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【第23話】殻に閉じこもった僕

23話です。

「今日で…何日目だったっけ…」


異能公安局本部。その地下5階。


霧ヶ峰 篤人は周りが冷たいコンクリ―トで覆われた部屋のなかに幽閉されていた。


大きさは約5畳程度。


時計もなく、あるのは出口に通ずるドアとトイレ、ふろに通じるドア、昔ながらの敷布団、掛布団。食事が出てくるごくごく小さな四角い穴。


服はすべて没収され、着替えられるのは囚人のような灰色のズボンと服。裾が少し短く、袖に隠せないような作りになっているらしい。


篤人は掛布団の上でうずくまりながら、ずっと静か審判が下されるときを待っていた。


今回、異能公安局本部に暴徒が侵入し、篤人の内にあった鳴神 夕莉の暴走。鳴神 夕莉を危険だと思わないように細工された催眠能力。


そしてハイエンドクラスの内一人が死亡。


霧ヶ峰 篤人は超危険人物であった鳴神 夕莉のエネルギーを唯一顕現させられる超能力者。


ここに幽閉されるのも当然であった。


力也くんと氷菓さん…僕がいなくなって精々するんだろうな…


糸巻くん…念同さん…岩舘くん…もう一緒にゲームできないのかな…


水無月くん…風香さん…時々超能力の使い方を教えてくれたっけ…


ハイエンドクラスに来て1か月、そこにいて起きた様々なことを思い出す。


「…光ちゃん…」


篤人の目の前で首をねじ切られた光景。それを思い出す。


彼はさらにうずくまって大粒の涙を流して泣いた。


彼は暴走の最中に起こった出来事を何も覚えていない。鳴神 夕莉にかけてもらった言葉さえも…





朝霧 豪は国家安全保障委員会との面談をしていた。


見た目は50代程度で、朝霧とさほど変わらない。眼鏡をかけた小太りの男がゆっくりと、癇癪を起しそうな顔で話し始めた。


「君たちが一部催眠を受けていたこと、異能公安に暴徒が侵入したこと、鳴神 夕莉の脳が移植された少年の暴走、ハイエンドクラスから一人が死亡…」


ここは巨大な会議室の中。朝霧は組み立て式の机を挟み、5人の委員会の人間と面談をしていた。


というより、説教に近いだろう。


漆黒のスーツを身にまとったその男たちは少ない頭の毛を撫でながら、ふんぞりかえって口を開く。


「今回、本部への侵入にて有坂副局長が意識不明。さらに3人が死亡し、2人は重体…暴徒には逃げられ…これ以上はなにも言うまい」


朝霧はたばこを吸えないこの空間が嫌いであった。


そして長らく受けてこなかった説教を自ら受けに来なければならない面倒さ。


(だから面談は苦手なんだよ…)


「霧ヶ峰 篤人は秘匿死刑、そして君は…10年間の減給および局長権限のはく奪。権限は有坂副局長に譲渡する」


「しかし…有坂 真美は意識が戻らないという…刑法521条による


『国民の安全を保障する異能公安局、局長および副局長が局長権限を行使できない立場、状態にあった際その権限を国民安全保障委員会に一時譲渡される』


眼鏡の男の隣にいたやせ細った男が言う。


その場にいた5人の男たちはにやりと笑い、「してやったぞ。異能者ども」と言うように朝霧 豪を眺める。


朝霧は手を後ろに回しており、しっかりと説明を聞き届けていた。


しかし、その結論をはねのけるがごとく、彼もまた口を開く。


「彼を死刑にするのは反対です。これについては後程説明を。そして、有坂は今先ほど意識回復を確認。本人は動けると言っています」


「…朝霧 豪゛局員゛…なぜ霧ヶ峰 篤人の死刑について反対なのだね?」


続けて眼鏡の男は焦った顔を顔の前で手を組んで隠しながら質問をする。


「そして、なぜ彼女が意識を回復したのだ?」


朝霧はその二つの質問に颯爽と答えを返す。


「まず…えー…霧ヶ峰少年は私が養子として預かります。しばらくエネルギーの暴走化を私が抑える」


立てられた人差し指からピースを作るようにして、次の質問へ移行する。


「あと…彼女は健康状態の時をセーブしてます。彼女の能力の発動条件は『ロード』と自分の声で言うことですから、ボイスレコーダーを使って能力を発動させました。完全回復してますからその点は大丈夫です」


そう言うと彼は自分の左側にあったドアをガチャリと開け、その部屋から出ていく。


それを引き留める委員会。


「おい!!朝霧 豪!!!貴様!!!鳴神 夕莉をこの世に生かすというのがどういうことかわかってるのか!!!」


「ええ、わかってます。」


コートに右手を入れ、左手でドアノブをつかみながら朝霧は「てめぇらの好きにはさせない」とばかりの顔と声色をしながら言う。


「私の局長権限をはく奪できるのは委員会と異能庁ですが、彼を死刑にできるのは…異能公安局長権限を持つ有坂 真美と異能庁だけです」


「異能庁が死刑を実行しないということは…まだ彼には利用価値があるのでしょう。それか…鳴神の内通者がいるからうかつに殺せないのか…」


「まて!!朝霧!!!」


その呼びかけに応じず、ドアをくぐり、廊下をコツコツと音をたてて歩いてく。


「さ、局員としての仕事の時間だ」


朝霧は左手のポケットから煙草を一本取り出して゛酸化゛で火をつけた。 


はい。もうすぐストックなくなっちゃいます。マジで焦ってきました。でも大丈夫だと思います。僕はやれる子なので、多分大丈夫です。ポイント入れてほしいです。入れてくれないと悲しくなります。

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