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これがわたしの異世界転生!?  作者: ことばのあや
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ここはどこ!?

昔からなんでもそつなくこなせるほうだと思っていた。


反面、何かで1位とか1着とかはとったことがなかった。


そんなわたしは、「優等生」とよく形容された。

聞こえははいいかもしれないけれど、いい感じの良い子ちゃんみたいなパッケージングっぽくて、わたしはその表現が好きにはなれなかった。


しかし、その優等生というパッケージングは就職活動ではプラスに働くことが多く、引く手数多、選び放題の環境であった。


その環境の中、わたしは、業界1位の自動車製造メーカーの人事として入社。


………したつもりだった。


実際はなんの因果か、先方の手違いで人事ではなく営業としての採用となっていた。

今思えば、この時必死に抗議しておくべきだった。


「1年後には人事に異動させてあげるから…ね?」

そう言われ、「優等生」であり、ことなかれ主義のわたしはその言葉を信じて営業として働き始め、持ち前のそつなくこなす処世術でそれなりの成績を納めるうちに異動の話は立ち消えていた。


そんな環境下での3年目。

わたしは大きなミスをしたらしい。

らしい、というのはそのミスに関する記憶がすっぽり抜けているからだ。

医者曰く、一時的なストレスで記憶が混濁してるいるのだろう、と。


それ以来、わたしは何事もそつなくこなせない。

優等生のナリは息をひそめ、小さなミスを頻繁に起こしたりと、営業職を続けるには難しい状況となっていた。


気が付けば私は退職届を持っていた。


以前わたしに異動の話を約束した上司は必死になって引き止めてきた。

きっと部下から離職者が出たら査定に響くのであろう。


結果、わたしは休職扱いになり、今現在怠惰な生活を送っている。


毎日、起きる、食べる、寝る、の繰り返し。

毎日毎日毎日毎日。


なにもすることがない…


仕事の意欲もない、かといって没頭する趣味もない…


そんなわたしを見かねて、かつての同僚がひまつぶしに本を差し入れてくれた。


十数冊はあるであろうその書籍には共通点があった。


異世界

転生

無双

チート

追放


これらのワードのどれかが入っているのだ。


毎日特にすることもないので同僚の顔を立てて読んでみた。


これがなかなかどうしてハマってしまった。

最初は、なんでもれなく異世界に行くんだよ、とか、なんでみんな無双できるほど強いのに無能扱いされてるんだ、とか心のツッコミを常に入れていたほどなのに。


しかし、視点を変え、弱者(扱いされてた者)が評価を上げていくサクセスストーリーと見ればなかなかに痛快な部分もある。


そこにハマってしまったようだ。


いつしか、わたしもそんな世界に行きたい、と思うほどには。


しかし現実は甘くない。

六畳一間のワンルームで毎日食っちゃ寝生活のわたしの現実逃避だ。


ーーーーーーーーーーーー


ある朝、健康飲料水の訪問販売がきた。

なんちゃらレディーで有名なところだ。


子供の頃は給食とかで飲んだなぁ、と思いつつ丁重にお断りした。


レディーは、「ならサンプルを…」

といって、一本商品をくれた。


ドアを閉じた後、クイっと早速飲んでみた。

甘い、おいしい、痰がからむ…

相変わらずの味だ。


今日は同僚が差し入れてくれたマンガのWEB版の更新日!!

早速みなければ!


ーーーーーーーーーーーー


おかしい…

眠い…


夜ふかしもしてないのにやたら眠い…


思考が働かない…


まぁいっか…


仕事もしてないし、マンガ読むだけだし…


また起きたら見ればいい…や…


ーーーーーーーーーーーー














…なんかかゆ…

…ムズムズする…


…ポリッ

グニッ

!!!!!!????


は!?なに!!?

うぇ!!いもむしじゃん!!!!!!


て、外じゃん!!!!!

は?は?どゆこと?


どこよここ!?

スマホスマホ…


ない!!!!!!!!!!


全く理解が追いつかない!!!!!!!

ここはどこ!!!????


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