協力
「暁霞くんと話したかったからかな」
「えっ?」
今なんて言った?俺と話したい?今日、初めて会いましたよね?
「とりあえず、一緒に帰ろ?」
「あ、うん」
なんかよく分からないが、一緒に帰ることになった。そんなラブコメ展開みたいなの遭っちゃって良いんですか?いやいや調子に乗るな俺。また、痛い目見るぞ!
「暁霞くんってどこら辺住んでんの?」
「俺はあそこら辺だよ」
「じゃあ、途中まで一緒じゃん」
それにしてもなんで俺と話したかったんだ?全く見に覚えがない。とはいえこう言うのは大体裏があるはず。こういうのはちょっと仲良くなってから本題に踏み込んで来るだろう。それまで待つとしよう。
俺の予想通り、ちょっとの間話していると
「いきなりだけど、暁霞くんってまだ明日香ちゃんのこと好きなの?」
俺の中で警戒心が上昇した。なんでそのことを知っている?
「えっ!なんで?」
「だって、振られたんじゃないの?」
本当にいきなり聞いてきたな。でも、そういう事か。それが聞きたかったんだな。クソ、俺にそんなラブコメ展開ある訳ないか〜。俺と話したかった理由はわかった。だがなんでこいつがそのことを知っている?
1…亜蓮たちが話した。
2…明日香から聞いた。
まず1はない。いくらあいつらでもそこまで常識を知らない奴らじゃないはず。となると2の可能性が高い。
「えっと、なんで知っているの?」
「明日香ちゃんが言ってたよ」
やっぱりそうか。ていうかそういうことは人に言わないだろ普通。こいつはそれほど明日香と仲が良いのか?それとも知り合い全員に言ってんのか?
「桜井さんって明日香とどんな関係で?」
「親友見たいなもんだよ」
誇らしげで言って来る。やっぱりそうか。となると本当に親しい人にしか言ってなさそうだな。
「そうなんだ、それはそうと、明日香が俺を振った以外で他になんか言ってなかった?」
「ん〜?別に何も」
「………」
あいつが俺を罵倒したことは言ってないらしい。なんでかは知らないが、無性に怒りが込み上げてきた。
「それで、明日香ちゃんのことまだ好きなの?」
確かに振られてから罵倒されたショックとかが大きすぎて好きかどうかとか気にしていなかった。好きかどうと聞かれても、はっきり言ってよくわかんない。今はこの怒りをどこかにぶつけたい気分だった。て言うかよくこいつもそんなこと聞けるな。だが待てよ、こいつを上手く使えば明日香が俺を罵倒した理由を知ることが出来るかもしれない。
「その事なんだけど─────────」
俺は亜蓮たちと同じように全て話した。明日香が俺を罵倒したこと、そのせいで明日香のことがまだ好きなのか分かんないこと。そして、その理由を知るために協力して欲しいこと。
「それほんと!?信じられない!」
「俺も信じたくない。なんでそんなこと言ったか分かる?」
「本当にキモかったんじゃない?」
「流石にそんなわけない……………と言いきれない自分が怖い」
実際、2年くらいずっと追いかけてたし、口にしなかっただけで本当はそう思ってたのかも知れない。そうでないことを祈っていると、
「でもいいよ。協力してあげる。私もその理由知りたいし」
「ありがとうございます!」
よしこれで1歩全身だ。でも、理由を知ってどうするのだろうか?俺は一応振られた身あまり関わらない方がいのだろうが、この胸にあるもやもやをどうにかするためだ。仕方ない。
これから明日香とどう関わるかは理由を知ったあとに考えればいいだろう。
「じゃあ、これからよろしく」
「うん、よろしく!」
「そういえば、桜井さんってどこかで会ったことある?」
「ん〜?それは…………秘密だよ」
桜井さんは楽しそうにそう言いながら走って帰って行った。
秘密って…………それは会ったことあるってことか?




