姉妹に逃げられた男は国からも追い出された
「アルド様、何故私ではなく姉なのですか?
私はこんなにもアルド様の事を愛しておりますのに」
「ミラージュ、私も君の事を愛しているし、王女になるのは君しかいないと思っている。私に考えが有るから、私に任せてくれないか?」
「アルド様の事を信じてお待ちしております」
「カロリーナ、今日も君は美しい」
「まぁ、アルド様ったら口がお上手ですね」
「もうすぐ結婚式だな、王女になるのは不安ではないかな?」
「男らしいアルド様が側にいるのですから安心しております」
「私の何処が気に入ってくれたのかな?」
「勿論逞しくて男らしくて、私を守ってくれる所ですのよ」とカロリーナは頬を染めて言った。
「カロリーナ、結婚する前に言おうか迷っていたのだが…実は私はドエムなのだ、私を踏みつけて欲しい、いたぶって欲しい、鞭で叩いて欲しいのだ」
カロリーナは真っ青になった。
「ア…アルド様嘘ですよね?私は男らしいアルド様を愛しているのです、そんなドエムだなんて…私は、私は、そんなアルド様となんて結婚出来ません」と言い、カロリーナはアルドから逃げて行った。
それを建物の影から見ていたミラージュは微笑んだ。
そして、アルドの側に行き抱き付いたのだ。
「アルド様ったら、凄い演技力でしたね、私見ていて驚いちゃいましたのよ」
すると、アルドは真顔で「いやー本当の事を言っただけなのに、本当に上手く行くとはな、ハハハハハ」
「ア…アルド様今何て仰いましたの?本当の事だなんて冗談ですよね?」
「本当の本当だよ、こんな私でもミラージュは愛してくれるよね?王女になりたいのだろう?」ミラージュは驚きのあまり口をパクパクさせてアルドに背中を向けて逃げて行った。
残されたアルドは呆然として、父である国王に報告をしに行った。
「父上、カロリーナにもミラージュにも逃げられてしまいました」
「何故逃げられたのだ?」
「私が踏みつけて欲しい、いたぶって欲しい、鞭で叩いて欲しいと言ったら逃げられました」
「お前と言う奴は…お前と言う奴は…出て行けーこの国から出て行けー」と国王は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「私は父上に似たのですよ、そんな事言わないで下さい」
「お前に言ってなかったが、お前の母親はドエスなのだ、だから上手く行っておるのだ、お前がドエス女を見付けるまではこの国に帰って来る事は許さん」
そして、アルドは国を追い出されドエス女を探す旅に出た。
「ドエス女ヘルプミー」