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【第8話】人の温かさを知った僕

8話目です。予約投稿なので、特に書くことないんですよね。

「霧ヶ峰君の紹介は終わりましたね」




有坂はずっと後ろで霧ヶ峰のことを待っていたようだ。




申し訳ない…




「そうやね!次はなにする??ゲームでもするん?」




神永 光が質問すると有坂は首横に振った。




「彼は3日前に事故にあって急遽治癒して私の能力でここまで連れてきました。さすがに疲れていると思いますし、今日はこの辺で自由時間にしましょう。」




すると部屋にいる全員の目が明るくなる




「じゃあ、今日は授業ないんですか?」




「…やったね、念同ちゃん…」




風香は念同にささやくようにつぶやくと




「いーね、みんなでマリカーしようよ~」




提案には何人かが反応する。ここではマリカーが流行っているようで、それには水無月も




「やっちゃうけどいいかい?僕はヘイホーで独走する」




それに反応した光は篤人から手を放し、テレビのほうへ寄っていく




「えー!うちもやりたい!かわいいキャラ使うわ!」




ぬくもりを感じていた手が離れていくのを篤人は静かに見守っていた。




遠くではコントローラーの争奪戦が起こっている。




「有坂さん…いいですね。こういうの」




「何がですか?」




「こういう…みんなが盛り上がれるような…そんなのです」




「彼らは幼い頃から親の愛情を受けていません。先天的に異能が発現した人は親の顔を見ず、後天的に発言した人は親から離されてしまう」




そうか…僕とは環境も考え方も違うんだ…




有坂はにこやかに、安心そうにつぶやく。しかし、目に混じっているのは悲しげな感情。




「だからこそ彼らは人一倍仲良くなろうと努力する。その人の嫌いなところも好きなところも全部愛せるように…ちょっとキザすぎましたかね」




「いえ、そういうの好きですよ……すいません…安心したら急に眠気が…」




ねっむ…やばい




「あなたは3日間寝てましたからね。体力もなくなっていることですし、空き部屋へ案内します。荷物はもう届いているので開封は明日以降やりましょう」




篤人は気持ち的に軽くなったが、体力的には余裕がなかった。もう寝たい。篤人はそう思っていた。




「はい…」




篤人は部屋にたどり着くまでの記憶はなかった。













「で、襲撃が今日の午後2時辺りか…」




詳細に記された報告書に目を通していく。




朝霧は霧ヶ峰家へと赴いていた。




理由はメールの内容では詳細がわからないためである。




数人の警察官が現場の鑑定をしている。もちろんそれを行っている警察官たちは全員超能力の存在を知っている。




「はい。死体の残留エネルギーから推測するに、エネルギーを体に強制的に流され、犯人の個人的な能力によってねじれるように変死したと考えられます。」




「ひでぇ殺し方しやがる…」




朝霧は咥えていたたばこを離し、中指と人差し指で挟むように持った。




「このこと…霧ヶ峰のガキには言うなよ」




深刻な顔つきで言う朝霧。




「…いつかバレますよ…それは気遣いですか?」




「一般的な生活を送ってきたただの高校生にこの現状を伝えてもそれに耐えられるほど精神は成熟してねぇよ」




「俺らみたいにいつも周りの人間が死ぬのを日常茶飯事のように聞いてる俺たちとは違ってな」




「超能力の暴徒を止める。それが私たちの役目ですからね」













冬の空、きれいな灰色に染まったその空の下には、いつも黒い影が泳いでいる。




純然たる悪が正義に屈するとは限らないのだ。

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