“ん? あれ? 言葉理解る的な?”
「ーー“敦”兄ちゃんっ、待ってよっ」
と。ーーん?
「…………待たない。」
と。ーーんんっ?!
「酷い! 僕今“足短い”んだからね!」と。いや待って?
「…………前からだろ。仕方無えなあ。」と。向こうからやって来た“イケメン”サンが、さ。めっさヤバめの“美少年”を、抱っこしたんだけど。××××××××ええっ?! 日本語?! ーーっ、なんでっ?!
「ちょっ、ちょっ! いやあの!ちょっとっ!」と。顔をしかめたイケメンお兄さんの服の袖を慌てて握りしめたのは、俺だよね? はい、パニクってマス。××××××
××××××××
「ーーえ? 何? 敦兄ちゃん、知り合い?」
「阿呆云うな。離せ。」
「ん〜? でもそのおにいさん、日本語だったよね? じゃあ誰の知り合い??」
「知るか。触るなって言ってんだろ。手を離せよ。折るぞ。」
「ーーは?!」ーーと、俺は言ったのだった。××××××
と、美少年が思い付いた様に言ったのだ。「あっ、解った!」と。うん、何がかな?××××
「海?」ーーと、イケメンのお兄さんが。美少年を“カイ”と呼んだのだけど。××××
「ーー成程?」とまた言ったわけだよね。うん、だから何が???
× × ×
「まあ、そういう訳ですよ、敦兄ちゃん。調べられる?」と、美少年君が。うん、意味不明だね。俺置いてきぼりね。
「られるっちゃられるが、一旦戻らねえと流石に無理だぜ?」と。はい。ーー何が?
「行ける?」
「行けるけどな。解ったよ。仕方無えなあ。じゃあ海、おまえはーー」 「大丈夫、お父さんのお店に行ってるから。」 「はい、はいーー」と。うん。俺には“解からねー”よ?××××××××
■ ■ ■
「ああ、成程ね。そりゃ敦之には災難だったな」ーーと。信じ難きレベルの美形が俺の目の前で笑ってたわけだ。ーー夢かなこれは???
■ ■ ■
ーー整理しよう。まずだな。この街の名前からだな。“アマミ”というらしい。ーー正直俺は“は?”と思ったね。だって“アマミ”だぞ?“はあ?”って思うだろ、普通ーーなんでそんな名前なんだよって、な。もしかしてと、思うだろ? そうだよな。以前に日本人が転移やら転生して来て“名付けた”んじゃなかろうかって、な!
■ ■ ■
「市谷君だったかな? まあ、調査終わる迄は、寛いでてよ。」ーーと、言われた。まあそこは遠慮無く。遠慮で腹は膨れん!喰える時に喰う!これ基本な!生きるための、な。××××××
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俺はまあ、ありきたりにいえば、“いじめられっ子”だ。それは否定しない。別にちびだとか、容姿がキモいとかーーそんなでも無い。中肉中背。どっちかというと、モテるレベルだった。中学の時とかは、何回か告られたりもしたし。友達も普通にいた。勉強もそこそこで、成績は中の中か、やや上くらいだ。愛想良いわけでも無いけど、悪過ぎるとも言い難い。可も無く不可も無くとも言えるかもしれないが、だからどうしたーーだ。至って普通の奴だったのだ。そうーー中学まではーーな。高校に入学した俺は、次第にというか、それこそ知らぬ間に“嫌われ”たのだ。××××
原因ならわかってた。××××××××
俺は、私立“月花学院”の高等部に通っていた。月花は幼稚園から大学まで持つ、モンスター校だ。エスカレーター式といって幼稚園から希望すれば大学まで、一定の規定基準成績を落とさず維持すれば進めるシステムだ。けれど俺は高校からの外部組だった。いわゆる“少数派”だ。それが原因でいじめられた訳では無い。むしろもてはやされた。原因はとても単純なきっかけだった。とある“女の子”を、フったのだ。俺は知らなかったのだ。その女の子は皆の“高嶺の花”だったと。××××いやだってたいして可愛く無いしさ、しかも良く知らん子だぞ? 断わるだろーよ、普通は。しかしそれが“あかんかった”のだ。
彼女は性格が悪いのか、いやはや天然なのか。ーー俺に失恋した話を周囲にあろうことか言いふらしたのだ。それで俺はハブられたのだ。×××ד一年の時から………気に成ってたの………”て、美津原サンや…………。“え"っ、ストーカーッ?!”って思わず言った俺は正当防衛だよね。うん、絶対に。×××××
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「あの…………ところで………。聞きたいことが………色々と………」と、“寛いで”と言った超絶美形の、連れて来られたこの店の、オーナーだというそのおにいさんに、
俺は言ったのだった。街の名前は、アマミ。そして“彼”は“カゲツ ヨウセイ”と名乗ったからだ。つまりさ?
このひとも俺と一緒か、はたまた“そういう人”の子孫なわけだよね?これ?だって“美少年”君が“あんみつ”喰ってんだよね? さっきから、さ。しかも美味そうに。違うとは言わせねーし、言われたくーー無い。だろ?