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Day-5 新ヒロイン?

朝五時。

早起きは三文の得というのは科学的に認めない人間が多数いる現代に、早起きしている少年がいる。

クルスだ。

何故こんな朝早く起きているかというのは、ただ単に筋トレするためである。

昔はサボってばかりだったが、死神になってからは毎日欠かしていない。


「・・・んー、よく寝た」

「ん?起きたか」

「んーと、今何・・・時!?なんでこんな朝早くに起きてるの私!!早起きは三文はおろか一文にもならないっていうのが真理であるこの現代に!!」


前話を読んでくれている方にはわかると思うが、一応言っておく。

たった今、すさまじい勢いで日本のことわざを全否定したのはヴァルである。


「・・・ヴァル?」

「ん?アンタ誰・・・っ!!ちょっ、なんでクーがここに・・・」

「なんでといわれても、ここオレんちだし(もしやこいつ、二重人格入ってる?それかただ寝起きが悪いだけか?)」


いわれて、はっとしたようにまわりを見回す。

思い出したようだ。


「・・・おはようございます。クー君」

「お、おはよう。えっと、コーヒー飲む?(戻った!)」

「・・・お願いします」


顔を真っ赤にして小さい声で答えた。


「さっきのアンタ・・・素?」

「えっと、あれは私の不機嫌モードです。他にもたくさんありますが、それは本編が進みしだい明らかになります」

「微妙に細かい説明どーも・・・」


複数の人格を持つ女性に対して精神病(トラウマ)があるクルスの脳裏に、ある惨劇が浮かんで消えた。


(忘れろオレ・・・大丈夫、オレはもう自由だ、大丈夫・・・)


などと繰り返して落ち着かせようとしている。


「・・・君、クー君。大丈夫ですか?」

「うごっ・・・ごぶわぁ!?」


どんな状態で驚けばそんな声でリアクションが取れるのだろうか。


「大丈夫・・・じゃないですね」

「ご名答。その通りだ」

「どうしたんですか?コップを口につけて傾けたまま飲まずに凍っちゃったりして」


リアクション「ごぶわぁ!?」の理由が明らかになった。


「すまんな。酷く辛い過去を思い出して・・・」

「何に対してですか?」


ここで『多重人格に対して』でもいって機嫌をそこねれば、彼女の家から屈強な黒服達がクルスの家に押しかける事態になるであろう。


「言わせないでくれ・・・言うのも酷だ」

「そうですか・・・そんなに辛い過去が・・・」


そういうヴァルは涙ぐむ振りをする。

そういうときのノリは最高レベルだ。

笑いのわかる金持ちの令嬢など、どの世界にいるのだろうか。


「ここにいますよ?」


あえて疑問形にすることで否定の意味になる表現を彼女は知らないのだろうか。


「知ってますよ?」


三人称で読者に疑問を訴えているつもりの作者。

それに答えるキャラ。

こんなんあり?


「ありですよ?」


ありみたい。




その後、クルスよりも早く作者との共演を果たしたヴァルは自宅の自室にいた。


「はぁ。クー君の家にお泊り・・・キャッ」


なんて一人ではしゃいでみたり。

余談ではあるが、その日、彼女の部屋の前を通る警備員全員が、心配して何度も部屋をノックした。


場所は変わり、クルス宅。

親はいないクルスは、一人で昼食の用意をしていた。

キッチンに並ぶは、大量のインスタントうどん。

とても一人で食べられる量ではない。

それは当然だ。

なにせ、最初から一人で食べるつもりはないからだ。


「さて。そろそろ新キャラ二人が帰ってくるし、茹でるかな」


作者とのやり取りはないものの、作品を一番理解しているのはおそらくクルスだ。

そして、彼の予言通りに、新キャラの声がした。


「たっだいま〜っ!クルス、ご飯できてるぅ〜?」


最初に入ってきたのは、朱髪(あかがみ)ポニーテールの少女。

帰ってきた第一声が昼食の献立を聞くあたりから、彼女の明るく活発な性格がうかがえる。


主人(マスター)、ただいま〜。お昼はなんですかぁ〜?」


次に入ってきたのは、藍色(あいいろ)ストレートの少女。

疲れた声には一応敬語が使われている。

二人ともクルスと同世代に見える。

ちなみに、クルスの髪の色は銀に近い感じを作者はイメージしている。


「今日はうどんだ。一人三枚でよかったよな?」


十五前後の少女に三人前も食べられるのだろうか。


「やった〜、うどんだぁ〜っ」

「え〜っ、三人前しかないの?」


問題ないみたい。


「どこいってたんだ?お前ら」

「あたしは『オーディン国』の内乱鎮圧!」

「私は『ヘルメス国』で妖怪狩りです」


笑顔で少女が口にするには違和感たっぷりの単語だ。


「お前等そろそろ転入の挨拶決めとけよ。オレは先日したが、あの学園では挨拶はかなり重要だ」

「普通じゅーよーでない?」

「まぁそいわずに。マスターがそういってるんですから」


実はこの二人もクルスと同じ学園に転入の予定。


「はい、発表〜」

「じゃ、あたしからね」


先に言いだしたのは先程うどんに喜んだポニーテール。


「ロキ・アースガルズですっ!早くみんなと仲良くしたいでーす。よろしくね〜」

「何の工夫もないがまあいいだろう。じゃ、次」

「わかりました」


次は、うどん三人前に不満があった方。


「フレイ・ムスペルスヘイムと申します。フレイ、とお呼びください。今日からよろしくお願いします」

「妙に丁寧だがいいだろ。じゃ、メシ」



決めておけ、といった割りには適当なクルス。


「わーいうどんだうどん〜♪」

「三人前で足りますかね〜」

「まったく、大食漢を部下にもつと大変だな」


いきなりだが、なぜ三人が同棲しているのか、という読者の疑問になるであろう部分が解決。


「ちょっと!何言ってるのクルス!漢って何よ!あたしは列記とした女の子なのよ!レディよ!乙女!オルレアンの少女!」

「後半おかしいぞ。つか最後のは歴史的な固有名詞だ。お前には合わん。本物のオルレアンの少女に謝れ」

「確かにマスターの言う通りですが、レディという単語の前まではロキが正しいですよ、マスター」

「フレイまで何言ってるの!?てゆーか量に不満言っていたのはフレイのほうでしょう!」

「・・・な、何のことだか、さっぱりわかりませんけど・・・」

「知らふ通したって無駄よ。あたしの目には何もかもがお見通・・・」


知らふというのは作者の造語に近く『知らないふり』の略。

それはともかく、二人の漫才に飽きてきたクルスは、とりあえず一喝。


「メシいらんのか?(凄味MAX)」

『いただきますっ!!』



食後。


「まったく。会話文と説明文の割合で作者が困っているというのに、貴様らは」

「それとこれとは話が違う!」


三人前のうどんを喰らい尽くし、腹ごなし(?)に三人はランニングに。

ジョギングではなく、ランニング。

そして、彼等流のランニングは、全力疾走。


「お、今日もあの店閉店売り尽くしセールだぞ。いつまで閉店セール続けるんだろうな」

「話変えないでよ!」


死神であるクルスの全力疾走についてこれる二人も、人間ではないといっておこう。


「作者が困っているのは作者の実力が及ばないからでしょう?」


さらっとそんなこといわないで下さいフレイさん。

作者的には深刻な悩みです。


「で、ひとついいか?お前等」

「何よ。まだ説教たれる気?」

「何か問題でも?」

「ああ。重要な問題だ」


言って急に立ち止まるクルス。

その顔は真剣そのもの。


「何ナノ?ソノ問題ッテ」

「ロキ、片言になってます」


二人の漫才をスルーし、クルスは問題発言を。


「ここ、どこ?」


ついでにいうが、真剣。


『ハァッ!?』


死神であるクルスの唯一の欠点である『方向音痴』


「クルス、まだその癖治ってなかったの?」

「マスター、特訓するといって私たちに大見得切っていましたが・・・」


不審なものを見る目でクルスに迫る二人と


「しゃーないやろ!わいも世界中転々しとんねん!そら道もわすれるわ!」


なぜか関西弁で話すクルス。


「でた、クルスの『何かをごまかすときは関西弁』の癖」

「それも治ってなかったんですね」


呆れて肩を落とす二人。

この作品には、まともなキャラは存在しないようだ。

やっほ〜うっ!

この作品のメインヒロイン(?)のロキだよ!読んでくれてありがとうね!

それにしても、作者の更新ペースには呆れちゃうわね。

定期テストで御臨終なさる勢いで疲れてたみたいだけど。

まったく情けないわ。

じゃ、作者にこのあとがきを書かせた後さっさと次話を書かせなきゃいけないから、あたしはこの辺で失礼するとしましょう。

一応世界観はリンクしている同作者の『夢魔との生活』の方もよろしくね。

それでは、また次回。

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