実行
(※西宮寺香恋視点)
私はヤンキー3人組を潰す方法は、敦宏がボコボコにされた日には思いついていた。
ヤンキー3人組には学校内で良くない評判ないしうわさがなされていた。
同級生や他校の生徒からカツアゲをしているとか万引きをしているのではないかといったものだ。本当かはわからないが、それが濃厚ではないかと私は直感的に感じた。
でも、証拠がなければ奴らは潰せない。
そこで私は1つのアイディアを思いついた。
いきなりだけで、私の父親は警察官だ。そして、結構地位の高いポジションにいる。父親は毎日家に帰ってくることなく、たまにしか帰ってこない。そのため、結構地位の高いポジションにいるのは母親から教えてもらったから。
そして、そんな父親の知人である人が昔、良く家に来ていたのを覚えている。覚えている限りではその人は探偵をしていて、事務所も私が住んでいる地域にあるといっていた記憶がある。確か名前は、平和探偵事務所だったはず。
私は奴らを潰すための証拠を集めてもらうために、予約もしないっといった常識がない行動をして、平和探偵事務所に突撃するみたいな形で訪問した。
父親の知人である探偵の人は最初驚いていたけど、私が訪問したときは、運がいいことに依頼がなく、父の知人である、平和さんは事務所にいた。
会ったのは5年ぶりぐらいだったので、丁寧に自己紹介をすると、最初の怪訝な顔とはうってかわり、快く私を受け入れてくれた。
そして、訪問した理由を丁寧に話し、ヤンキー3人組の動向の情報を得るための尾行を依頼した。
普通、高校生が探偵に依頼してもそれを受け入れてくれないのが普通だが、平和さんの知人の娘である私の頼みためか、それとも私の思いが届いたのかはわからないが、依頼を了承してくれた。
そして、依頼料として10万円を払った。高校生では中々、所持していないであろう額だが、私は小さいころからもらっていたお年玉を一度も使っておらず、月におこずかいももらってはいるが、ほとんど使わないため、貯蓄は自分でいうのもなんだが、結構あると思う。
依頼を受け入れてもらった後、平和さんは調査の結果が出るには5日間ぐらいはかかると言われた。
5日間と言われたときは、長いと不本意ながら思ってしまった。5日間の間に、どれだけ敦宏がひどい目にあうかなど想像したくなかった。しかし、結果がでるのには時間がかかるのも事実だ。そして、5日間の間、敦宏があいつらに暴力を振るわれていたら、無謀かもしれないけど、私が割って入れば良い。
これらを脳裏で考えて、平和さんが言ったことを了承した。
5日後。
その日は土曜日であり、午前中に部活が終了した後だった。
13時頃に平和さんから電話があり、調査が完全に終わって証拠が集まったということを伝えられた。それを聞いた後、私は足早に平和探偵事務所に足を運んだ。
平和探偵事務所に到着し、平和さんに挨拶をした後、平和さんは私に証拠の写真を見せてくれた。
評判やうわさは本当であった。
3人組のヤンキーは、私が通っている学校や他校の生徒に対してカツアゲをしていた。その写真を平和さんが証拠としてとってくれていた。その上、万引きや学校外でも自分よりも弱そうな人間に暴力を奮っていたりもしたそうだ。本当にむちゃくちゃだ。
そして、私は1週間が始まる月曜日に私が所属している女子バスク部顧問にこれらの写真を渡した顧問の先生は写真を渡された瞬間は、何をいっているんだこいつはといった表情をしていたが、写真を見ていくうちに顔色はどんどん変化していった。
顧問の先生は、職員会議でこの件について報告すると言ってくれた。
1日後、敦宏に暴力を奮った3人組は学校から退学させられたのだ。その情報は瞬く間に私や敦宏の同年代に蔓延していった。