表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
届け!!〜私を救った君に捧げる、唯一無二の私の青春〜  作者: ふなつさん
初愛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/69

第10話⑥

家の近くまで来たところで、詩友が急に胸を張った。

「……しっかりと、この彼氏が家まで送り届けます。お姫様」

「なにそれ」

笑いながら言うと、詩友は少し得意そうに口角を上げる。

その手は、いつの間にか私の手を握っていた。

ぎゅっと強くもなく、離れそうでもない、ちょうどいい力。

……まだ、指を絡めるほどじゃない。

相手の手を包むだけ。

恋人繋ぎは、さすがにハードル高いよなあ。

そんなことを考えながら、玄関の前まで来て、名残惜しく手を離そうとした、そのとき。

「……あ」

詩友が、私の手を引き止めた。

そして、恐る恐る、一本ずつ、私の指に自分の指を絡めてくる。

思考がl停止する。

――コイビトツナギ。

「……これくらいは」

低い声。

「許してくれ……」

顔を見ると、耳まで真っ赤だった。

「お前の興奮具合でかき消されてるけど」

視線を逸らしながら、続ける。

「……俺だって、うかれてるんだ」

その必死さが、可笑しくて、愛しくて。

「なにそれ」

思わず笑ってしまう。

「詩友だって、可愛いじゃない!」

「……っ」

詩友はむっとした顔で、手を少し強く握り返す。

「可愛いとか言うな」

「えー?」

肩をすくめてから、わざと考えるふりをする。

「まあ……詩友のかっこいいところなんて、挙げ始めたら」

ちらっと顔を見る。

「可愛いとこ以上に、キリないけど」

一瞬、固まって。

それから、分かりやすく嬉しそうに、詩友は照れた。

「……調子狂う」

そう言いながらも、手は離さない。

少しして、ようやく指がほどける。

「また」

小さく言って、歩き出しかけてから、振り返る。

「明後日の花火大会な」

「うん」

頷くと、詩友は満足そうに背を向けた。

玄関の前に残された私は、まだ熱の残る手を胸元に引き寄せて、しばらく動けなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ