とある日の朝2
会員じゃない人でも感想をかけるようにしたので、書いてくれると嬉しいです。
俺の朝は忙しい。まず朝、6時に起床。そして、トイレや朝ご飯、身支度などを済ませて7時に家を出る。今まではこれで結構、余裕があった。だが、今は本当に忙しい。
その原因は………
『ピーンポーン』
「おい、起きろ!凌空!」
この少年、雲上凌空であった。昨日、桜井さんと一緒に学校へ行く約束をしたが凌空を起こす約束もしたので、凌空も一緒に行くという条件を出した。そして次の日、俺は凌空の家に行き凌空を起こそうとするのだが………
「ん〜?あと10分だけ寝かせてください」
凌空の眠たそうな声がインターホンから聞こえてくる。起きたばっかりなのだろう。
「ダメだ、起きろ!」
「わかりました。ではちょっと待っててください」
30分後………
遅い。いくらなんでも遅すぎる。このままだと俺も一緒に遅刻するぞ。ワンチャン、あいつ2度寝してるんじゃね?と思ってインターホンをもう1回押そうとすると、
「お待たせしました」
ドアが開かれりくが出てくる。
「おい、急げ走るぞ!」
俺は凌空を引っ張って走り出す。凌空の家はマンションの6階なので階段で降りるとかなり時間かかるためエレベーターで降りていく。近代的だわ笑
しかし、ここからが本番だ。エレベーターを降りると再び凌空を引っ張って走り出す。
凌空が家から出てきた時間は8時13分、ホームルーム開始時間は8時20分。普段、俺の家から学校まで歩いて10分ぐらいで、全力で走れば5分以内で行けるだろう。そして今、エレベーターで下に行くまで1分かかった。つまり後、6分で教室に着かなければならない。俺1人なら行けただろう。だが、今は凌空がいる。はっきり言って、凌空は俺に比べてかなり足が遅い。彼は勉強が出来て、スポーツも出来るような万能者では無いのだ。もしそうだったら、俺たち見たいな陰キャ集団と一緒に居ないだろう。
てか、やばい。ほんとに遅刻するかもしれない。
『俺の朝は忙しい』なんて調子に乗ってすいません。今後、調子に乗らないので遅刻になりませんように!と最終手段の神頼みをしておいた。とは言えまだ遅刻が確定した訳では無い。
幸いにも凌空の家から学校は俺の家より近いので、もしかしたら遅刻しないかもしれない。
て言うか、ここで凌空を置いていけば、間に合うんじゃ?
いや、ここで俺が凌空を置いて行けば、今までの俺の努力が無駄になってしまう。何より、そんなの俺自身が許せない。最後まで諦めるな!
自分を感化させて、全力で走り出す。そんな中ひとつの疑問が頭の中に浮かぶ。
(あれ?俺なんか忘れてない?まぁいっか)
そして全力で走って学校の校門に着き、校門を通ると同時に校門にあった時計を見る。 『8時19分』
「凌空もうすぐだ!頑張れ!」
とは言ったものの、1分で教室まで行けるか?うちの1年C組は3階にあり、1分でつけるかどうか微妙なところだ。だが、ここまで来ておいて遅刻する訳には行かない。
(出来る、出来ないじゃない。やるんだ!)
自分の中でカッコイイと思っているセリフを心の中で叫びながら全力で階段を駆け上がって行く。
俺と凌空が3階に着いたと同時にカウントダウンが始まる。
8時20分まで残り………10、9、8、7、6、5、4、3、2、1……
「クッ!行けーーーーーーーー!!」………0!
0とほぼ同時に俺は教室に入る。
「はい、暁霞セーフ!」
と悔しそうな高木の声がする。
教室には高木の他にも金木などのクラスメート面々が居た。なんとか遅刻を回避出来たようだ。
「やったな凌空!」
俺は凌空を見て、言葉をかける。
「はい、ありがとうございます!」
凌空が感謝の言葉を述べていると、高木が水を刺すように、
「いや、雲上は遅刻だから」
「「え!?」」
俺と凌空が驚いた顔で同時に高木を見る。
「いやだから、暁霞はギリセーフだけど、雲上はギリアウトだから」
「「………」」
「ふざけんじゃねぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「すいませんーーーーーーーーーーーー!!」
俺が凌空を向かって叫ぶ。反射的に凌空が謝ってくる。
結局、俺の努力は塵になってしまったようだ。しかし、自分が遅刻しなかっただけいいと思うべきだろう。
でも、やっぱりなんか忘れているような。
────ホームルーム後
「お前ら、今日一緒に来たん?」
金木と凌空と俺が集まって話している。
「あぁ、そうだな。わざわざ凌空を起こしに」
ちなみに俺が凌空を30分待っている間、凌空は2度寝していたらしい。今度から無理やり連れて行こう。
「アハハハハハハハハハハハノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \」
「やばい、凌空がぶっ壊れた」
凌空はずっとこんな感じだ。更に目の光を失っているので、まるでただの廃人だ。
どうやら、遅刻したことで本当に成績が下げられたらしい。
まぁ、いずれか元に戻るだろう。
「しばらく、そっとしといてやろう」
「そうやな」
とその時、俺の中にある。危機感知が反応した。
俺は他の人より5感が敏感らしく。俺に向けられる視線や感情を総合的に判断し、相手が意識して俺に害をなそうとしたりすると危機感知が反応する。
敵意や殺意にだけでなく、嫌ことが起きそうな時にも反応するのでかなり便利である。つまり生存本能みたいなもんだ。
実際こいつのおかげで俺は何度も助かっているので、結構信用している。
まず、俺は危機感知が反応した時はその場から離れることが正解だと考えた。だが、その時には既に遅かった。
「ねぇ、ちょっといい?」
後ろから冷たい声がかけられる。その声を聞いた途端、背中に寒気が走った。恐る恐る、後ろを振り返る。その声の正体はもちろん、桜井愛花さんであった。