episode22 休息
「エリオス~‼︎ 起こしてよ~‼︎」
「ご、ごめん…。」
結局夜が明けるまで一人で特訓していた。それを見たキアラルは焦りながらエリオスに駆け寄った。早く起きたかったのだろうか。
「私だけゆっくり寝て、エリオス寝てないなんて!今から寝よ⁉︎」
「い、いいよ。眠くないし。」
「だめ!魔剣学院まであと少しでしょ!なら昼からでも出発していいんじゃない!」
「で、でも早めに着きたいし…。」
「でも寝ないと力発揮されないし、夜の間体動かしてたなら休みべきだよ!」
結局20分くらい言い合いの末、数時間寝ることになった。本当にいいんだけどなぁ…。
しかし自分では気づかなかったが、目をつむった瞬間に疲れと眠気を自覚し、一瞬で夢の中に吸い込まれた。
エリオスが深い眠りについた頃、キアラルはそっと布団を掛け直した。
「ほんと無理ばっかしてるんだから…。」
大きくため息を吐いて、エリオスの寝顔を眺めた。
キアラルにとってエリオスは、年下ではあるが命の恩人であり、好きな人なのだから、自分の前では無理しないでほしいという気持ちがあった。
「エリオスは強いし、エリオスより弱い私が守られるのは分かるけど、私だって戦えるよ…。」
魔剣学院に行くチャンスは今しかないとエリオスに頼み込んで行くことになったが、エリオスは迷惑に思ってるだろうな…。
エリオスが強くなる前ってこんな気持ちだったんかな。
…エリオスのように強くはなれないと思うけど、いつかエリオスと肩を並べて戦えるようになりたいな。
そう思いながらエリオスの寝顔を眺めていた。
数時間後…
エリオスが目を覚ますとキアラルは剣を振っていた。
「キアラル、おはよう」
「エリオス!おはよ!」
キアラルは剣を鞘に収めて、汗を拭いた。
「よく眠れた?」
「うん、ありがとう。よく眠れたよ!」とエリオスは微笑んだ。
起き上がると驚くほど体が軽く感じた。やっぱり自分では気づかないほど疲労が溜まってたんだろうな。
「エリオス、あまり無理しないでよ。」
「あぁ、次からそうする。」
「私だって力をつけてエリオスの役に立ちたいんだから!」
キアラルは胸を張って頬を膨らませながら言った。
「そ、そんなに心配させてた?ごめん、でもキアラルは強いよ。」
「え?私なんてエリオスよりまだまだ…。」
「キアラルは心の強さがある。心の強さは戦いでも必須だから…。」
エリオスは実際にそう思っていた。
キアラルは村の永続のために犠牲になろうとした。
それは常人には成し遂げれない。この強みはキアラルの活かせる武器となるだろう。
「キアラル、これから僕が責任持って強くする。もちろんキアラルも僕のこと守って。」
そう言いながら手を差し出すと、キアラルは顔を輝かせて手を取った。
「うん!エリオスみたいに強くなってみせる!」
手の温もりを感じなから心を一つにした。
これからの道のりは再び険しいものになるかもしれない。しかし、この瞬間だけは何でも乗り越えられると信じていた。
「行こう!魔剣学院に!」




