだろう。

 慰安旅行じゃなかったのかよ。

 別にいいけど。


「ヤスさん、社長さんを殺害したとき、部屋は密室じゃなかったんですね?」

「そうです」

「ヤスさんは社長さんを殺してから部屋に鍵をかけて専務さんを呼びに行った。そして、マスターキーを持って来た専務さんに鍵を開けてもらって部屋に入り、専務さんに春子さんの様子を確認しに行くように言ってから、鍵を机の上に置いた。そうですね?」

「はい」

「そしてヤスさん、あなたは……」


 そのあと、どうしたんだろう。

 春子さんの死体はどうしたんだろう。

 そこまで考えてなかった。


「あなたは、春子さんの死体を……」


 どうしたんですか、という言葉が出かかったけれど、さすがに飲み込んだ。

 探偵役なのにまさか聞くわけにもいかないし。


「はい、私は専務を呼びに行く前に、春子さんの遺体を自分の部屋に運びました」


 え?


「春子さんの遺体を自分の部屋の浴槽に隠しておいて、今朝、海に捨てたんです」


 マジでか!?

 昨日、ヤスさんの部屋に入ったときには、そんなの…………。

 ……。

 …………。

 ………………あ、昨日ヤスさんの部屋調べてなかった。

 あれ?

 これ、昨日ヤスさんの部屋調べてたら、そこで解決してない?


「あの……えっ……と……せ、専務さんも! 専務さんもヤスさんがやったんですねっ!? 遺書の筆跡が専務さんのものとは違うことが分かりましたっ!」


 俺は慌てて話題をそらしながら取り繕う。


「そこまで調べたんですか。さすがですね、探偵さん。専務に対しても、昨晩机バンバンされて、皆さんの前で恥をかかされたことで、半年間溜まっていたものが噴き出してしまったんでしょうね」

「で、でもよく分からないのは、どうして社長さんがヤスさんに辛く当たったのかということです。他の人の話を聞くかぎり、社長さんはいい人そうでしたけど」

「ブラック企業なんて、権力を握っている人間とその取り巻きだけがおいしい思いをするんです。会社の人間がおいしい思いをするには、私みたいなあとからやってきた外部の人間は使い勝手がいいんです」

「でも、復讐するのなら、もっと別のやり方があったんじゃないですか?」

「……もう終わったことです。すべて終わったことです」


 ヤスさんは小さく息を吐いた。

 人を殺したことを後悔しているというよりも、今日の夕食の準備をもうしなくてすむことを安堵しているように見えた。


「終わったけど、どうすんの?」


 俺はみんなに聞いた。


「もう帰っていいんじゃないか?」

「用事ないしね」

「ことりんはぁもうちょっとまったりしてってもいいけどぉ」

「晩ご飯も食べてきますかー?」


 すごいやる気のなさ。


「帰るって言ってもさ、昨日からシフォンさん見ないけど」

「呼んだらくるんじゃないかな?」

「じゃー、シフォンさん呼んでさっさと帰って次のゲーム行きましょー」

「私は明日の昼から部活あるから無理だぞ」

「もう一個くらいいけるんじゃないですかー?」

「ここで一日過ごしてしまったから、けっこう時間経ってるだろう?」

「でも、ここでの一日ってあたしたちの世界の一時間くらいですよー?」

「私は毎朝走ってるから、朝早いんだ」

「麦穂ちゃん、いつも何時起き?」

「五時半です」

「何それぇ。お年寄りの生活みたぁい」

「毎日だらだら過ごしているお前と一緒にするな」

「小町さぁん、毎日何時起きですかぁ?」

「えっ? わたしっ!? えっと……きょ、響平君は?」

「俺ですか? えっと……七時くらい」

「普通はそれくらいだしぃ。五時半とか意味分かんなぁい」

「お前らが怠けてるだけだ」

「ことりんはぁ脳みそ筋肉に変える時間なんてないからぁ」

「その前に脳みそがないんだろう」


 まーた始まった。

 いつものやつだ。


「シフォンさーん! 終わりましたー!」


 耐え切れずに俺はシフォンさんを呼ぶ。


「お兄ちゃん、ヘタレですー」

「ヘタレ言うな」


 ふっと、かすかに風が巻き起こったかと思いきや、俺たちのすぐそばにシフォンさんが姿を現した。


「シフォンさん、終わりました」


 俺は改めてシフォンさんに報告した。


「はい。見ておりました」

「今までどこにいたんですか?」

「時間がかかるようでしたので、別の場所で眺めておりました」

「時間がかかるって言っても、俺たちけっこう早くないですか? タイムリミットまであと一日ありますよ?」

「一時間くらいで終わると思っておりましたので」

「……マジですか……?」

「はい」

「これってそんなに簡単だったんですかー?」


 結渚ちゃんがシフォンさんに質問する。


「はい。鉄アレイを使えるのは一人しかいませんし、パソコンの動画と浴槽に隠されている死体を見つければ終わりですし」


 まぁ、確かに。

 ……あれ?

 もしかして、専務さんって死ぬ必要なかったんじゃ……?

 ……深く考えるのはやめよう。


「それでは皆様。戻りますので」


 シフォンさんが俺たちにそう告げるやいなや、俺たちの周りの光景が歪む。

 次の瞬間、俺たちはログハウスに戻ってきていた。


「さて、皆様。ゲームはいかがでしたか?」

「「「「「…………」」」」」


 時間かかり過ぎだと言われたので、その質問には誰も答えない。


「皆様、次はいかがされますか?」

「私はパスだ」


 麦穂が即答する。


「麦穂お姉さまー、もう一個くらいいけますよー」

「もう二つもやっただろう」

「でも早くしないと先にクリアされて一億円もらえなくなりますよー」

「どうせまだ続くんだし、たいして変わらんだろう」

「むー。お兄ちゃんからも何か言ってやってくださーい」

「でも部活あるって言ってるし」

「お兄ちゃん、ヘタレですー」

「ヘタレは関係ないだろ!」


 一応、俺はシフォンさんに聞いてみることにした。


「シフォンさん、ゲームってあとどれくらいになりそうなんですか? 大雑把にというか、目安だけでも」

「ゲームは先ほどのもので終わりです」

「…………え? 終わり?」

「はい」

「じゃ、ゲームクリアってことですか!?」

「はい。ゲームはクリアです」


 マジか。

 終わったのか。

 弾んだ声で結渚ちゃんが聞く。


「い、一億円もらえるんですかー!?」

「一億円はまだです」


 ん……?

 よく分からないので、改めて俺は聞く。


「ゲームクリアしたんじゃないんですか?」

「ゲームはクリアしましたが、最後にイベントが残っています」

「イベントって何ですか?」

「それは進めば分かります」


 相変わらずの秘密主義。

 毎度のことながら、もう少し情報公開してくれてもいい気がする。


「そのイベントが最後ですか?」

「はい」

「それが終わったらすべて終わりですか?」

「はい」


 何のイベントかは分からないままだが、どうやら本当に次が最後らしい。


「あの、シフォンさん」


 今度は小町さんが聞いた。


「他にも参加者いたと思うんですけど、その人たちは脱落したってことですか?」

「はい。皆様棄権されました」

「それはやっぱり、ゲームとはいえ怖いとか、そういう理由ですか?」

「いえ、アホらしくてやってられないという方ばかりのようです」


 デスヨネー。


「でも、棄権した人の映像は全世界に公開されるんですよね?」


 小町さんの話で思い出した。

 そういえばあったな、そんな話。


「いえ。公開されません」


 あれ?

 話が違う。

 俺はシフォンさんに聞いた。


「シフォンさん、公開されるって言ってませんでした?」

「公開されるのは最初のゲームをクリアせずに棄権された場合のみです」


 マジで……?


「ちょっとシフォンさん、そんなこと一言も……」

「聞かれませんでしたので」


 聞かれなくても言えよ、そういうことは。

 ゲームをクリアした今となってはどうでもいいことではあるけれど。


「えへへへー。一億円もらわずに棄権するなんて馬鹿なヤツらですー。麦穂お姉さまー、最後までやりましょーよー」

「……まぁ、次で最後ならな。中途半端になるのも嫌だしな」

「麦穂ちゃん、大丈夫? どうせわたしたちしか残ってないみたいだし、無理しなくてもいいから、ね?」

「大丈夫です。最後ですし」

「響平君もことりんちゃんも、いい?」

「俺はいいですよ」

「ことりんもおっけぇでぇす」


 こうして俺たちは最後のイベントに進むことになった。

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