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負け主人公である俺が真の青春を謳歌する  作者: えもやん
1年生編……俺が「負け主人公」と呼ばれるまで
3/15

結果報告


「卒業おめでとう〜!」


「「「「おめでとう〜!」」」」


1つの焼肉店から俺の声に続いて、剣解、亜蓮、金木を含めた4人の声が響き渡る。俺たち以外のメガネと敬語が特徴な真面目そうな1人の少年、雲上凌空クモガミ リク。メガネを掛けて頭が良いと見せつけている感じがするが実際、頭がいいのがムカつく。俺たちはこの5人の陰キャ集団でつるむことが多く、よく遊びにいっている。今日は卒業ということでみんなで焼肉に来ている。


「早く肉食おうぜ!」


「だな〜」


食べ放題とドリンクバーを注文し終え、適当な雑談が始まった。


「最近の焼肉ってパットで注文するんだなー!」


「そんなことも知らないのかよ」


「おいおい、こちとら原始人だぞ」


「嘘つけ!」


今の会話のように俺がボケて、亜蓮が突っ込んだように俺たちの会話の中には立ち位置、見たいなものが存在する。俺、剣解、金木がボケで、凌空がツッコミ、亜蓮が状況に応じて変化するという感じだ。

そんなしょうもない会話をしいると、注文していた肉が来て、焼肉プレートに火がつけられる。金木が次々と注文した肉をその中にぶち込んでいく。そして、俺たちは焼肉のタレと割り箸を全員分用意すると。


「よし、お前ら準備はいいか?」


「大丈夫だ、問題ない」


すると急に全員が静かになる。聞こえてくるのは肉が焼かれている音と亜蓮の腹の音だけだった。


「こっからは─────────奪い合いだーーーーー!」


「「「「おーーーーーーーーーーーー!」」」」


俺の狼煙と共に焼肉争奪戦が始まった。みんなで分け合えばいいのだが、この世界は弱肉強食そういうわけにもいかないらしい。ちなみに金木は肉を焼くので不参加である。まず金木が焼けた肉を一人ずつ分配していくと、亜蓮がそれを全て平らげる。


「き、貴様何をする」


「言ったはずだこれは奪い合いだ。欲しいなら奪って見せろ!」


「おいおい、お前じゃ俺達には勝てねぇぞ」


「良いんだな?後悔するぞ!」


「フッ、やれるもんならやってみな」


亜蓮の挑発に俺、剣解、凌空が乗っかる。そこから焼肉争奪戦が加速する。亜蓮のところに来た肉を剣解が食い、剣解のところに来た肉を凌空が食う、凌空と俺のところに来た肉を亜蓮が食べていた。

(あれ?俺、肉食えてなくね。今のところご飯大盛りしか食ってねぇぞ。クッ!どうすれば、考えろ!暁霞朝陽。金木が肉を分配しているから俺たちは直接取れない。なら簡単だ。俺が肉を直接取れば良い。)

そう考え、俺が箸で焼かれた肉を取ろうすると


「やべぇ、箸が燃えて灰になった」


⚠︎︎良い子は真似しないで下さい。


「朝陽、箸が無くなったので退場」


「馬鹿かお前?」


「………」


そして、しばらく経った。


「さて、そろそろ本題に入るか」


「そうだったな。忘れるところだった」


亜蓮が話を切り出す。今日、焼肉に来たのは卒業祝いだけでなくもう1つの目的がある。


「朝陽、どうだった?」


そう、亜蓮たちは俺の恋愛事情を知る、唯一無二の存在であるため、俺が昨日告白したことも知っている。そして、今日焼肉に来たのはその結果を報告するためでもある。


「………………」


「「「「……………」」」」


「結果は────────────ダメでした」


「「「「おめでとう〜!」」」」


結果を言うと、まるで結果がわかっていたように祝福の言葉と拍手が俺に向けられる。あれ?こういう時って慰めの言葉を言うものだよな?

そして、告白の時の状況について詳しく説明する。一応、明日香に罵られたことは伝えておいた。振られてしまったのだから今後できる限り関わらないようにするつもりだったが、なぜ明日香があんなことを言ったのかどうしても知りたい自分がいる。だが明日香は俺を避けているらしく、今はまともに話しも出来ないだろう。そのため、明日香との繋がりのある亜蓮たちには、話しておくことにした。亜蓮たちが明日香に聞いてもいいんだが、流石に自分で直接聞きたいのでしばらく保留という形になった。

結果報告が済んだところで、


「お前らもうすぐラストオーダーだぞ」


「頼め、頼め〜!」


ラストオーダーということで俺と剣解が注文すると。すると、アイスや肉などが大量にやって来た。


「これ全部食べ切れるか?」


「わからん」


「残し過ぎると追加料金発生するんだぞ」


「俺はもう無理、あとは任せた」


「俺も無理だわ」


「おい、頼んだ張本人」


肉やデザートなどを大量に注文した俺と剣解は既にノックアウトで、凌空は俺たちの頼んだデザートを全て食べてトイレに篭っている。てかこれほんとに全部食べ切れるのか?


──────────────────────────


「危ねー、もうすぐで料金増えるところだった」


「誰のせいだよ」


俺たちが食べられない中、肉を焼いていてあまり食べていなかった金木と亜蓮のおかげで全部食べ切ることが出来た。


「それは良かったとして、まぁ朝陽元気出せよ」


亜蓮が急に励ましてきた。今頃言うかそれ?


「次だ、次。中学で可愛い子でも見つけるわ」


「頑張れ」


結果を報告し、次に向かう決心をした朝陽。

肉の食べ過ぎで腹を壊す亜蓮であった。


朝陽はまだ知らない。これから先、彼は数々のヒロインたちと出会い。そして後に「負け主人公」と呼ばれるようになるのはまだ先の話である。

すいません。凌空のセリフがありませんでした。今後しっかり出したいと思います。

まだ3部ですが、ここまで読んでくれてありがとうございます。

ここまでが、登場人物の紹介や物語の設定についてという感じの部でしたが、次回から本編スタートです。

これから先、朝陽がどんな青春を謳歌するのか。

これからもよろしくお願いします。

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