部活とジャージと?
なんやかんや奇妙な日常が続く中、ここ数ヶ月で思ったことは勉強が少し難しくなったということと、最近 部活動が楽しいということだ。
中学校に入ってから数ヶ月経った時、ほんの少しの期待とワクワクを胸に部活動が始まった。
うちの学校の部活は
運動部がサッカー、野球、バレー、バスケ、テニス、帰宅部。
文化部が家庭科、美術部があり。
その他には、バレーやテニスが男女に別れていたり、クラブチームとして外部で活動するぐらいだ。
俺的には卓球や水泳部があれば入りたかったが、無かったため何も入らないつもりでいたが、親に何かしらの部活に入れと言われたので亜蓮や凌空たちと同じテニス部に入ることにしたという訳だ。
最初はやった事の無いスポーツで不安もあったが今では結構楽しいと思っている。
ちなみに、凌空や亜蓮たちがテニス部に入った理由は『楽そうだから』だそうだ。うちのテニス部は1年の人数が13人と他の部活に比べて多いが、面白いことにテニス部に入った人達のほとんどが凌空たちと同じような理由らしい。もう部活入るなよ。
まぁ俺も人のこと言えないけどね。
俺はテニス部の他に外部のクラブチームで水泳をしている。こっちが本命という感じだ。
テニスもやりながら水泳もするとなると大変だ!と思うかもしれないが、テニス部はそれほど楽であった。1年生である俺たちは当然ながらそのほとんどが未経験者であり、練習と言っても素振りぐらいであり、その他には先輩たちが打ったボールを拾うという感じで非常に楽である。
そして、今日も授業が終わり俺たちは部活動へ行こうとしていた。
「朝陽、凌空、部活行こうぜ」
帰りのホームルームを終えると剣解と亜蓮が俺たちを部活に誘いに来る。亜蓮は基本的に運動が嫌いだが、何故か部活になるとやる気がある。きっと楽だからであろう。その亜蓮とは対照的に剣解は運動が好きなのでいつも楽しいそうに玉拾いをサボっている。
「おっけー」
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俺たちは部活に行き、いつもどうり素振りを終えると恒例の雑談タイムが始まっていた。もちろん俺と凌空も雑談をしていた。
「俺たちいつになったらコートで打てるんだ?」
「3年が卒業したら出来るんじゃないですか」
ちなみに俺たちは玉拾いをしているだけなので先輩とはほとんど関わっていない。もちろん名前も知らない。
しばらくすると、顧問の先生がやって来た。それに気づいた部長が挨拶をする。
「お願いします!」
「「「「お願いします」」」」
俺たちもそれに続いて挨拶をする。挨拶をすると、顧問の先生がこちらにやって来た。なにか話があるみたいだ。どうせ、素振りの仕方やラケットの持ち方について話すのだろうと思っていると
「今日は、新人戦に向けて2人、1組のペアを決めてもらう」
みんな俺と同じように思っていたのか、驚いている。
「まぁ、何でもいいから適当に決めといてくれ」
顧問はそれだけを言い残してコートの方へ行ってしまった。そもそも俺たち素振りしかしてないけど大丈夫なの?ルールとか全くわかんないよ。まぁ、それはなんとかなるか。
さて、ここからは争いだ。大会のためのペアは2人で1組だか、俺たちは1年だけで13人つまり1人余る。さらにこれは授業ではなく部活だ。余ったら先生と組まされるという地獄はないが、大会出場どころじゃなくなってしまうのでそれだけは避けたいところだ。だが、運のいいことにテニス部には俺の仲の良いやつが多くいる。とは言え、それは周りの人も同じなのだが。
そして、急に争いが始まった。みんな周りの人に声をかけ始めている。俺としては運動が得意な奴と組みたいところだが、まずは生き残ることを優先しよう。
ここはあえて、誰とも組めなそうやつと組めば生き残れるだろう。
(え〜と、誰とも組めなそうなやつは………)
「おーい、朝陽オレと組もうぜ」
俺の声をかけて来たのは、ちょうど俺が頭に思い浮かべていた男、碧海亜蓮だった。なにせ彼は運動が嫌いな上に、圧倒的な質量を誇る生命体。もちろん自分から組もうとするやつはいないのであったが俺にとっては好都合。こいつと組むなんて、ぼっちになるのに比べたら何倍もマシだね。それに最近やる気に満ち溢れていたので意外と出来るかもしれない。いざって時は、壁にしよう。
「おう、いいぞ」
そして、周りを見てみるといつの間にか争いが終わっていた。大体の人がペアを決められたらしい。
そして、この争いの敗北者は………
「俺、ペアいないんだけどどうすればいいん?」
金木純也であった。金木も周りに声をかけていたが、運が悪くその全てが既にペアを作っていたらしい。
「え〜、まぁ何処かに入れてもらえ」
「あ、はい」
予想どうり何処かに入れてもらうことになったらしい。
金木、強く生きろよ!
「いくよーーーーー!」
テニスコートの方から高い声が聞こえてきた。なんの声かと思い、奥のテニスコートに目を向けると、そこには女テニが部活をやっていた。
女テニは俺たちとは違いしっかりとコートで打っている。その中で俺の目に映るのは、桜井愛花さんであった。もうすぐ夏が来るからか、ジャージではなく体育着で身を包んでいる。体育着だけでなくジャージも見たいな〜。ついでに夏服(本命)いや別に好きだから見たいとかじゃなくてさ〜。だって夏服だぞ!?袖が切り取られただけなのにも関わらず眩しすぎて直視することが出来ないあの夏服だぞ!
さらに、誰から見ても美少女である桜井さんの夏服とかもう…………グヘヘヘ
と妄想ではなく想像を膨らましていると。
「おい朝陽、何ぼーっとしてるんだよ」
「いや、何でも無い」
「早く先生にペアの報告しに行こうぜ」
「ああ、そうだな」
そう言って、いつか夏服andジャージを拝めることを願って先生の所に行くのであった。
今回で第10話ですね。もう10話と考えるか、まだ10話と考えるか。どっちでもいいんだけど。とは言え、これからもまだまだ続いて行くので何卒よろしくお願いします。
人物紹介
名前……碧海亜蓮
性別……♂
誕生日……6月17日
クラス……1年B組
見た目から分かるようにデカくて金持ちの少年。
(デブと言うと怒る)
朝陽にデブは性格が悪いという偏見を植え付けた。
だが、意外と仲間思いな一面もあり。たまに気前がいい。
朝陽とはクラスが違うので1年編ではあまり出番がありません。
2年、3年生編の活躍を期待しましょう。