【外伝10話】後悔と懺悔。
遂に外伝10話書きましたぁ…続いてほっとしている自分がいます。
「…なかなかに強いですね、ハイエンドクラスの方々は…」
戦闘が始まってすでに10分が経過していた。その攻防はまるで小さな小さな戦争に近しいものがあった。
辺り一帯に生じる衝撃波をいともたやすくいなし、攻撃を加えようとするその少女は、嬉々としてそう言った。
その細い通路の面影はほどんどなく、周りの建物は崩壊し、周りの建物のガラスはすでに粉々に粉砕していた。
「そりゃ…ハイエンドだからな。」
いつでも打撃を繰り出せるように、構えながらそう言い放つ速。
(それにしても…なんでこいつ反応できんだよ…ほぼ音速だってのに…身体強化って耐久値上げるだけじゃないのか?…)
攻略の糸口を探ろうとするが、そう簡単にいくわけではない。超能力は千差万別多種多様。長い時間戦っていくことで発動条件や、系統を把握して戦うのがセオリ―なのである。
逆に、長時間戦うことでバレたら不利になってしまう能力者はなるべく早期に決着をつけることが多い。
「お前、さっきから防いでばっかだよな…なんでそんなに攻撃しない?」
と、土ぼこりを払いながらそう問う速。
「なぜって…私が囮になっている間、ほかの能力者の方々が多くの人間を殺してくれればいいんですよ」
そう言った瞬間、速はさらに早い蹴りを繰り出す。少女の右腹部にもろに当たるが、「身体強化」によってあまり本体にダメージがはいっていないようである。
「ッチ…マジで固いなこいつ…」
「あなたは私に一生ダメージを与えることはできませんよ?だってあなたの攻撃、速いだけで全く響かないじゃないですか。」
と、にやりと笑い、次の攻撃にスッと備えるその少女の目は、勝ちを確信したかのような笑みを浮かべた。
「お前、なんで俺みたいな『加速』っつーなんの変哲もない、そこまで強くない能力がハイエンドクラスにいると思う?」
蹴りを出した右足をスッと自分のほうへ戻し、さらに構える速。
「…それは、単純に実力があるからではないんですかね?」
エネルギーを込めつつ、次の攻撃をうかがうようにして回答をする少女。
「俺、初等教育施設にいる頃からハイエンドなんだよ。」
…
超能力者教育施設は、初等教育、中等教育、高等教育施設に分かれる。初等教育から高等教育を経て、日本の未解決殺人事件、変死事件などに秘密裏に対応する「異能公安局」にて働くことになる。
もちろん、教育に関しては普通の学校と遜色のないレベルで行われているが、異能に関してはそうではない。
異能の個人的能力、体の中にあるエネルギー量、本人がどれだけエネルギーを使いこなせるかで、異能のレベルが違うクラスに分けられるのである。
能力値が低いものは「ローエンドクラス」。能力値が平均に近い、またはその能力の域を出ないものは「ミドルレンジクラス」。そして、ほとんどの能力値が優れたものは「ハイエンドクラス」となる。
そして、初等教育の中でハイエンドクラスの超能力者というのは、とても珍しい。初等教育でハイエンドクラスになれる条件はただ一つ―――
「俺は覚醒者なんだよボケ。一瞬で終わらせるぞ。」
彼は内に秘めた大量のエネルギーを込めて、彼女にそれを見せつける。
(私、とんでもない勘違いしてた…)
彼女は心の中で後悔に後悔を重ねる。そのエネルギーを自分の身に浴びた瞬間、死ぬことが分かったからだ。これは可能性でなく事実。そうやって後悔を重ねるくらいだったら、普通に生きて、普通に耐えればよかった、と。
そして、エネルギーは半径1,5Mの球体に変形し、少女は限界までエネルギーで自分の体を守ろうとするが、もう遅い。
死ぬとわかった瞬間、ポタ、ポタと涙が流れ出す。
私、死ぬんだ。なんで超能力者なんかになったんだろう。こんな能力なければよかったのかもしれない。
「あ…ごめんなさい。」
かすかにスッとその言葉をぼそりとつぶやいた。
彼女は悟ったように目を閉じた。
書き溜めがないので出来立てホヤホヤです。誤字脱字、文章の変なところもあるかもしれませんが許して下さい。




