episode24 エリオスの五大魔術
半年ぶりの投稿です。
本当にごめんなさい!!!!!!!!!!
多分待ってた人いないかもだけどいたらほんとうにごめんなさい!
なんとかこれから投稿頻度上げたいと思います。
コカトリスはエリオスに向かって勢いよくとびかかってきた。爪を鋭くとがらせて、エリオスを串刺しにしようとしているようだ。
コカトリスが徐々に近づいてき、死と隣り合わせな状況に震え始めた。
落ち着け…前はもっと強大な敵と戦ったんだ。それに比べたらマシだ…!
エリオスは迫ってくるコカトリスを迎え撃つために魔力を体内に込めた。
神の加護のおかげで魔力量が増えて、引き出しやすくなった。いまなら僕にしか出来ない戦い方ができる。
「いくぞ…!【土魔術 岩斬】!」
エリオスの叫びとともに、彼の手から放たれた魔力が地面へと流れ込んだ。
剣を振った瞬間、彼の剣から生成された魔力が鋭利な岩の刃となってコカトリスに向かって飛び出していく。
「エリオス…魔力が上がったのか…。」
過去の微小しか出せなかったエリオスの成長にブラッドは口を指で抑えた。おそらく表情を変えないようにしているのだろう。
しかしブラッドはすぐいつもの冷たい瞳に変わった。
「コカトリスは鱗が硬い…土魔法程度じゃ効かないというのに…。」
ブラッドは失望したかのようにエリオスを批判した。
コカトリスに土魔法は合わない。当たってもかすり傷程度だろう。
しかし、エリオスは例外だ。エリオスは意識してないが全ての魔法に神の加護が宿っている。
神の加護で強化された岩斬は、コカトリスの硬い鱗を切り裂き、空中に血飛沫をあげた。
「…効いてるのか…。」
ブラッドは冷静を装いながらも、口調からは少々焦りを感じた。
コカトリスは多少飛ぶ経路を乱しながらもまたエリオスに飛びかかった。
しかしエリオスは動揺しない。あの時の山神の戦闘を重ね合わせていると、コカトリスはただの鳥にしか見えなくなった。
「このくらい…五大魔術でいける!」
コカトリスの飛ぶ軌道を観察し、飛びかかるタイミングを計った。
コカトリスが目前に迫った瞬間、コカトリスに向けて手を向けた。
「【水魔術 水泡】!」
一気にコカトリスを包むほどを水の泡が生成され、コカトリスに向けて水泡を指で弾くように放った。
コカトリスは避けれずにそのまま突っ込み、コカトリスは水の泡に包まれ、空中で溺れながら地面に落ちた。
「水魔術も取得してたのか。まぁ2魔術持ってるのは珍しくないがな。」
人は元々3魔術までは持てる。ただし3魔術持つより1魔術極めた方がいいため、あまり優遇はされない。
でも僕は違う。3魔術どころか5魔術を使いこなしてやる!
そう思い僕はとある技を試してみることにした。神の加護のおかげだろうか、容易に出来る気がした。
剣に氷魔術を纏わせ、勢いをつけて水泡で溺れてるコカトリスに振りかぶった。
「【氷魔術 氷結】!」
剣を振り下ろすと密度の高い水泡さえ凍らすほどの氷風がコカトリスに襲った。
コカトリスはその場で凍り付き身動きが取れなくなった。
まだだ…!ここで終わらす!
剣を空に向けて構え、最後の一手に差し掛かった。
「【土魔術 岩玉】!」
そう唱えると直径10mほど巨大な岩の玉が空中に生成された。さらにそこに魔術を唱えた。
エリオス自身やったことない初めての試みだが、なぜかエリオスは出来ると信じていた。
「【炎魔術炎壁】!」
岩玉の岩肌から炎がメキメキと現れ、やがて全体を覆った。
別属性の魔術の融合。2人ならよくみる光景だが、1人でやろうとすると体に相当の負担がかかり、前者で唱えた魔法が消えたりする。
それを劣等生だったはずのエリオスがやってみせて、ブラッドは目を疑った。
「エリオス…あいつ何をしてそんな高等技術を…!」
驚いている間にも、エリオスは次の技の準備に取り掛かっていた。
そして次にブラッドが目にしたのはあり得ない光景だった。
「【風魔術 風剣】!はぁぁぁあ!」
エリオスは炎壁を纏った岩玉を、風の力で剣で弾きコカトリスへ放った。
しかし、それを見たブラッドはエリオスのみぞおちを拳で殴りつけた。
「ぐふっ!?なぜ…?」
集中が切れたエリオスは地面に倒れながら、作り上げた魔法が全て消えていった。その様子を見たキアラルはエリオスのそばに駆け寄り、体を起こさせた。
「エリオス!!」
「エリオス、コカトリスを倒すだけでいい。周りの被害も考えろ。」
「ゴホッゴホッ…!だからって殴るのは反則…!」
お腹を抑えながら睨みつけるエリオスを、ブラッドは冷たくあしらうように言いつける。
「私は攻撃しないとは言ってない。目の前の敵に集中しすぎだ。」
「くそ…!納得いかない…!」
キアラルもエリオスの言葉に続けるように抗議する。
「そうですよ!エリオスは必死に…!」
「部外者は黙ってろ。」
ブラッドの鋭い瞳は、キアラルの言葉を封じ込めた。あまりの圧にキアラルは言葉が出せなかった。
しかし、その後ブラッドはエリオスの方を見て軽く微笑んだ。
「エリオス、合格だ。」
「え…?」
あまりの言葉にエリオスは唖然とした。
目の前には冷徹な目でありながらも口角をほんのり上げているブラッドの笑みがあった。
「今回はコカトリスを倒すことが目的じゃない、コカトリスとどうやって戦うかを見ていただけだ。」
「え…?でもさっきコカトリスを倒したら学院に戻れるって…。」
戦う前に「もしこのコカトリスを倒せたのなら、魔剣学院に戻ることも考えなくもないだろう…。」って言ったはずだが…。
「ふん、元々学院に戻すつもりがなかっただけだ。適当にあしらおうと思ったんだけどな。」
ブラッドはエリオスに近づき、手を近づけた。
エリオスにはさっきまで冷徹で人の心がない先生が、急に僕の手を差し伸べてきたことに違和感を覚えた。
「なんだ、私に優しくされて気持ち悪がってるのか。」
「え…!ち、違います…!」
エリオスは戸惑いながらもその手を握った。意外にも冷徹なブラッドの手は温もりを感じ、彼の冷たい印象とは対照的だった。
「私はエリオスを嫌っているわけではない。実力がないやつに興味がないだけだ。」
そういえば、ブラッド先生は実力主義者で、いつも口癖で「実力ないやつは興味がない。」って言ってたな…。
「それより……。」
ブラッドはいつもの鋭い目でキアラルの方を見た。
「お前は誰だ? エリオスの姉か?」
キアラルは僕のそばでずっと怯えていて、ブラッド先生と目が合った瞬間、泣きそうな顔で僕の方を見た。
いやわかるよ…実力がないやつを見るブラッド先生は、ゴミ屑を見るような目で威圧するからね…。
「わ、私は…魔剣学院に…。」
今にも消えそうな声で途切れ途切れにブラッド先生に伝えようとしていた。
「ブラッド先生、キアラルを…この人を魔剣学院に入れてください。」
「何…?」




